【AJCC】モリアーナ、マイネルウィルトスは消し ハイブリッド式消去法
藤川祐輔
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5つのデータから絞れた馬は?
先週は京成杯を予想したが、特注馬として挙げたハヤテノフクノスケは馬券圏内に一歩及ばず4着だった。凡走条件を免れた残り2頭も好走できず、悔しい結果となった。
今週は1月21日に中山競馬場で行われるAJCC(GⅡ)を予想する。今回は登録馬13頭を対象に絞り込みを行う。過去10年(14~23年)のデータから、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、条件に当てはまった馬を消去していく。
『前走・非重賞組』×『前走3番人気以下』 ★3.1%★
前走クラス別成績を見ると、重賞レースからの転戦組(海外と地方含む)が【9-9-8-80】(複勝率24.5%)と馬券圏内のほとんどを占めていた。対照的に、前走が非重賞レースだった馬は【1-1-2-35】(同10.3%)と低調だ。
この組の内、前走で2番人気以内に支持されていた馬は【1-1-1-4】(同42.9%)と好成績だったが、3番人気以下は【0-0-1-31】(同3.1%)と大半が好走できていなかった。唯一の好走例はフェイムゲーム(14年3着)だが、当馬には京成杯勝ちの実績があった。
今年のメンバーでは4頭がこのデータに該当するが、過去に重賞を制した実績を持つ馬は1頭もいない。データを覆すほどの地力はないと判断し、消去対象とする。
【今年の該当馬】
・アドマイヤハレー
・カルリーノ
・クロミナンス
・ホウオウリアリティ
『前走2200m以下』×『前走3角10番手以下』 ★7.1%★
前走が2200m以下だった馬は【4-7-7-68】(複勝率20.9%)とまずまずの成績を残している。しかし、この組の中で前走3角10番手以下だった馬は【0-1-1-26】(同7.1%)と好走率が大きく落ちる。
このデータに反して好走したのは、14年の2、3着馬サクラアルディートとフェイムゲームの2頭のみ。この年より後は、該当馬が全て凡走している。
このデータには新たに3頭が該当し、重賞タイトルを持つモリアーナ、ラーグルフといった面々も含まれる。今年の中山競馬場は例年以上に馬場が良好で、先行有利の傾向が続いている。追い込み脚質の馬は苦戦必至と見て、実績あるこの2頭もデータに従って軽視する。
【今年の該当馬】
・モリアーナ
・ラーグルフ
・(カルリーノ)
・(ホウオウリアリティ)
『前走2400m以上』×『前走馬体重500kg以上』 ★7.1%★
前項は前走2200m以下の成績に触れたが、今回は前走2400m以上(障害含む)だった距離短縮組に着目する。この組は【6-3-3-47】(複勝率20.3%)となっているが、これを前走馬体重500kg以上だった馬に限定すると【1-0-0-13】(同7.1%)と一気に好走率が落ちる。
このデータには人気馬も含まれており、ゴールドシップ(15年1番人気7着)、ジェネラーレウーノ(19年2番人気4着)らが期待を裏切る結果に終わっている。今年はシルブロンが該当するが、GⅠ・6勝の名馬も屈したデータに抗うことは難しいとみて消去する。
【今年の該当馬】
・シルブロン
『7歳以上』×『重賞勝ち実績なし』 ★4.3%★
年齢別成績を見ると、7歳以上の馬は【1-3-1-49】(複勝率9.3%)と苦戦を強いられている。この組からも5頭が好走しているが、そのうち4頭は重賞勝ちの実績があった。重賞タイトルを持たない馬に限定すると、【0-1-0-22】(同4.3%)と振るっていない。
今回出走予定のマイネルウィルトスは重賞で2着4回の実績があるものの、勝利経験は1度もない。8歳のベテランながら重賞戦線を賑わす存在だが、不安データに該当し消去リスト行きとする。
【今年の該当馬】
・マイネルウィルトス
・(カルリーノ)
・(クロミナンス)
『キャリア21戦以上』×『前走から中7週以上』 ★0.0%★
各馬のキャリア別成績を見ても、ベテラン勢には厳しいデータが浮かび上がる。過去に21戦以上レースを使っていた馬は、【2-3-2-62】(複勝率10.1%)と苦戦している。この組をさらに中7週以上レース間隔がある馬に限ると【0-0-0-18】(同0.0%)となり、1頭も好走馬が出ていない。
このデータには新たにカラテが該当する。今回のメンバーでは実績上位の存在だが、約半年ぶりの出走で状態面には不安がある。元々はマイルを主戦場としていた馬で、2200m以上の実績もないことから消去して問題ないだろう。
【今年の該当馬】
・カラテ
・(ホウオウリアリティ)
全ての条件を終えて不安データに該当しない馬は、サンストックトン、ショウナンバシット、チャックネイト、ボッケリーニの4頭となった。この中でも今回は高配当への期待も込めて、ショウナンバシットを推奨する。
近走は大きな着順が続いているが、2桁着順の3戦はGⅠであり度外視できる。7着に敗れた神戸新聞杯はレコードを記録する高速決着で、タフな馬場を得意とする当馬には向かなかった。勝利した若葉S、5着に好走した皐月賞の結果を見れば、急坂があるコーナー4つがベスト条件であることは間違いない。近走の着順で評価を落とすようであれば、得意条件に戻る今回は絶好の狙い時である。
また、昨年12月以降の中山開催ではシルバーステート産駒が好調で、芝レースの成績は【5-3-3-24】(複勝率31.4%)となっている。人気薄の好走も目立っており、単勝回収率142%、複勝回収率100%と抜群だ。思い返せば、中山金杯を制したリカンカブールも同産駒であった。血統面からも強調材料があるだけに、ぜひとも買い目に加えておきたい。
《ライタープロフィール》
藤川祐輔
98年生まれ、新進気鋭の若手ライター。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。以前は別媒体での執筆を行っていたが、よりデータを活かした記事を書きたいと考えSPAIA競馬への寄稿をスタート。いつの日か馬を買うのが夢。
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