【東京大賞典】「同年帝王賞勝ち馬」は複勝率83.3% ミッキーファイトが3歳強豪を迎え撃つ

2025-12-29 06:00:52菊池敬太
過去10年の東京大賞典,ⒸSPAIA

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2025年ダート競馬の総決算

29日、大井競馬場で東京大賞典(ダート2000m・GⅠ)が実施される。帝王賞→JBCクラシックとJpnⅠを連勝したミッキーファイトをはじめ、3歳ダート二冠馬ナチュラルライズ、同馬の三冠を阻止したナルカミ、帝王賞2着のアウトレンジ、コリアカップを制した大井のディクテオンなど、JRA・地方の実績馬が今年最後の大一番に集結した。

まずは予想の前に過去10年のレース傾向を振り返っていく。


過去10年の東京大賞典,ⒸSPAIA
人気別成績,ⒸSPAIA


人気別成績では、1番人気が【4-3-2-1】と勝率、連対率、複勝率の全てでトップ。2番人気は【2-2-2-4】、3番人気は【3-1-1-5】で、ともに連対率は40%を超えている。連対馬20頭中15頭が3番人気以内と上位人気の信頼度は高い。


所属別成績,ⒸSPAIA


所属別では、JRAが全10勝を含む連対馬18頭(栗東12、美浦6)と圧倒的に有利。地方馬は2019年のノンコノユメ(大井)と2020年のカジノフォンテン(船橋)が2着に好走している。


年齢別成績,ⒸSPAIA


年齢別では、5歳馬が3勝含む5連対でトップ。以下、4歳、6歳、7歳が各4連対。3歳は3連対となっている。

実績面では、連対馬20頭中17頭にはGⅠ(JpnⅠ)連対歴があり、そのうち14頭には勝利実績まであった。また、地方所属の連対馬2頭は、ともに前哨戦の勝島王冠で連対していた。

ほか、連対馬20頭を脚質別に見ると【逃げ2 先行7 差し8 追込2】。先行・差しと、好位で立ち回れる馬が活躍している。


過去10年の東京大賞典 ピックアップデータ,ⒸSPAIA


“絶対王者”不在のここは負けられない

◎ミッキーファイト
現在、JpnⅠ連勝中と勢いに乗る美浦所属の4歳馬。前走のJBCクラシックでは4コーナーで先頭に並びかけると、そのまま横綱相撲で後続に3馬身差をつけ快勝。ダートトップクラスの実力を遺憾なく発揮した。

キャリア【7-1-2-0】と安定感を誇り、地方遠征では一度も連対を外していない。同年のJBCクラシック勝ち馬は過去10年で本レース未勝利だが、同年帝王賞の勝ち馬は【1-2-2-1】複勝率83.3%と好成績を残している点は心強い。

本馬が入った7枠は2勝含む6連対を挙げる好枠で、先行・差しと自在に立ち回れる脚質は大きな強み。同世代の絶対王者フォーエバーヤングが不在のここは負けられない。

◯ナルカミ
ミッキーファイトと同厩舎に所属する3歳馬。ジャパンダートクラシックでは、ナチュラルライズの三冠制覇を阻止する勝利を挙げた。その勝ち時計2分3秒7(良)は、前年にフォーエバーヤングが記録した時計を0秒4も上回る、能力の高さを示すものだった。

前走のチャンピオンズカップはまさかの13着に敗れたが、右回りは4戦4勝と得意条件。前走チャンピオンズC組は過去10年で5勝をマークしている一方、二桁着順からの巻き返しは2着が最高着順である点は懸念点。加えて、中2週という厳しいローテとはなるが、JpnⅠを制した舞台に替われば反撃は十分に可能だ。

▲ナチュラルライズ
春の羽田盃と東京ダービーでは粗削りな面を出しながらも、ライバルを寄せ付けずダート二冠を達成。秋初戦のジャパンダートクラシックは惜しくも2着に敗れ、偉業達成とはならなかったが、ハイペースを追いかけて連対を外さなかったのは地力が高い証拠だ。

年長馬との対戦は初めてだが、3歳馬は過去10年で勝率、連対率、複勝率全てでトップと好走傾向にある。持ち前の先行力を発揮できれば上位に加わってもいい。

ほか、栗東所属のアウトレンジは前走チャンピオンズカップの5着馬。同年チャンピオンズカップの5着以内馬は過去10年で【4-4-3-3】と好成績だ。帝王賞ではミッキーファイトにクビ差2着まで迫る末脚を見せており、引き続き直線が長いコースな点は大きなプラス。流れがかみ合えばチャンスは広がる。

美浦所属のホウオウルーレットはシリウスステークス、浦和記念と重賞を連勝中。前走浦和記念組は過去10年で連対実績がない点は割り引きだが、持ち味の末脚を生かしやすい大井の外回りコースはプラス材料だろう。半兄には東京大賞典4連覇のオメガパフュームがいる血統でもあり、今の充実ぶりなら上位をにぎわすことも可能だ。

大井所属のディクテオンはコリアカップを制し、地方馬として初めて海外ダート重賞を勝利した実績を持つ。昨年は帝王賞で3着、今年も4着に健闘しており、大井2000mコースに高い適性を示している。川崎記念2着の実績を踏まえても、仕掛けのタイミング次第で上位に加わってくる。

キングズソードはJpnⅠ・2勝の実績馬。長期休養明け後は、2戦続けて不得手な左回りで4着だが、得意の右回りに替わるのは好材料だ。前走JBCクラシック組は過去10年で2勝を挙げ、枠も4勝をマークする4枠を引いた。相性のいいコースで上位をうかがう。


《ライタープロフィール》
菊池 敬太
サンケイスポーツで南関東競馬を中心に予想とコラムを掲載。
近況のレース内容や傾向、データのほか、現場取材などで集めた情報をもとに高配当を狙っている。

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