【ジャパンC】C.ルメール騎手は3番人気以内なら連対率100% 東大HCの本命は3歳牝馬のチェルヴィニア

東大ホースメンクラブ

ジャパンCの年齢別複勝率

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日本vs海外

今週日曜日は東京芝2400mを舞台にGⅠ・ジャパンCが行われる。天皇賞(秋)を異次元の末脚で制したドウデュース、二冠牝馬チェルヴィニア、昨年の3着馬スターズオンアースといった中距離馬が集結。そして海外からはオーギュストロダン、ゴリアットら3頭が参戦。久しぶりに日本vs海外といえるジャパンCとなった。

出馬表を見ただけで興奮が収まらない豪華メンバー。いったいどの馬がこのビッグレースを制するのか。過去10年のレースから検討する。

年齢とダービー、オークス実績に注目

ジャパンCの年齢別成績,ⒸSPAIA


<ジャパンC 年齢別成績(日本馬のみ)>
3歳【1-4-2-12】勝率5.3%/連対率26.3%/複勝率36.8%
4歳【5-3-4-28】勝率12.5%/連対率20.0%/複勝率30.0%
5歳【4-3-4-25】勝率11.1%/連対率19.4%/複勝率30.6%
6歳以上【0-0-0-48】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%

今年は近10年で類を見ないほどの実績馬が海外から参戦。それも予想を難しくする要素とはなるが、データは日本馬に絞ったもので検討していく。特に年齢別成績、そして同コースで行われる日本ダービー、オークスとの相関について考える。

3歳馬は出走数こそ少ないが連対率、複勝率はトップ。斤量の利も含め重視したい。ダービーかオークスの連対馬は【1-4-2-6】と半数以上が馬券圏内に入り、オークス勝ち馬に限っても【1-1-1-3】。チェルヴィニアは信頼できる。

一方、ダービーかオークスに出走して3着以下だと【0-0-0-5】。22年ダノンベルーガ(ダービー4着)が2番人気5着、16年ディーマジェスティ(ダービー3着)が4番人気13着に敗れた。今年0秒6差3着のシンエンペラーには厳しいデータとなる。

最も出走数の多い4歳馬は最多の5勝を挙げるが、複勝率では3、5歳馬に少し劣る。4歳馬もダービー、オークスの結果と相関があり、ダービー連対馬は【3-1-2-3】。復調気配のあるソールオリエンスを後押しする。

また4歳のダービー、オークス未出走組は【1-2-1-14】。好走例は21年オーソリティ2着、18年キセキ2着、16年シュヴァルグラン3着、15年ショウナンパンドラ1着の4つ。

オーソリティを除く3頭には4歳シーズンにGⅠで3着以内の実績があり、オーソリティは東京で重賞3勝含む【3-1-0-0】だった。直近2走が振るわず、東京での重賞実績もないドゥレッツァは魅力を感じない。

最後に5歳馬。ここまで来ると2年以上前のダービー、オークスとはあまり関係がなくなり、連対馬でも【2-0-0-6】。ただオークス馬は【1-0-0-2】で20年アーモンドアイが勝ち、14年ジェンティルドンナ、22年デアリングタクトはどちらも4着だった。

3~5歳まで最前線を走ってきた牝馬は大きく崩れていないという意味で、スターズオンアースは推奨できる。

5歳馬でダービーかオークスに出走して3着以下だった馬は【0-2-4-5】複勝率54.5%。勝利はないが好走率の面では連対馬を上回っており、ダノンベルーガとジャスティンパレスが該当する。ただ馬券に絡んだ6頭のうち5頭は直近1年以内にGⅠ連対歴があった。今年あまり結果を出せていない2頭を推せるかは疑問が残る。

ダービー、オークス未出走の5歳馬は【2-1-0-14】。ここからは15年7番人気2着ラストインパクトなど、やや穴も出ている。ブローザホーンは東京経験が新馬戦4着のみで、上がり3F33秒台を出したこともなく、キレ脚勝負にはついていけないと考え見送る。一方シュトルーヴェは目黒記念を32秒9の脚で勝利した。穴狙いの選択肢には入りそうだ。

偉大な先輩たちに続け

◎チェルヴィニア
今年の二冠牝馬。オークスは加速ラップで勝利し、秋華賞はクロノジェネシス以来の0秒3差での勝利と内容も文句なし。桜花賞はテン乗りもあって完全にノーカウントとみていいだろう。何より54kgの斤量は有利だ。

鞍上のC.ルメール騎手はジャパンC3番人気以内(過去10年)で【3-2-0-0】、通算でも【4-4-0-1】。連を外したのはレース前に喘鳴症を公表していたハーツクライのみ。それを除けば単複回収率ともにプラスである。府中の2400mでは判断を間違えない男。彼の手綱さばきならジェンティルドンナ、アーモンドアイに続く3歳牝馬Vを達成できる。

◯ドウデュース
天皇賞(秋)ではほぼ最後方から上がり3F32秒5の末脚を使い、GⅠ・4勝目を達成した。2年前のダービー以降、勝つか飛ぶかの戦績で買い時も難しいが、今回はダービーで勝利経験のある東京芝2400mが舞台。昨年の当レースは4着も、上がり3Fは2位であり、2、3着とは位置取りの差であったと考える。

枠も3枠と悪くなく、良馬場も歓迎。鞍上もジャパンC4勝の名手・武豊騎手だ。前走のような末脚が使えれば勝利も見えてくる。

▲スターズオンアース
3歳時には桜花賞、オークスの二冠を達成。4歳時には1600m~2500mのGⅠを4戦して勝利はないが、いずれも3着内と能力の高さを見せた。その中でも最も良かったのは3走前のジャパンCだ。8枠から4番手を確保し、外を回りながらも上がり34秒0でまとめ、イクイノックス、リバティアイランドの3着に入った。

今年初戦のドバイSCは大敗したが、急遽の乗り替わりや海外遠征と原因はいくつも考えられる。適条件に戻った今回はあまり気にしなくていい。鞍上は桜花賞以来のタッグとなる川田将雅騎手。彼もジャパンC5番人気以内(過去10年)では【0-2-3-3】で、勝利はないが掲示板を外したこともない。今回も8枠に入ったが、昨年と同じような競馬ができれば再びの好走は可能だ。

以下ソールオリエンス、ゴリアットまで印を回す。馬券は◎軸の馬連で勝負する。

▽ジャパンC予想▽
◎チェルヴィニア
◯ドウデュース
▲スターズオンアース
△ソールオリエンス
×ゴリアット

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。


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