【エプソムC】年齢と脚質がモノを言うレース 東大HCの本命はマテンロウスカイ

東大ホースメンクラブ

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まだまだ熱戦続く府中

日曜日、東京競馬場でGⅢ・エプソムCが行われる。第1回から一貫して芝1800mで行われているこの重賞も今年で40回目を迎え、区切りの年となる。今年は前走のダービー卿CTで重賞初制覇を果たしたインダストリア、同2着ジャスティンカフェ、府中Sを勝利しOP入りを決めたレインフロムヘヴン、メイSで逃げ粘り2着に入ったマテンロウスカイ、都大路Sを鮮やかに差し切ったエアファンディタなどが登録している。

5週連続GⅠの興奮冷めやらぬ府中で行われるこのレース、果たしてどの馬が先頭でゴール板を駆け抜けるか。今週も過去10年のデータから検討する。


最大のキーポイントは年齢

エプソムCの年齢別成績,ⒸSPAIA


<エプソムC・過去10年の年齢別成績>
4歳【6-5-4-21】勝率16.7%/連対率30.6%/複勝率41.7%
5歳【3-2-2-35】勝率7.1%/連対率11.9%/複勝率16.7%
6歳【1-3-3-30】勝率2.7%/連対率10.8%/複勝率18.9%
7歳以上【0-0-1-41】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率2.4%

まず、年齢別成績から確認すると、4歳がベストで年齢が上がるほど数字が悪くなっていくことがわかる。4歳は昨年のノースブリッジをはじめ勝ち馬が6頭出ており、複勝率は41%に達する。このうち、逃げを打った馬は【1-1-2-0】で複勝率100%、先行した馬は【3-2-0-4】で複勝率55.6%。前目で進めればかなりの好成績であることが伺える。週末は天気がぐずつく予想ということもあり、フレッシュな逃げ、先行馬は見逃せない。

対して、6歳からは成績の悪化が顕著で、7歳以上に至っては馬券に絡んだ例はわずか1つだけ(14年3着ダークシャドウ)。今年の出走馬のうち、7歳以上はトーラスジェミニ、ピースワンパラディ、ラストドラフトの3頭。割り引いて考えたいところだ。


人気の逃げ先行馬強し

エプソムCの脚質別成績,ⒸSPAIA


<エプソムC・過去10年の脚質別成績>
逃げ・1~5番人気【1-0-0-0】勝率100.0%/連対率100.0%/複勝率100.0%
逃げ・6~10番人気【0-1-2-2】勝率0.0%/連対率20.0%/複勝率60.0%
先行・1~5番人気【4-4-0-6】勝率28.6%/連対率57.1%/複勝率57.1%
先行・6~10番人気【1-0-0-10】勝率9.1%/連対率9.1%/複勝率9.1%
差し・1~5番人気【4-1-5-17】勝率14.8%/連対率18.5%/複勝率37.0%
差し・6~10番人気【0-2-2-18】勝率0.0%/連対率9.1%/複勝率18.2%
追込【0-2-0-36】勝率0.0%/連対率5.3%/複勝率5.3%

次に脚質別成績を人気とかけあわせてチェックする。11番人気以下は【0-0-1-56】であることから、ここでは主に10番人気以内の馬に注目した。

逃げは1~5番人気が1戦1勝、6~10番人気でも複勝率60.0%の高水準で、まずはマークが必要。続いて先行馬は1~5番人気馬が勝率28.6%、複勝率57.1%とかなりの安定感を誇る。単勝回収率243%、複勝回収率145%と、配当面でも優秀だ。一方で6~10番人気になってくると【1-0-0-10】。20年のダイワキャグニーが勝ってはいるものの、確率としては厳しい。人気を集めた馬が好走しやすいのは当然だが、先行馬では特にその傾向が強い。

1~5番人気の差しも4勝を挙げ勝率14.8%、複勝率も37.0%とまずまずだが、回収率は単勝・複勝ともに70%ほどでやや劣る。ただ差し馬からは、一昨年6番人気サトノフラッグ、昨年8番人気ガロアクリークと人気薄が2年連続で2着に入っている。前目で進める人気馬を軸にし、差しは中穴クラスも含め相手に据えるのがよいだろう。


先行力ある4歳馬を信頼

◎マテンロウスカイ
全成績は【3-4-3-1】と堅実。同コースで行われた前走のメイSでは前半5Fが58秒4というハイペースで逃げを打ち、残り100m付近でサクラトゥジュールにかわされ2着に敗れた。しかし3着エピファニーには3馬身(0秒5)差をつけており、レースぶりは光るものがあった。横山典弘騎手の継続騎乗もプラス要素で、前有利傾向のこの舞台ならしっかり勝ち負けできるだろう。

◯レインフロムヘヴン
府中Sは道中4~5番手の好位から進め、最初の5Fが60秒8と落ち着いたペースのなか、上がり3F33秒4(メンバー中3位)をマークし、力強く抜け出してそのまま押し切った。展開に恵まれた面もあったが、脚を溜めてしっかり直線で使える能力があるのは良い。東京コースは【4-2-1-2】と走り慣れているのも好感が持てる。過去4度の重賞挑戦では跳ね返されてきたが、3勝クラスVの余勢を駆って勝利まで見込める力はある。

▲ジャスティンカフェ
昨年の毎日王冠ではレコードタイムで勝利したサリオスに半馬身差の2着と肉薄した。上がり3Fもサリオスと同じ33秒8をマークしており、能力の高さは証明済みだ。ダービー卿CTでは4コーナー7番手という後ろすぎない位置からキレ味を発揮し、インダストリアの2着に食い込んだ。この舞台でも上位候補と言える。ただし、僅差とはいえ4着だった東京新聞杯のように後方になる可能性もあり、ある程度展開の助けが要るとみて、3番手評価にとどめた。

以下ルージュエヴァイユ、インダストリア、ショウナンマグマに印を回す。馬券は◎軸、◯以下相手の3連複とする。

▽エプソムC予想▽
◎マテンロウスカイ
◯レインフロムヘヴン
▲ジャスティンカフェ
△ルージュエヴァイユ
×インダストリア
☆ショウナンマグマ

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。



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