【クイーンS】ボンドガールの懸念材料は前走着順だけ ヴィクトリアマイル組からはスタニングローズに注目

勝木淳

過去10年のデータから見るクイーンステークス,ⒸSPAIA

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3歳は格と人気重視

夏場の重賞はどのレースも来るべき秋に向け賞金加算を目指すステージだ。3歳も古馬もGⅢで結果を残して、ようやく次が見えてくる。特に3歳は秋を前に斤量差を生かし、夏場でいくらかレベルが下がる古馬相手になんとかしたいところだろう。

ボンドガールは春、体調が整わず、路線変更を余儀なくされ力を出せなかった。再出発を誓うここは、そのポテンシャルを爆発させたいだろう。過去10年でクイーンSを勝った3歳は2頭いる。17年アエロリット(NHKマイルC1着)、23年ドゥーラ(札幌2歳S1着、オークス3着)。どちらも春に結果を残した馬だ。ボンドガールは秘める素質で実績不足を逆転できるか。試金石だろう。データは21年函館を含む過去10年分を使用する。

人気別成績,ⒸSPAIA


1番人気【3-3-2-2】勝率30.0%、複勝率80.0%、2番人気【3-0-1-6】勝率30.0%、複勝率40.0%、3番人気【1-0-2-7】勝率10.0%、複勝率30.0%で上位人気の壁はそれなりに厚い。夏場の貴重な牝馬限定重賞とあって、古馬勢もそれなりにメンバーはそろう。3歳2勝も1、2番人気。ここでも主役に支持されるような存在でないと厳しい。

7番人気以下3勝など夏場らしく伏兵台頭の機運も十分ある。9番人気【1-1-1-7】勝率10.0%、複勝率30.0%など上位人気だけ並べても決して当たらない。暑さに負けず、粘り強く検討したいところだ。

年齢別成績,ⒸSPAIA


3歳は上記の通り、【2-0-0-12】勝率、複勝率14.3%。やや極端で、たとえ斤量差があっても古馬相手に通用する根拠は必要だ。古馬は4歳【4-6-3-27】勝率10.0%、複勝率32.5%が中心。5歳【2-3-6-38】勝率4.1%、複勝率22.4%、6歳【2-1-1-20】勝率8.3%、複勝率16.7%なので、決して4歳に偏るのもよくない。6歳2勝は、どちらも同距離の福島牝馬Sで好走していた。


前走ヴィクトリアマイルはレース展開がカギ

5歳だが、福島牝馬S3着ウインピクシスは軽く扱えない。前年2着馬で、平坦向きの先行力が武器だ。開幕2週目のここは当然、マークしないといけない。

前走クラス別成績,ⒸSPAIA


前走クラス別では前走GⅠが【6-4-4-22】勝率16.7%、複勝率38.9%。今年もそうだが、春、GⅠ出走の実績馬がそれなりに顔を合わせ、高い壁になっている。3歳限定GⅠに限ると、3着以内【2-0-0-0】、4、5着出走ゼロ、6着以下【0-0-0-11】。世代限定戦で大敗を喫してしまうと厳しい。NHKマイルC17着ボンドガールにとって気になるデータだ。

前走Vマイル、6着以下・位置取り別成績,ⒸSPAIA


前走ヴィクトリアマイル【4-4-4-10】勝率18.2%、複勝率54.5%。着順は3~5着【1-2-1-1】、6~9着【1-1-2-1】、10着以下【2-1-1-7】。素直に好走した5着以内を評価し、ドゥアイズをピックアップしつつ、6着以下からの巻き返しで穴目を拾おう。

6着以下の位置取りは先行【1-1-0-3】勝率20.0%、複勝率40.0%、差し【0-1-3-3】複勝率57.1%、追込【2-0-0-1】勝率、複勝率66.7%。回収値でみると、先行は単46/複64、差しは複98、追込は単390/複140。穴はヴィクトリアマイルで差して不発だった馬。モリアーナ、キタウイングあたりがデータに合致する。

しかし、今年のヴィクトリアマイルは前後半800m45.4-46.4の前傾ラップで、2ハロン目10.5からラスト200m11.7まで緩みなく進んだ。後半600m11.6-11.7-11.7の持久戦をテンハッピーローズが差し切った。どちらかといえば先行勢に苦しい競馬で、データ傾向通りとは限らない可能性は残る。むしろ、ウンブライル、スタニングローズ、コンクシェルなど展開的に苦しかった先行勢が気になる。

スタニングローズは秋華賞以降、勝ち星に恵まれていないが、着差は道悪のエリザベス女王杯を除けば0.8秒以内。4歳春から5歳春まで長い休養があったが、決してパフォーマンスは落ちていない。GⅢ出走は3歳紫苑S以来。あえてクイーンSを選んだ意欲を買いたい。

前走GⅢ・レース別成績,ⒸSPAIA


前走GⅢ【3-4-2-39】勝率6.3%、複勝率18.8%の内訳は直近の牝馬限定重賞マーメイドSが【2-2-2-16】勝率9.1%、複勝率27.3%。5着以内【0-1-1-8】、6着以下【2-1-1-8】。エリカヴィータの巻き返しも考えられる。

過去10年のデータから見るクイーンS,ⒸSPAIA


ライタープロフィール
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。

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