【菊花賞】前走の「上がりと着順」にツボあり 東大HCの本命はコスモキュランダ
東大ホースメンクラブ
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クラシック最終戦
今週日曜日、京都競馬場でGⅠ・菊花賞が行われる。今年はフルゲート18頭が登録。二冠を目指すダノンデサイルに対し、トライアルを制したアーバンシックやメイショウタバル、古馬混合の条件戦を勝ち上がったシュバルツクーゲルやヘデントールなどが挑む形となった。
クラシック最終戦を飾る本レース。「最も強い馬」の称号を得るのはどの馬か。今回は過去10年のうち、阪神開催の21、22年を除いた京都開催8年分のデータから迫っていきたい。
上がり重視
<菊花賞 上がり3ハロン別成績>
1位【5-4-1-3】勝率38.5%/連対率69.2%/複勝率76.9%
2位【2-3-1-2】勝率25.0%/連対率62.5%/複勝率75.0%
3位【1-0-2-6】勝率11.1%/連対率11.1%/複勝率33.3%
4位以下【0-1-4-108】勝率0.0%/連対率0.9%/複勝率4.4%
菊花賞は3000mという距離、3コーナーの坂を2回超えるというコース形態もあり、道中はゆったりとしたペースで脚を溜め、後半の末脚勝負という形になりやすい。昨年の勝ち馬ドゥレッツァも外枠から11秒台のラップを刻んで逃げを打ったが、道中でハナを譲り、上がり3ハロン最速で差し返すレース内容だった。上がり最速をマークした馬は【5-4-1-3】、連対率約7割と素晴らしい成績だ。
前走の上がりについても速い方がよく、前走上がり2位以内なら【7-4-5-39】。前走が重賞だった馬に限ると【6-4-3-15】、さらに3着以内だと【6-4-3-10】複勝率56.5%まで信頼度が高まる。該当するのはコスモキュランダ、ショウナンラプンタ、アーバンシック。トライアルで見せた末脚は本番でも生きてくる。
<菊花賞 前走着順別成績>
1着【4-2-4-34】勝率9.1%/連対率13.6%/複勝率22.7%
2着【2-4-3-10】勝率10.5%/連対率31.6%/複勝率47.4%
3着【2-1-0-13】勝率12.5%/連対率18.8%/複勝率18.8%
4着以下【0-1-1-62】勝率0.0%/連対率1.6%/複勝率3.1%
続いて前走の着順に注目する。前走4着以下の馬は3着に入ることも難しく、今年も前走好走した馬から選ぶべきだろう。
レース別に詳しく見ていく。まずは最多5勝を挙げる神戸新聞杯組。その1着馬が【2-0-1-2】、2~3着馬は【3-3-1-8】。4着以下は【0-0-1-33】で好走例が16年エアスピネルのみ(神戸新聞杯5着→菊花賞3着)。今年はメイショウタバルとショウナンラプンタを上げ、4着以下のメリオーレム、ミスタージーティー、ビザンチンドリーム、ウエストナウは明確に減点となる。
次はセントライト記念組(新潟開催の14年除く)。全体成績は【1-2-2-27】と凡走が多いが、直近の19、20、23年はいずれも馬券圏内の馬を輩出している。なお菊花賞が阪神代替開催となった21、22年はどちらも勝ち馬がセントライト記念組だった。
ただしこちらは勝ち馬が【1-0-0-4】。全て5番人気以内に推されたにもかかわらず、15年にキタサンブラックが勝利したほかは16年ディーマジェスティ2番人気4着、17年ミッキースワロー3番人気6着、18年ジェネラーレウーノ4番人気9着、20年バビット3番人気10着と敗れている。一方、2着馬は【0-1-2-2】と悪くない。
3着以下【0-1-0-21】は17年クリンチャーの2着があるだけ。この年は不良馬場で勝ち時計3分18秒9と非常に特殊な条件だったため(京都開催での勝ち時計は大体3分3秒~3分6秒に収まる)、外れ値といっていい。0秒7離されたエコロヴァルツ、(条件戦を挟んではいるが)6着だったアスクカムオンモアも評価を下げる。
条件戦組についても検討する。前走1勝クラス勝利は19年メロディーレーンの1例。12番人気5着と健闘しているが、この馬は阪神芝2600mでレコード勝ちという長距離実績があった。前走を逃げ切って1000m距離延長となるノーブルスカイには手が出ない。
前走2勝クラスは1着馬【0-1-3-23】、2着以下【0-0-0-3】。好走馬4頭は全て前走芝2200m以上のレースだった。今回該当するのはピースワンデュックとアドマイヤテラ。特に前走阿賀野川特別は【0-0-2-0】で、2桁人気からの激走例が2度ある。ピースワンデュックは面白い存在だ。
前走3勝クラス勝利は【1-0-0-1】。昨年のドゥレッツァが勝ち、18年グローリーヴェイズが12番人気5着と善戦している。シュバルツクーゲル、ヘデントールも侮れない。
最後の一冠へ
◎コスモキュランダ
2歳時は目立った存在でなかったが、弥生賞でダービー3着馬シンエンペラーを抑えて勝利、皐月賞は勝ち馬と同じくレコードタイムで走って2着と結果を出した。ダービーでは向正面からマクる競馬になったが5番手までとやや中途半端な位置取りになり、最後は後退して6着止まり。セントライト記念では一度先頭に立つ場面を作り、最後はアーバンシックに差し切られはしたものの、好内容で2着に入った。前述の好走データ2つにも合致しており、GⅠタイトル奪取へ条件は整っている。
◯アーバンシック
デビュー2連勝ののち京成杯をダービー馬ダノンデサイルの2着、皐月賞4着。ダービーは11着と大敗したが、スローペースのなか4角15番手だったもので、位置取りが敗因。上がり3F33秒5を使っており、数字ほどの力負けではない。セントライト記念は1枠1番から内でジッと我慢すると直線で弾け、短い中山の直線でコスモキュランダを差し切った。C.ルメール騎手は過去10年の菊花賞で【3-2-1-2】、先週も重賞2勝と絶好調。セントライト記念勝ち馬の不振だけが気がかりで対抗評価としたが、前走以上のパフォーマンスで圧勝してもおかしくない。
▲ダノンデサイル
3歳初戦の京成杯を勝利。皐月賞出走除外もあってダービーは9番人気に甘んじたが、皐月賞馬ジャスティンミラノに0秒4差をつけて快勝。一躍世代の頂点に立った。約5か月ぶりのレースとなるが、ダービーから菊花賞への直行は昨年のタスティエーラ2着の例があり、さほど不安視しなくていいだろう。51年ぶりの「ダービーと菊の二冠馬」誕生の可能性も十分ある。
以下ショウナンラプンタ、ヘデントール、ピースワンデュックまで印を回す。馬券は◎軸の3連複で勝負する。
▽菊花賞予想▽
◎コスモキュランダ
◯アーバンシック
▲ダノンデサイル
△ショウナンラプンタ
×ヘデントール
×ピースワンデュック
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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