【テレ玉杯オーバルスプリント回顧】サンライズフレイムが3角先頭から押し切り重賞初制覇 菱田裕二騎手「二の脚がすごく速くて想定していた以上にいいポジションが取れました」

2025-09-24 10:50:54三木俊幸
2025年テレ玉杯オーバルスプリント勝ち馬サンライズフレイム,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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3馬身差をつける完勝

武豊騎手、坂井瑠星騎手、J.モレイラ騎手など名手が集結し、多くのファンが駆けつけた秋分の日の浦和競馬場で争われたテレ玉杯オーバルスプリント(JpnⅢ・ダート1400m)は菱田裕二騎手騎乗で1番人気に推されたサンライズフレイムが勝利し、重賞初制覇を飾った。

レースはゲート入りの際に突進して一度飛び出してしまい、その後仕切り直して最後にゲートインしたエートラックスが好スタートから逃げる。

菱田騎手が「振り返ってみてもダートスタートの時はスタートが速くて、そういう可能性もあるかと思っていたのですが、今日も二の脚がすごく速くて想定していた以上にいいポジションが取れました」と語ったようにスタートで躓く場面もあったサンライズフレイムは1角に入るところで2番手を確保した。

前半の600m通過は36.2(12.2-11.7-12.3)。ペースが上がらなかったこともあり、向正面に入ったところでトーセンサンダーとアウストロが前へと並びかけていったが、引くことはなく12.3-11.2と一気にペースが上がった3角で先頭に立つ強気のレースが勝利を引き寄せたと言える。

直線に向くと後続との差を広げる危なげない内容で、3馬身差をつける完勝。勝ちタイムは1:24.8(良)での決着となった。

これまでは1400mのオープン特別で3勝、重賞では2024年の根岸Sが3着、4走前の今年は4着、そして前走の東海Sで5着という結果を残しているが末脚を活かすイメージが強かった。加えて520kg前後の大型馬で跳びの大きい走りをするタイプのため、今回、小回りコースへの対応がどうかという点も未知数ではあったが、全く問題なくむしろ先行力も含めてプラスに働いたようにも感じる。

半兄は2021年の全日本2歳優駿や2023年の当レースを勝利するなど重賞3勝と活躍したドライスタウト。サンライズフレイム自身も3歳時に4連勝で一気にオープンまで駆け上がるなど活躍が期待されていたなか、地方の競馬場初参戦で掴んだ待望のタイトル。ダートグレード競走は、本馬が最も得意とする1400m戦も多いだけに、今後に向けても可能性が大きく広がる勝利にもなったはずだ。

2着は地元浦和のアウストロ

2着には8番人気で大外枠から先行した地元浦和所属のアウストロが入った。ダートグレード初挑戦となった前走のさきたま杯は、不良馬場でレコード決着となるなかで9着(1:24.9)に敗れていたが、2走前のオグリキャップ記念では今回も3着に好走したムエックスと0.1秒差の2着(1:25.9)という実績はあった。良馬場かつ前半のペースも落ち着き、1:25.4で駆け抜けたように自身の能力を出し切った結果の好走だった。

アウストロ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


船橋所属のムエックスはさきたま杯2着に続く好走。最内枠から先行集団に取り付いたが、外からトーセンサンダーとアウストロが上がっていったところでも、内で動くことができないポジションだった。それでも直線は外に持ち出して脚は使っており、地力は証明してみせた。

その他では2走前にサウジアラビアのリヤドダートスプリントで3着と好走した実績のあるガビーズシスターはムエックスにクビ差及ばずの4着。東京スプリントを制するなど重賞2勝の実績を誇り、グレード別定からプラス3kgとなる斤量57kgでの出走となったエートラックスは7着という結果に終わっている。

《ライタープロフィール》
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。

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