川田将雅騎手はGⅠで単回収率300%超え 芝1600m戦に強い種牡馬、騎手、調教師を東大HCが調査
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秋のマイル王者決定戦に豪華メンバー集結
今週末は京都芝(外)1600mでGⅠ・マイルCSが開催される。連覇を目指すナミュールや昨年2着の雪辱に燃えるソウルラッシュはもちろん、前走のGⅡ・府中牝馬Sを完勝したブレイディヴェーグや欧州マイルGⅠ・3勝のチャリン、富士Sの勝ち馬ジュンブロッサムなど、秋のマイル王決定戦にバラエティ豊かな豪華メンバーが集結した。
そこで今回はシンプルに「芝マイル戦に強い種牡馬、騎手、調教師」をテーマにデータ分析を行う。なお、データは2019年11月16日~2024年11月10日までの芝1600m戦を使用する。
若駒ならロードカナロア、エピファネイア
まずは芝マイル戦での種牡馬別成績について見ていく。
<芝マイル戦に強い種牡馬トップ3>
ディープインパクト【130-94-89-768】
勝率12.0%/連対率20.7%/複勝率29.0%/単回収率76%/複回収率70%
ロードカナロア【119-115-93-821】
勝率10.4%/連対率20.4%/複勝率28.5%/単回収率80%/複回収率76%
エピファネイア【91-85-75-633】
勝率10.3%/連対率19.9%/複勝率28.4%/単回収率107%/複回収率81%
※2019年11月16日~2024年11月10日
トップはディープインパクトで、狙い目となるのは中山マイルと東京マイルだ。中山マイルでは【27-13-11-127】で勝率15.2%、単回収率134%、東京マイルでは【42-19-17-183】で勝率16.1%、単回収率101%で、いずれもプラス域だ。
ほか、距離延長よりも距離短縮ローテの方が圧倒的に良い。延長組は【7-5-9-106】勝率5.5%、単回収率33%と低調だが、短縮組は【40-25-21-261】で勝率11.5%、単回収率86%と前者の倍以上となる勝率、回収率を記録している。
同産駒は2020年産の現4歳馬が最終世代のため、出走頭数は年々減少中。ただし、11月10日時点での2024年成績(芝マイル)は【6-6-5-47】勝率9.4%、単勝回収率122%といまだ高い率であり、まだしばらくは目が離せない。
また、後継種牡馬の筆頭格のキズナ産駒も【73-64-52-513】勝率10.4%、複勝率26.9%で、4位に入っており、今後はコチラも注目だ。
2位はロードカナロア。中京で【28-11-22-142】勝率13.8%、単回収率120%、阪神では【21-24-22-187】勝率8.3%、単回収率123%と、2場で回収率100%超え。2歳戦の単回収率が優秀で、特に未勝利戦では【8-19-6-67】勝率8.0%、単回収率は252%となっている。
3位はエピファネイア。中京と東京が好成績。東京【23-17-18-129】勝率12.3%、単回収率185%、中京【17-17-10-105】勝率11.4%、単回収率187%でともに単回収率180%オーバーの大活躍だ。新馬戦に滅法強く、【28-16-15-93】勝率18.4%、単回収率134%、複回収率107%。単複回収率100%超えを記録している。
今週のマイルCSでは、フィアスプライドがディープインパクト産駒、ブレイディヴェーグ、タイムトゥヘヴンがロードカナロア産駒に該当しており注目だ。
当該舞台となる京都芝(外)1600mでは、ナミュールが該当するハービンジャー産駒が【2-1-4-16】単回収率313%などで高回収率だ。
川田騎手はマイルGⅠで単回収率300%超え
次に芝マイル戦に強い騎手を確認する。
<芝マイル戦に強い騎手トップ3>
C.ルメール【125-83-54-223】
勝率25.8%/連対率42.9%/複勝率54.0%/単回収率70%/複回収率78%
川田将雅【104-50-56-174】
