【日本テレビ盃回顧】フォーエバーヤングがBC前哨戦を快勝 坂井瑠星騎手「結果も内容も必要なレースだった」

2025-10-02 12:00:44三木俊幸
2025年日本テレビ盃勝ち馬フォーエバーヤング,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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5番手追走から早め先頭へ

船橋競馬場で行われた日本テレビ盃(JpnⅡ・ダート1800m)は、坂井瑠星騎手騎乗で単勝1.1倍と断然の支持を集めたフォーエバーヤングが勝利。ドバイワールドカップ(GⅠ)以来の休み明けとなったが、ブリーダーズカップクラシック(GⅠ)に向けた前哨戦で好発進を切った。

レース時には月明かりがのぞいていたものの、雨が降った影響で馬場発表は稍重。スタートを決めたライトウォーリアが行く構えを見せたところに、フォーエバーヤングの僚馬でもあるレヴォントゥレットが強気に競りかける。しかし、ライトウォーリアの鞍上・吉原寛人騎手は譲らずハナを奪い切ると、徐々にリードを広げて向正面では後続に4馬身のリードをつけた。

11.7-11.2-12.4-12.3-12.4(1:00.0)とペースが流れて縦長の展開となったなかでフォーエバーヤングは道中5番手の外を追走、3角手前から徐々にポジションを押し上げていく。4角では先頭に並びかけていった。

後半12.8-13.0-13.0-13.4(52.2)とスタミナも要求されるところ、いつものように若干モタつく感じはみせたが、前走・ドバイワールドカップ時のようなズブさはみせることなく、最後は余裕を持って2馬身半差。勝ちタイムは1:52.2。ここでは力が違ったという結果ではあるが、坂井騎手は開口一番「ほっとしました。負けられなかったので」という心境を口にした。


フォーエバーヤング,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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状態面については「休み明けとしては申し分ない状態でした。次のアメリカに向けても結果も内容も必要なレースだったと思いますし、いい内容だったと思います」と語ったように、1周目のスタンド前で頭を上げる仕草が見られたが、久しぶりに砂を被る経験もできたうえにアメリカのレースでも想定される前半から流れるペースにもなったことは次走につながるはず。

今年のブリーダーズカップクラシックは3着となった昨年よりもさらにハイレベルなメンバーが揃いそうで簡単なレースにはならないと考えるが、陣営がアメリカで勝利するという目標を持っているなかで挑んだ前哨戦としては良い経験ができたと言えるだろう。


2番手から粘ったレヴォントゥレットが2着

2着にはレヴォントゥレットが入り、矢作芳人厩舎のワンツー決着となった。

2走前の平安ステークス(GⅢ)では、その後の帝王賞(JpnI)で僅差の2着となった実力馬アウトレンジと0.2秒差の3着と好走。前走のBSN賞(L)もジャスパーロブストから0.1秒差の3着という結果だったが、同馬は先日の白山大賞典(JpnⅢ)で重賞を勝利した。

これらの結果を踏まえても、ハイペースを2番手追走から最後までしぶとく粘った内容は改めて能力の高さを示すものであり、今後の重賞戦線での活躍が期待できる結果を残した。


レヴォントゥレット,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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3着には地元船橋所属の9歳馬で7番人気のホウオウトゥルースが入った。道中は先行グループから大きく離された6番手を追走、展開も味方につけたがゴール前はレヴォントゥレットにアタマ差まで迫るという内容だった。

その他、昨年の帝王賞1着以来久々のレースとなったキングズソードは4着、強気に逃げたライトウォーリアは6着に終わっている。

《ライタープロフィール》
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。

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