【ファンタジーS】新種牡馬サートゥルナーリア産駒は2歳芝レースで複勝率41.8% 本命は好データ満たすウォーターエアリー

高橋楓

ファンタジーS出走予定馬の2歳芝コース種牡馬ランキング,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

速さを武器に3連勝 1997年ロンドンブリッジ

ファンタジーSといえば1997年の勝ち馬ロンドンブリッジを思い出す。デビュー戦から素晴らしいスピードを見せつけ圧勝での連勝劇。レース当日も1.4倍の人気に応え3連勝を飾った。つい最近の様に思えるが、すでに四半世紀以上前とは月日が経つ早さにはいつも驚かされる。

今回はそんなファンタジーSを主に3つの要素から予想していく。

前走1着馬が圧倒的に優勢

まず本レースを予想するうえで重要なのが「前走着順」だ。というのも過去10年で前走1着馬が9勝と圧倒的な成績を残している。例外は2014年に小倉2歳S13着から巻き返したクールホタルビただ1頭だ。

ファンタジーS 前走着順別成績,ⒸSPAIA


<ファンタジーS 過去10年の前走着順別成績>
1着【9-5-7-53】勝率12.2%/連対率18.9%/複勝率28.4%
2着【0-4-1-12】勝率0.0%/連対率23.5%/複勝率29.4%
3着【0-0-1-9】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率10.0%
4着【0-0-1-2】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率33.3%
5着以下【1-1-0-21】勝率4.1%/連対率8.3%/複勝率8.3%

前走2着馬で2着に入ったのは、2017年の新潟2歳Sで0.1秒差に敗れたコーディエライト、他3頭はサフラン賞、りんどう賞でタイム差なしの馬だった。馬券を検討するうえでは無視できないデータだ。

新種牡馬サートゥルナーリアが好発進

次に出走予定馬の2歳芝レースの種牡馬別成績を調べた。

2歳芝コース 出走予定馬の種牡馬 勝率ランキング,ⒸSPAIA


<出走予定馬の種牡馬 2歳芝コース勝率ランキング>
1位 サートゥルナーリア産駒
【15-8-5-39】勝率22.4%/連対率34.3%/複勝率41.8%
2位 ロードカナロア産駒
【95-87-53-552】勝率12.1%/連対率23.1%/複勝率29.9%
3位 タワーオブロンドン産駒
【6-4-8-37】勝率10.9%/連対率18.2%/複勝率32.7%
4位 モズアスコット産駒
【4-4-5-29】勝率9.5%/連対率19.0%/複勝率31.0%
5位 レイデオロ産駒
【16-16-18-121】勝率9.4%/連対率18.7%/複勝率29.2%
集計期間:2019年10月5日~2024年10月20日

トップはサートゥルナーリア産駒。初年度産駒が今年デビューしたばかりだが早くも15勝をマークしている。現役時代は皐月賞、ホープフルS制覇など2000m前後で活躍していたが、ロードカナロアの血を継いでいることもあり、産駒はマイル以下でもしっかりと走っている。2歳戦から注目の種牡馬と言えるだろう。

タワーオブロンドン産駒も初年度産駒が今年デビューですでに6勝をマーク。父は現役時代、2019年スプリンターズS制覇など、主にスプリント戦線で活躍。その一方で、朝日杯FS3着、アーリントンCや京王杯スプリングC制覇などマイルまでしっかり結果を残していた。産駒もここまで1400m戦で【1-2-2-7】で複勝率41.7%を記録。今回、距離の壁はないだろう。

4番手も新種牡馬のモズアスコット。現役時代は2018年安田記念、2020年フェブラリーSと芝、ダートのマイルGⅠを制覇している。産駒はここまで芝4勝、ダート1勝。勝ち星は1500m戦までとなっているが、1800m戦でも馬券圏内に来ている。もみじSではリリーフィールドがOP勝ちするなど好スタートをきった。

レイデオロ産駒は良績が牡馬に偏っているのが気がかりだ。牡馬【14-12-15-67】勝率13.0%に対して牝馬【2-4-3-54】勝率3.2%と苦戦している。今回登録のあるレイデオロ産駒の牝馬ウォーターガーベラには気になるデータだ。

【勝率ランキングトップ4を父に持つ出走予定馬】
・ウォーターエアリー(サートゥルナーリア産駒)
・オイランブチ(タワーオブロンドン産駒)
・キャッスルレイク(サートゥルナーリア産駒)
・ダンツエラン(ロードカナロア産駒)
・モズナナスター(モズアスコット産駒)

前走1500、1600m組が好成績

最後に前走距離別成績を見ていこう。

ファンタジーS 前走距離別成績,ⒸSPAIA


<ファンタジーS 過去10年の前走距離別成績>
1200m【5-3-2-39】勝率10.2%/連対率16.3%/複勝率20.4%
1400m【1-4-4-41】勝率2.0%/連対率10.0%/複勝率18.0%
1500m【1-1-1-4】勝率14.3%/連対率28.6%/複勝率42.9%
1600m【3-2-3-11】勝率15.8%/連対率26.3%/複勝率42.1%
1800m【0-0-0-2】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%

前走1500、1600mからの距離短縮組の成績が良好。前走1500m組は複勝率42.9%、前走1600m組は複勝率42.1%を記録している。軸探しには最適なデータだ。

【距離短縮の出走予定馬】
・ウォーターエアリー(前走・芝1500m)
・ウォーターガーベラ(前走・芝1600m)
・ゴージャス(前走・芝1600m)
・ロヴィーサ(前走・芝1800m)

本命は全ての好データを満たすウォーターエアリー

本命は「前走着順」、「種牡馬成績」、「前走距離」、3つ全ての好データに該当のウォーターエアリーとする。デビュー戦は後に2連勝でサフラン賞を制するクリノメイに半馬身差の2着。中1週マイナス10kgの馬体で出走した未勝利戦は単勝1.7倍の人気に応え快勝した。

この2戦は、ともに洋芝の札幌競馬場で上がり3F34秒台の鋭い末脚を披露。叔父には凱旋門賞に出走したサトノノブレスや重賞でも好走したヒカルオオゾラがいる血統。新種牡馬サートゥルナーリアの勢いに乗り、父へ重賞初勝利を届けたい。

2番手もサートゥルナーリア産駒のキャッスルレイク。デビュー戦5着時の勝ち馬エコロジークはそのまま2連勝でOPのカンナSを制覇した。

2走目の未勝利戦はスタートで大きく遅れるも、あっという間に行き脚がつき、3コーナーでは4番手を追走した。直線では若さを見せながらも鋭い伸び脚を見せ快勝。力があるところを見せた。

3番手は新馬戦快勝から距離短縮で出走してくるゴージャス。ゴールドシップ産駒は2歳戦で勝率6.8%と特筆する数字ではないが、連対率14.5%、複勝率23.2%と決して苦戦しているわけでもない。

4番手はウォーターガーベラ。同馬はレイデオロ産駒の牝馬という点が気がかりだが、同産駒の牝馬で初めて芝の2歳戦を勝利した馬。その力に期待したい。

以下、未勝利戦勝利から出走のタワーオブロンドン産駒オイランブチ、2連勝中のカワキタマナレアまでおさえる。

◎ウォーターエアリー
◯キャッスルレイク
▲ゴージャス
△ウォーターガーベラ
×オイランブチ
×カワキタマナレア

《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
サクラローレルの馬体の美しさに魅せられて競馬の世界に惹きこまれる。他に好きな馬はホクトベガ、サイレンススズカ。一口馬主を趣味とし、楽しさを伝える事にも注力している。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレースの記事を中心に執筆している。

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