芝長距離で複勝率70%超、京都芝重賞は単回収率145% C.ルメール騎手のプラス条件、マイナス条件

東大ホースメンクラブ

C.ルメール騎手の「プラス条件・マイナス条件」,ⒸSPAIA

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日本で最も騎手人気を背負う男

今週は東京芝1600mでヴィクトリアマイルが開催される。2023年阪神JFの覇者でマイルでは連対を外していないアスコリピチェーノにマイルで復活を期す昨年の桜花賞馬ステレンボッシュ、これまで重賞2着5回の実力者ボンドガールなど、今年も楽しみなメンバーが集結した。

そして、今回1番人気が想定されるアスコリピチェーノに騎乗予定なのがC.ルメール騎手だ。日本で最も騎手人気を背負う男と言っても過言ではない名手。馬券でプラス収支を計上するには、ルメール騎手との付き合い方が非常に重要になってくる。

そこで本記事では、ルメール騎手の「プラス条件、マイナス条件」をテーマにデータ分析を行う。なお、参照するデータは2022年5月14日〜2025年5月11日の過去3年分とする。


芝の長距離で抜群の信頼度

C.ルメール騎手の「プラス条件」,ⒸSPAIA


<C.ルメール騎手の「プラス条件」>
鹿戸雄一厩舎(芝のみ)【15-12-0-12】
勝率38.5%/連対率69.2%/複勝率69.2%/単回収率117%/複回収率91%

リアルスティール産駒【24-7-8-17】
勝率42.9%/連対率55.4%/複勝率69.6%/単回収率125%/複回収率100%

芝2400m以上【42-18-13-30】
勝率40.8%/連対率58.3%/複勝率70.9%/単回収率126%/複回収率104%

京都芝重賞【7-1-2-8】
勝率38.9%/連対率44.4%/複勝率55.6%/単回収率145%/複回収率86%

まずはルメール騎手の「プラス条件」を紹介していく。

芝における調教師別の成績を見ると、イクイノックスやチェルヴィニアといった数々の名馬を手がけた木村哲也調教師とのコンビで【61-23-26-64】勝率35.1%、単回収率77%とまずまずの成績。しかし、妙味の面でこの黄金コンビを大きく上回る調教師が存在する。それが鹿戸雄一調教師だ。

このコンビでは【15-12-0-12】勝率38.5%、単回収率117%とプラス域をマーク。連対率69.2%は驚異的な成績で、馬連の軸には最適だ。

その他、アスコリピチェーノを管理する黒岩陽一調教師(116%)や杉山晴紀調教師(126%)も単回収率でプラスを叩き出している。

血統面では、リアルスティール産駒との相性が抜群。芝も【14-5-5-16】勝率35.0%で単回収率106%だが、なんとダートは【10-2-3-1】勝率62.5%、単回収率171%に複回収率も141%と凄まじい成績だ。

その他、レイデオロ産駒が【9-7-4-7】複勝率74.1%に複回収率106%、ジャスタウェイ産駒も【4-8-1-8】複勝率61.9%で複回収率103%など、やや意外な産駒がプラス域をマークしている。

また、芝の中長距離での信頼度は絶大。特に芝2400m以上では【42-18-13-30】勝率40.8%、単回収率126%、複回収率104%とベタ買いでプラス。たとえ人気馬でも逆らうのは難しい。

さらに芝重賞では京都が【7-1-2-8】勝率38.9%、単回収率145%と高水準。ここ3年で菊花賞2勝に天皇賞(春)、秋華賞、エリザベス女王杯も1勝ずつとGⅠで計5勝を挙げており、大舞台での信頼度も高い。

ほかにも、出走数は少ないが函館(205%)や札幌(153%)といった北海道の芝重賞も単回収率がプラスとなっている。


逆らうならダート、短距離で

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<C.ルメール騎手の「マイナス条件」>
ダート重賞【2-0-0-11】
勝率15.4%/連対率15.4%/複勝率15.4%/単回収率35%/複回収率19%

中京ダート【2-2-6-23】
勝率6.1%/連対率12.1%/複勝率30.3%/単回収率15%/複回収率54%

秋競馬×芝1400m以下【9-16-11-35】
勝率12.7%/連対率35.2%/複勝率50.7%/単回収率26%/複回収率71%

次にマイナス条件(単勝回収率60%以下)について取り上げる。

まずはダート。全体成績では芝が単回収率72%、複回収率81%なのに対し、ダートは単回収率64%、複回収率77%と芝よりも妙味が落ちる。

なかでもダート重賞は【2-0-0-11】単回収率35%、複回収率19%と奮っておらず、ダートGⅠに至っては【0-0-0-5】でここ3年馬券に絡めていない。芝GⅠと同様に信頼するのは危険だ。

また、中京では芝・ダートともに低調。芝が【9-12-6-29】勝率16.1%、単回収率55%でダートは【2-2-6-23】勝率6.1%、単回収率15%と、ルメール騎手のものとは思えない数字が並ぶ。

さらに芝・ダートに関わらず中京重賞では【0-3-0-9】と勝ちがなく、複回収率も35%と苦戦が目立つ。中京コースでは割り引く必要がありそうだ。

最後に、芝で逆らうなら短距離。芝1400m以下では【40-40-24-100】勝率19.6%、単回収率55%、複回収率76%と中長距離に比べて妙味が落ちている。

また、そのなかで季節ごとに差があるのも特徴。春競馬では勝率21.0%、単回収率62%、夏競馬では勝率25.4%、単回収率80%なのに対し、秋競馬では勝率12.7%、単回収率26%と一気に成績が低下することも覚えておきたい。


C.ルメール騎手の「プラス条件、マイナス条件」,ⒸSPAIA


《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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