【雲取賞回顧】ジャナドリアがデビューから3連勝で重賞初制覇 C.ルメール騎手「パワーアップしていました」

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
4番手追走から完勝
3歳ダート三冠の初戦となる羽田盃と同じ舞台で行われた雲取賞(JpnⅢ・大井ダート1800m)は、単勝1.6倍の1番人気と断然の支持を集めたジャナドリアが勝利。デビューから3連勝で重賞初制覇を飾った。
ジャナドリアの前走は最後方追走から4角で中団まで進出、直線は大外を回すという大味な競馬で勝利しており、今回はどのポジションから運べるのかというところに注目が集まっていた。
決して良いスタートとは言えなかったが、二の脚が速く、その後はやや行きたがる素振りを見せるほど。地元大井所属のスマイルマンボが1000m通過1:03.3とマイペースを刻むなかで4番手の外を追走する。
その後、終始外を回る形となるも4角での手応えは十分なまま直線へと向き、残り200mを切ったところで先頭へ。最後までしっかりと追われたが、後続を寄せ付けることはなく、1馬身3/4差で完勝と言える内容だった。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
2着はジャナドリアをマークする形で1列後ろから運んだJRA所属のグランジョルノ。こちらもスタートの反応は良くなかったが、小回りの川崎コースで苦戦した前走から一転し最後までしっかりと伸びた。
3着にはマイペースで逃げたスマイルマンボが入った。直線で躓くシーンもあったが、最後までしぶとく粘り地方所属馬としては最先着。前走のハイセイコー記念で後続に6馬身差をつけたスピードは発揮したが、JRA勢の前に屈する結果となってしまった。
4着は大井所属のペピタドーロ。道中は中団馬群の後方となる9番手を追走し、直線はジリジリと伸びたがスマイルマンボには1/2馬身及ばなかった。
この結果、「JRA所属で5着以内の上位2頭」に入ったジャナドリアとグランジョルノ、「地方所属の上位2頭」に該当するスマイルマンボとペピタドーロが羽田盃への優先出走権を獲得した。
武井亮調教師「もっとパフォーマンスが出せる馬だと思っています」
勝利したジャナドリアに騎乗したのはC.ルメール騎手。同馬への騎乗は昨夏の新潟での新馬戦以来だったが、「パワーアップしていました。去年はまだ緩かったですが、能力は示してくれていました。今年からトップコンディションでトップレベルに行けると思います」とパートナーの成長を感じるとともに期待の大きさもうかがえる。
管理する武井亮調教師も「管理する僕らからするともっとパフォーマンスが出せる馬だと思っています」と語る。次走については「このレースで権利をいただいたので、馬の様子やオーナーと相談にもなりますが、(ダート)三冠に行きたいと思っています」とのこと。
陣営の期待通りに成長曲線を描き、3歳ダートクラシック路線を盛り上げる中心的存在となるのか。次走のパフォーマンスにも注目だ。
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。
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