【デイリー杯2歳S回顧】好采配で福永厩舎ランフォーヴァウがV 「生え抜き」2歳世代から重賞馬誕生
SPAIA編集部
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福永師の采配ズバリ
2024年のデイリー杯2歳Sは7頭立ての一戦となった。デイリー杯は16年以降9年続けて11頭以下で施行されており、少頭数になること自体は珍しくない。とはいえ今年は1週前の時点で出走想定馬がわずか5~6頭。さらに上位人気と目されたロンドボスが当週になって回避し、例年以上にメンバーが集まらない情勢だった。
7頭はセリフォスが勝った21年と並び、1986年以降の当レースでは最少タイの頭数だった。デイリー杯に限らず「平地GⅡ」というくくりでも2000年以降で4例目。前記セリフォスの前は01年京都大賞典。1位入線ステイゴールドが斜行して失格となり、テイエムオペラオーが繰り上がったレースである。
話を戻す。勝ったのは福永祐一厩舎の牝馬ランフォーヴァウ。元は次週東京の赤松賞(1勝クラス)を予定していたが、相手を見てこちらに出走してきた。この采配が功を奏した。1着賞金3800万円を獲得し、阪神JFはもちろん、来年の三冠まで収得賞金の心配が事実上なくなり、これで制約なくローテを組める。機を見るに敏。得たものは大きい。
福永厩舎はこれで開業初年度にして重賞2勝目。初勝利(CBC賞)のドロップオブライトは定年の松永昌博厩舎から引き継いだ馬であり、いわば「生え抜き」の2歳世代からは初の重賞タイトルとなる。騎手時代に築いた人脈、名声、そして知見から、ファンの期待も大きい福永調教師。これからも名伯楽への階段を着実に上っていってほしい。
時計は水準レベル
レースは九州産馬エイヨーアメジストが引っ張り、前後半48.6-46.1のスローペースで流れた。ランフォーヴァウは道中逃げ馬の後ろで脚を溜めると、直線入り口で馬群がバラけてすんなり進路も空いた。鞍上の合図にしっかり反応して上がり33.7秒の末脚を使い、外から追いすがるドラゴンブーストを半馬身封じた。
勝ち時計1:34.7は京都開催の当レース直近10回で言うと5位タイ。ちょうど真ん中で、決して悪い時計ではない。また、この日の京都芝で上がり33秒台をマークしたのはこのランフォーヴァウだけだった。
少頭数で前評判の高い馬もいなかったが、一応は重賞に相応しいレースレベルだったと解釈できる。甘く見てはいけない。
2着ドラゴンブーストはすんなり2番手をとれたが、直線入り口で内からランフォーヴァウにあっさり抜けられ、その後は同じような脚色でゴールまで行ってしまった。結果論になるが、意識すべき相手がすぐ内にいただけに、4角でフリーにしない回り方ができればもっと際どかったかもしれない。
3着ダイシンラーは新馬戦と同じく出遅れ。今回は幸い少頭数のスローペースだったため、ほとんど影響がなかったものの、多頭数では大きなロスに繋がりかねない。ゲートは今後の課題になる。終いは堅実で、気性的な部分が改善されてくれば伸びしろはありそうだ。
6着ロヴィーサは終始外に張るようなコーナリングで、直線も外にモタれていた。左回りの方が合う可能性もある。
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