勝率27.1%/連対率40.1%/複勝率54.7%/単回収率102%/複回収率81%
戸崎圭太【64-48-50-286】
勝率14.3%/連対率25.0%/複勝率36.2%/単回収率103%/複回収率80%
※2019年11月16日~2024年11月10日
トップはC.ルメール騎手。東京と新潟では複勝率60%オーバーと圧倒的な強さを誇っている。一方、同じ左回りでも中京マイルでは【3-2-2-23】で勝率10.0%、単回収率42%と、大きく割り引く必要がある。マイルCSの舞台となる京都外回りでは、母数こそ少ないが【2-1-0-4】勝率28.6%、単回収率95%と上々だ。
2位は川田将雅騎手。東京、新潟、阪神の3場で単回収率が100%超え、京都外回りでも【9-7-3-10】複勝率65.5%、複回収率94%と抜群の安定感を見せている。また、マイルGⅠでの信頼度が他ジョッキーとは段違いで、成績は【8-2-3-16】勝率27.6%、複勝率44.8%、単回収率332%、複回収率105%と好走率、妙味ともに優秀だ。
3位は戸崎圭太騎手。東京、中山の関東圏で40%近い複勝率を記録しており、この2コースでは軸向きだ。なお、京都外回りでは【0-0-0-2】とリニューアル後に2度騎乗したのみ。ほか、GⅢでは【9-1-5-24】で勝率23.1%、単回収率166%の好成績を残し、GⅠでも【2-0-2-15】単回収率78%で2勝とも4番人気馬で勝利しており悪くない。
今週末のマイルCSでは、ルメール騎手はブレイディヴェーグ、川田騎手はセリフォス、戸崎騎手はジュンブロッサムに騎乗予定だ。
ちなみに京都外回りでは、ソウルラッシュに騎乗予定の団野大成騎手が【3-2-3-16】単回収率290%、バルサムノートに騎乗予定の北村友一騎手が【3-2-1-19】単回収率171%などが狙い目となっている。
木村哲也厩舎は牡馬が狙い目
最後に芝マイル戦に強い調教師についても見ていこう。
<芝マイル戦に強い調教師トップ3>
中内田充正【44-39-38-128】
勝率19.2%/連対率31.9%/複勝率44.1%/単回収率88%/複回収率72%
木村哲也【43-28-30-124】
勝率19.1%/連対率31.6%/複勝率44.9%/単回収率86%/複回収率90%
池江泰寿【39-25-18-162】
勝率16.0%/連対率26.2%/複勝率33.6%/単回収率78%/複回収率68%
※2019年11月16日~2024年11月10日
トップは中内田充正厩舎。川田騎手とのコンビが圧倒的に強く【29-14-14-38】勝率30.5%、単回収率108%をマークしている。そのほか、距離延長ローテ【6-1-1-15】勝率26.1%、単回収率168%が特に狙い目だ。
2位は木村哲也厩舎。牡馬、牝馬で妙味に大きな差があるのが特徴だ。牝馬【21-20-22-81】勝率14.6%、単回収率46%に対し、牡馬【22-8-8-37】で勝率29.3%、単回収率169%と格段に良い。また東京での成績が特に良く【33-19-10-45】勝率30.8%、複勝率57.9%、単回収率134%、複回収率119%となっている。
3位は池江泰寿厩舎。中山、中京の単回収率が100%を超えており、特に中山では【9-2-1-15】勝率33.3%、単回収率121%を記録している。クラス別成績では、新馬戦が【5-1-3-13】勝率22.7%、単回収率113%、リステッドが【4-4-1-16】勝率16.0%、単回収率194%と非常に優秀だ。
今週末のマイルCSでは、中内田厩舎からは川田騎手とのコンビでセリフォス、池江厩舎からはソウルラッシュが団野騎手を鞍上に出走予定となっている。
《ライタープロフィール》
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約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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