【ブルーバードC】紅一点アンモシエラが差し切りV JRA勢3頭による接戦を制す
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
「この馬のリズムでポジションは気にせず運びました」
3歳ダート三冠路線が整備されたことで、今年からダートグレード競走として行われることとなったブルーバードC(JpnⅢ・ダート1800m)。JRA勢3頭を含む9頭で争われたレースは、坂井瑠星騎手騎乗で出走メンバー中ただ一頭の牝馬アンモシエラがゴール前の大接戦を制した。
レースは好スタートを切ったエコロガイアが逃げるも、カプセルとバハマフレイバーも先行争いに加わり、最初の400mは11.6-11.0という速い入りでスタンド前を通過。向正面へと差しかかるところでは、先行集団7頭が一団となる展開でアンモシエラは4番手を追走。
1000mを1:02.1で通過し、3角を迎えたところで外からバロンドールが進出開始。直線に向いて残り200m標識を過ぎてもエコロガイアとバロンドールの一騎討ちが続き、この2頭で決着するかに思われた。しかし、2頭の外へと持ち出されたアンモシエラが徐々に差を詰め3頭横並びとなり、ゴール前、最後の一完歩でクビ差先着した。勝ちタイムは1:55.9だった。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
レース後のインタビューで「この馬のリズムでポジションは気にせず運びました」と語った坂井騎手。勝負所での反応も速いタイプではないが、キタノヒーローが後退したところで上手くインへと進路を取り、ロスなく立ち回った坂井騎手の判断が勝利へと導いた。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
アンモシエラは昨年末のホープフルS以来のレースで、馬体重を12kg減らしての出走だった。JRA所属馬が三冠初戦の羽田盃に出走するためには、雲取賞または京浜盃で5着以内かつ上位2頭に入る必要があり、次走はどのレースを選択するのかという点にも注目が集まる。
初距離も逃げ粘って2着
2着は逃げ粘ったエコロガイア。これまでは1200~1400mの短距離を使われてきた。序盤が速い入りとなったにも関わらず初の1800mをこなしてみせた。笹川翼騎手の騎乗はもちろん、森秀行調教師のレース選択もさすがと思わせる結果だった。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
1番人気の支持を集めたバロンドールは、自ら動いていったのもあったが、直線でエコロガイアを交わすところまではいかず、2着からハナ差の3着。これまでのパフォーマンスを考えると案外という印象も受けた。次走、雲取賞もしくは京浜盃を目指すのであれば、大井コース替わりと地方競馬2走目での巻き返しを期待したい。
地方馬最先着4着となったのは佐賀から参戦したウルトラノホシ。先行集団の一番後ろ7番手からレースを進め、4角では躓く場面があったにも関わらず、大外から伸びて3着とは3/4馬身差。全日本2歳優駿で6着に入った力を証明し、今後に向けて楽しみが広がったと言えるだろう。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。
《関連記事》
・【AJCC】モリアーナ、マイネルウィルトスは消し ハイブリッド式消去法
・【AJCC】参考レース振り返り データ拮抗も安定感抜群ボッケリーニに熱視線、マイネルウィルトスは距離短縮や雨天も歓迎
・【AJCC】過去10年のレース結果一覧