【マリーンC回顧】地元船橋所属のプラウドフレールが3馬身差で逃げ切り マイペースに持ち込みダートグレード競走初制覇

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
後半800mは12.8-12.7-12.7-12.8
3歳牝馬限定戦で今年は10頭立てで行われたマリーンC(JpnⅢ・ダート1800m)は、地元船橋所属で張田昂騎手が騎乗したプラウドフレールが勝利。これまで南関東では2歳時に東京2歳優駿牝馬、3歳牝馬クラシック初戦の桜花賞とS I・2勝を含む重賞3勝の実績があったが、4つ目のタイトルはダートグレード競走初制覇となった。
レースはプラウドフレールが好スタートからすんなりとハナを奪い、1000m通過1:02.6(12.0-11.7-13.1-12.9-12.9)とマイペースに持ち込む。2番手にはこれが初のダート挑戦となったサヴォンリンナ、3番手にはクリノメイが続いた。
レース後半に差しかかっても、淡々とした流れでセーフティーリードを保ったまま直線へ。最終的には後半800mを12.8-12.7-12.7-12.8(51.0)というラップを刻み続け、そのままメンバー中最速の上がりを使い3馬身差で逃げ切り。勝ちタイムは1:53.6(稍重)での決着だった。
終始、楽なペースに持ち込んでの勝利だったが、休養を挟んで馬体重もプラス11kgで挑んだ一戦。前走の関東オークス(JpnⅡ)では3着ながらメモリアカフェに1.2秒差をつけられたが、馬体の成長に加えて前走よりも適性が高い距離に戻ったこともプラスに働き、雪辱を果たした。南関東3歳牝馬の中心的存在として、今後も重賞戦線で更なる活躍が期待できそうだ。
1番人気メモリアカフェは2着
関東オークスで圧巻の走りを披露したメモリアカフェは単勝1.6倍と断然の支持を集めていたが2着という結果に終わった。
最内枠からスタートして道中は内のコパノエミリア、外のクリノメイの間に挟まれる形で道中は5番手を追走。3角から前を追って大外から徐々にポジションを押し上げていったが、プラウドフレールが最後まで同じ脚色で止まらない流れでは差を詰めることができなかった。上がり38.4とメンバー中3位だった点からも少し物足りなさは残った。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
メモリアカフェから半馬身遅れた3着はプロミストジーン。3走前のヒヤシンスS(L)ではルクソールカフェの2着になるなど能力の高さは示しており、前走2勝クラスの横手特別を勝利して挑んだこのレースが重賞初挑戦だった。
出遅れ気味のスタートから序盤は後方3番手を追走し、向正面でポジションを上げるとそこからはメモリアカフェを前に見る形で運んだが、こちらもゴール前は上位2頭と同じような脚色となってしまい、伸びきれずという内容に終わった。
このレースまでの全5走、いずれも上がり最速の末脚をマーク。特に東京コースでは4走前のオキザリス賞(1勝クラス)では上がり35.3、2走前の青竜S(OP)はクビ差で敗れたものの、上がり34.5を記録していた。
しかし今回はやや不器用そうな面を見せ、初めて上がり2位に終わったことからも広いコースでこそ持ち味が活きるタイプだろう。
《ライタープロフィール》
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。
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