【ジャパンC】前走秋華賞組は近15年で複勝率66.7% データはチェルヴィニアの一強
門田光生
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前走レース格、前走内容が重要
2024年11月24日に東京競馬場で行われる第44回ジャパンカップ。今年も海外からGⅠ馬3頭が参戦する。ただし、海外馬は例年、それなりのレベルの馬が参加していながら、2005年1着のアルカセット(英国)を最後に連対馬すら出ていない。データで予想する以上、どれだけすごい海外馬が参戦したとしても、これでは無印にせざるを得ない。
そんなジャパンCには、その他どのような傾向が出ているのだろうか。今回も過去15年の成績をもとにして調べていく。なお、上述したように日本馬での争いになるという前提になるため、以降では基本、JRA所属馬のみのデータを使用する。
☆所属
美浦所属が3勝(6連対)、栗東所属12勝(24連対)。勝率、連対率、複勝率でも栗東所属が大きく上回っている。冒頭の通り、外国馬は50頭が出走して、馬券に絡んだ馬はゼロ。掲示板に載った馬ですら、数えるほどである。
☆性別
牡馬、セン馬が8勝(19連対)、牝馬7勝(11連対)。勝ち数は互角だが、率では牝馬が勝率24.1%、連対率37.9%、複勝率48.3%で牡馬・セン馬を圧倒している。
☆年齢
6頭の勝ち馬を出している4歳(12連対)と5歳(10連対)の活躍が目立つ。ただ、複勝率が最も高いのは3歳馬で【3-5-4-16】の42.9%。また、6歳以上で連対した馬はいない。
☆前走クラス
馬券に絡んでいるのは、前走でGⅡ以上を走っていた馬だけ。そのうち、前走国内GⅠ組が【12-10-11-72】と大半を占めている。また、前走が海外だった馬は【0-2-1-5】。勝ち馬こそ出ていないが、馬券圏内という意味では悪くない数字といえる。
☆主な前走
連対馬30頭中、15頭が天皇賞(秋)組。うち、勝ち馬が9頭。近年で見ても6年連続で連対、近5年では4頭が勝利中で、今年も連対馬を出す可能性は高い。
その天皇賞(秋)以上に好走率が目立つのが秋華賞組。成績は【2-2-2-3】で勝率22.2%、複勝率66.7%もある。サンプルは少ないが、この数字は無視できない。
☆前走着順
前走1着馬が【6-6-6-18】12連対、複勝率50.0%と強さを見せている。そのほか、同3、4着馬の好走率も悪くない。一方、前走5着以下からは好走率が下がっていく。
☆前走人気
前走で1番人気に支持されていた馬が11勝。これだけでも強調材料になるが、46頭のサンプルがあるなかで複勝率が47.8%。かなり強いデータといえる。また、前走6~9番人気以下は勝ち馬なし、同10番人気以下になると連対馬すらいなくなる。
☆その他
出走間隔が中9週以上、もしくは前走1.0秒差以上で負けていた馬(前走海外は除く)から連対馬は出ていない。
データでチェルヴィニアの一強
ジャパンCのデータをまとめてみよう。
【好走率アップ】
A「栗東所属」
B「牝馬」
C「3歳」
D「前走が天皇賞(秋)or秋華賞」
E「前走1着」
F「前走1番人気」
【好走率ダウン】
G「前走5着以下」
【勝ち馬なし】
H「前走6~9番人気」
【連対馬なし】
I「JRA所属以外」
J「6歳以上」
K「前走10番人気以下」
L「中9週以上」
M「前走1.0秒差以上負け」
まず、連対馬が出ていないI「JRA所属馬以外」に該当する外国馬3頭は、問答無用で消し。その他、連対馬なしのJからMに該当する馬を除くと、半分以上が消える。
残った馬のなかで、最も多くのプラスデータを持っているのはチェルヴィニア(BCDEF)。好データ5つ該当は、次位のドウデュース(ADE)より2つも多く、マイナスデータも一切持たない。牝馬、特に秋華賞組の活躍は上記で述べた通り。文句なしの本命だ。
相手はドウデュースでいいだろう。今回、マイナスデータを持たないのは、チェルヴィニアとこの馬だけ。データ的には、この2頭でかなり堅そうだ。
とはいえ、今は3連系の馬券が主流の時代。3番手以下も検証していこう。まずはプラスデータが2つ(AD)のジャスティンパレス。該当するマイナスデータH「前走6~9番人気」は、勝ち馬こそいないが、連対馬が3頭、3着が1頭出ている。また、残った馬のなかでプラスデータを2つ持つのはこの馬しかおらず、相手候補としてなら問題ないと判断する。
残すはプラスデータ1つ(D)のソールオリエンス。「G」「H」のマイナスデータを持つが、両方とも連対馬は出ているデータ。ジャスティンパレス同様、相手として加えておく。
◎チェルヴィニア
◯ドウデュース
▲ジャスティンパレス
△ソールオリエンス
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
文中にも出てきた、2005年にこのレースを勝ったアルカセット。速い時計に対応できたうえ、父が日本で大活躍のKingmambo(キングカメハメハの父)。日本で供用されると知った時、絶対に種牡馬として成功すると思っていましたが、結果は散々。血統の難しさを改めて思い知らされました。
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