【競馬】2歳戦に強い騎手、調教師を東大HCが徹底調査 川田将雅騎手はGⅠで勝率42.9%、単勝回収率317%

東大ホースメンクラブ

2歳戦に強い騎手、調教師,ⒸSPAIA

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2歳GⅠが開幕

今週末は阪神競馬場で2歳GⅠ第一弾、阪神JFの開催が予定されている。今月はこの他にも、全日本2歳優駿、朝日杯FS、ホープフルSと2歳GⅠ(JpnⅠ含む)が盛り沢山だ。どの競走馬もキャリアが短いため、能力を見定める難易度は高い。そのため、騎手や調教師というファクターの重要度は、相対的に上がってくる。

そこで年末の馬券戦略に生かすべく、今回の記事では「2歳戦に強い騎手、調教師」をピックアップし、「買える」データとともに紹介する。(参照するデータは2018年12月8日~2023年12月3日の過去5年分)。

大舞台ではC.ルメール騎手より川田将雅騎手

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<2歳戦に強い騎手>
C.ルメール【220-172-101-329】勝率26.8%/連対率47.7%/複勝率60.0%
松山弘平【140-118-107-606】勝率14.4%/連対率26.6%/複勝率37.6%
川田将雅【136-99-62-205】勝率27.1%/連対率46.8%/複勝率59.2%
戸崎圭太【113-89-77-445】勝率15.6%/連対率27.9%/複勝率38.5%

まずは2歳戦に強い騎手を取り上げる。勝利数トップはC.ルメール騎手。2位の松山弘平騎手に80勝差をつける圧倒的な成績だ。ただし、実績から人気もしやすく、2歳重賞では【6-8-4-21】で単勝回収率は僅か34%。狙う場合は注意が必要だ。

そんなルメール騎手の狙い所は夏の新潟開催。【11-5-0-5】で勝率52.4%、単勝回収率128%とプラス域をマークしている。イクイノックスの新馬戦、チェルヴィニアの未勝利戦などがこのパターンに該当。夏は北海道を主戦場としているルメール騎手が、新潟に向かう価値があるほどの器と判断したのなら、名手のその判断に丸乗りしてしまおう。

ちなみに今となっては信じられないが、イクイノックスの新馬戦は単勝オッズが4.6倍もついていた。来年の夏は、新潟×ルメール騎手×2歳戦で名馬候補の青田買いにチャレンジしてみてはいかがだろうか。

松山騎手は、GⅢで【3-2-4-11】複勝率45.0%、単勝回収率は130%と、ベタ買いするだけでプラスという頼もしい存在だ。芝なら短距離戦が狙い目。芝1600m以上では【53-63-35-278】単勝回収率77%であるのに対し、芝1500m以下では【37-26-20-136】勝率16.9%、同146%で黒字域となっている。一方、ダートでは中距離戦が狙い目。特に1800m戦では【24-13-18-76】で勝率18.3%、単勝回収率155%を記録している。

3位は川田将雅騎手。勝率27.1%、複勝率59.2%という素晴らしい成績を残している。芝ダートともに高水準ではあるが、信頼度と妙味の両方において芝がより良い。ダートは勝率24.1%、単勝回収率58%に対し、芝では勝率27.9%、単勝回収率94%。特に芝の1200m戦では【13-8-2-12】勝率37.1%、複勝率65.7%で、単勝回収率も146%。騎乗する場合は買い目に入れておきたい。

また、GⅠでの勝負強さは目を見張るものがあり、【3-1-0-3】で勝率42.9%、単勝回収率317%と好成績だ。2歳重賞全体でも【6-7-4-11】で勝率21.4%、単勝回収率106%。大舞台でこそ信頼できる騎手だ。

4位は戸崎圭太騎手。狙いは関西遠征してきた時だ。阪神では【6-2-4-19】で勝率19.4%、単勝回収率は600%に達する。さらにダートに限定すると、【4-1-1-6】で複勝率50.0%と安定感もある。この条件は1年に数回しか使えないが、破壊力は抜群。見かけたら逃さずに買い目に入れておきたい。重賞では【2-5-3-17】で勝率7.4%と頭では狙いにくい。しかし複勝率37.0%とまずまず馬券には絡んでくるので、マークはしておきたい。

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手塚貴久厩舎×C.ルメール騎手は鉄板

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<2歳戦に強い調教師たち>
手塚貴久【58-42-41-170】勝率18.6%/連対率32.2%/複勝率45.3%
矢作芳人【57-44-30-208】勝率16.8%/連対率29.8%/複勝率38.6%
友道康夫【56-36-27-79】勝率28.3%/連対率46.5%/複勝率60.1%
須貝尚介【55-42-25-163】勝率19.3%/連対率34.0%/複勝率42.8%

次は2歳戦に強い調教師たちを取り上げる。

勝利数トップは手塚貴久調教師。今年の管理馬では、「伝説の新馬戦」を制したボンドガールが注目を集めている。C.ルメール騎手とコンビを組んだ際は、【19-5-4-9】で複勝率75.7%という絶大な安定感を発揮。さらに単複の回収率もプラス域で、逆らうわけにはいかない。また、妙味の面ではミルファーム所有馬がおもしろい。【5-0-5-18】で単勝回収率192%、複勝回収率137%をマーク。今年の京王杯2歳Sで9番人気3着の激走を果たしたオーキッドロマンスなどがこの条件に該当している。

2位は矢作芳人調教師。先日の京都2歳Sを良血馬シンエンペラーで制している。芝では勝率18.1%、単勝回収率104%なのに対し、ダートでは勝率13.7%、単勝回収率59%と大きな差があり、基本的には芝で狙っていきたい。騎手については、坂井瑠星騎手が最多勝を挙げているが、馬券的に注目したいのは藤岡佑介騎手が騎乗した時。【5-1-0-4】で単勝回収率211%と妙味十分だ。また、広尾レース所有の馬では【8-2-5-12】で勝率29.6%、単勝回収率268%と好成績を残している。さらに距離短縮ローテの成功例が多く、【11-5-9-27】で勝率21.2%、単勝回収率は126%を記録している。

3位は友道康夫調教師。現役最多のダービー3勝を挙げている名トレーナーだ。川田将雅騎手が管理馬に騎乗した場合【14-5-2-10】勝率45.2%、単勝回収率109%、武豊騎手では【10-3-6-7】勝率38.5%、単勝回収率101%で、両名との相性がいい。また、新馬戦では【25-20-11-33】で勝率28.1%、単勝回収率98%とこれでも十分好成績であるが、未勝利戦では【20-11-7-22】で勝率33.3%、単勝回収率138%とさらに数字を上げてくる。ほか、芝の1800m以上では【42-25-20-40】で勝率33.1%、単勝回収率122%とベタ買いするだけでプラスとなっている。

4位は須貝尚介調教師。昨年の朝日杯FSをドルチェモア(現在は上原佑紀調教師の管理馬)で制している。芝では【40-35-19-126】で勝率18.2%、単勝回収率99%だが、ダートでは【15-7-6-37】で勝率23.1%、単勝回収率127%を叩き出しており、上位3人の調教師とは違ってダートの方がよりいい。競馬場別では函館が断トツで、【6-1-2-5】勝率42.9%、単勝回収率は139%だ。白毛のアイドルホース・ソダシも函館でデビューしており、来年以降も同厩舎の函館デビュー馬には注目である。

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《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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