【テレ玉杯オーバルスプリント】4歳馬が過去10年4勝と優勢 エートラックスがモレイラ騎手と“無敗タッグ”で反撃へ
菊池敬太

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秋のダート短距離路線を占う重要な一戦
23日、浦和競馬場でテレ玉杯オーバルスプリント(ダート1400m・JpnⅢ)が浦和競馬場で行われる。
今年の東京スプリントなど重賞2勝を挙げるエートラックスをはじめ、サウジアラビアのリヤドダートスプリントの3着馬ガビーズシスター、キャリア全戦で5着以内の安定感を誇るサンライズフレイム、さきたま杯で2着に入った船橋のムエックスなど、JRAと地方から実績馬が集結した。
秋の古馬短距離路線を占う意味でも重要な一戦、まずは予想の前に過去10年のレース傾向を振り返っていく。


人気別成績では1番人気が【2-2-3-3】複勝率70.0%で、直近3年は1着→1着→2着と好調。2番人気は【3-3-1-3】と勝率、連対率、複勝率の全てでトップ、3番人気が【2-1-3-4】と、上位人気馬が安定しており、連対馬20頭は全て5番人気以内だった。

所属はJRAが13連対(栗東10、美浦3)でリード。次いで地元の浦和が2勝を含む3連対。以下、船橋が2連対、大井、川崎がそれぞれ1連対となっている。

年齢別では4歳が4勝を含む5連対、6歳も5連対で最多タイ。4歳は勝率、連対率、複勝率でもトップだった。以下、7歳が4連対、3歳と5歳が各2連対、8歳と9歳が各1連対で続く。
実績面では連対馬20頭中14頭にダートグレードでの連対歴があり、残る6頭中4頭には南関東の重賞もしくはJRAのオープン特別の勝利実績があった。
近走成績では連対馬20頭中12頭が2着以内、残る8頭中4頭は2走前が1着だった。脚質は【逃げ5 先行10 差し5 追込0】と、小回りコースらしく先行馬の活躍が目立つ。

好条件多数、エートラックスに注目
◎エートラックス
栗東所属の4歳馬で、昨年の兵庫チャンピオンシップと今年の東京スプリントで重賞2勝を挙げている。前走の東海ステークスは初めての左回りに加えて斤量58キロが影響したのか11着に敗れた。
浦和は初となるが、1周競馬の1400mコースは走り慣れており、1400m成績は【3-1-1-1】と得意条件。ダートグレードでの連対実績に加え、2走前に1着だったのは前記の好データに合致する。
左回りも2度目なら慣れが見込め、コンビで2戦2勝と相性がいいモレイラ騎手を配した点は心強い。持ち前のスピード能力を発揮してタイトルを積み重ねる。
◯ガビーズシスター
エートラックスと同じ4歳世代で、過去10年で【2-1-1-4】と高い好走率を記録する美浦所属馬。昨年のカペラステークス制覇など、ダート戦では【5-1-1-1】と安定した走りを続けている。前走の東京スプリントは5着に敗れたが、海外遠征帰りの影響もあったか、直線では本来の伸び脚を見られなかった。
1400m、小回りコースなど初物づくしだが、自在に立ち回れるのは大きな強みで、斤量53キロで出走できるのは魅力。秋初戦から世界レベルのスピードを示す。
▲ムエックス
今年は川崎マイラーズ、オグリキャップ記念を制し、前走のさきたま杯ではレコード決着のなか、2着に好走して能力を示した。7歳馬は過去10年で3勝を含む4連対を誇り、南関東所属馬は9年連続で3着以内を確保するなどデータの後押しもある。
休み明けでも鉄砲は利くタイプで、コース適性は前走で証明済み。昨年のスマイルウィ(7歳、船橋)に次ぐ地方馬による連勝も十分に狙える。
ほか、一昨年の覇者ドライスタウトの半弟サンライズフレイムも侮れない。重賞では3着、4着、5着とあと一歩の結果が続くが、1400mは6勝を挙げるベストの距離。好位で立ち回れる強みがあり、コーナー4つの舞台に対応できれば初タイトルに手が届いてもいい。
大井所属の4歳馬ティントレットは、2走前のさきたま杯は落鉄がありながら4着に粘り、能力の高さを示した。前走のマイル重賞は気難しい面が出て本来の走りができなかったが、今回は3走前に圧勝した浦和1400mに替わる。リズム良く先行できれば上位争いが可能だ。
3歳馬ハッピーマンの前走は、他馬に早めに来られて厳しい競馬になったなか、0秒4差の4着と大きく崩れなかった。前走より軽い斤量52キロを生かせば前進できるはず。
《ライタープロフィール》
菊池 敬太
サンケイスポーツで南関東競馬を中心に予想とコラムを掲載。近況のレース内容や傾向、データのほか、現場取材などで集めた情報をもとに高配当を狙っている。
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