【府中牝馬S】ヴァルキリーバースら「前走マイル組」が狙い目 実績最上位パラディレーヌの巻き返しも警戒

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1番人気、上がり最速は鉄板級
宝塚記念で上半期のJRA・GⅠがすべて終わり、いよいよ夏競馬モードへ突入する。東京開催も今週が最終週。春の激戦を振り返りつつ、東京競馬場とは10月までお別れを告げなければならない。
秋の東京はどんな気候で迎えることになるのか。酷暑と予報が出ている夏を越え、元気に再会したいものだ。とはいえ、その間、競馬は続く。来年から大改革を施される夏競馬だが、今年は暑熱対策の拡大のみ。人馬とも無事に夏を乗り越えてほしい。そう願うばかりだ。
さて、昨年からマーメイドSに替わる形で組まれた府中牝馬Sだが、当然過去10年データは当てはまらない。そこで、今回は2017年以降、東京芝1800m、古馬オープンの重賞38レースを使用し、当該コースの傾向について考える。

人気別では1番人気【13-6-4-15】勝率34.2%、複勝率60.5%と、東京芝1800mらしく、なかなか崩れない。1番人気が頭ひとつ抜けており、以下、2番人気【5-4-8-21】勝率13.2%、複勝率44.7%と続き、5番人気【7-7-5-19】勝率18.4%、複勝率50.0%がボーダーライン。6番人気からは確率が下がっていく。
牝馬限定のハンデ戦、マーメイドSの流れをくむ重賞とはいえ、さすがにこの舞台では大波乱は考えにくい。昨年も5→3→2番人気で決まり、勝ったのはGⅡ2、3着の実績馬セキトバイーストだった。

東京芝1800mの特徴をつかむデータとして、上がり順位別成績をとりあげる。上がり最速は【16-8-7-19】勝率32.0%、複勝率62.0%と前述した1番人気並みの成績を残す。上がり最速を1番人気馬が繰り出すと、【8-1-0-1】勝率80.0%、複勝率90.0%と驚異的。東京で速い上がりを繰り出せそうな馬が1番人気になっていたら逆らわない方がよさそうだ。
以下、2位【5-4-3-19】勝率16.1%、複勝率38.7%、3位【5-9-6-26】勝率10.9%、複勝率43.5%とデータは上がりが速い順を示す。なにはともあれ、速い上がりを使えそうな馬をしっかりピックアップしたい。
前走1600m出走馬に注目
今年は福島牝馬Sを勝ったコガネノソラ、同5着テレサ、ヴィクトリアマイル経由のニシノティアモ、パラディレーヌ、阪神牝馬S3着ルージュソリテール、5着ビップデイジーあたりが中心を担いそうだ。

前走距離に注目すると、1800m未満からの距離延長組が【17-11-17-139】勝率9.2%、複勝率24.5%。同距離組【11-15-12-125】勝率6.7%、複勝率23.3%や、距離短縮組【10-12-9-162】勝率5.2%、複勝率16.1%を好走確率で一歩リードしている。コーナーが少なく、スピード勝負になりやすいコースではむしろ短い距離で培った速さが武器になる。

距離延長組のうち、前走が1600mだった馬【15-11-16-125】勝率9.0%、複勝率25.1%に注目。ヴィクトリアマイル組がここに当てはまる。
その着順内訳は3着【4-0-5-9】勝率22.2%、複勝率50.0%など上位着順だった馬が優勢。一方で6~9着【4-4-1-29】勝率10.5%、複勝率23.7%も悪くない。東風Sを勝ったヴァルキリーバース、阪神牝馬S3着ルージュソリテールを評価しつつ、ヴィクトリアマイル6着ニシノティアモも落とせない。

ニシノティアモが当てはまる「前走1600m・6~9着馬」を前走位置別成績で掘り下げると、逃げ先行【0-0-0-9】、中団【2-3-0-10】勝率13.3%、複勝率33.3%、後方【2-1-1-10】勝率14.3%、複勝率28.6%で、差して敗れた馬が狙い目。ニシノティアモは前走ヴィクトリアマイルで2番手につけ、先行していた。マイル戦で先行した経験がマイナスの効果を生まなければいいが…。
好走確率は下がるが、前走1600m・10着以下【1-1-2-44】勝率2.1%、複勝率8.3%も中団より後ろだと【1-1-1-30】と差した馬なら買えなくもない。パラディレーヌの巻き返しはなくはない。昨年のエリザベス女王杯2着馬であり、中距離にシフトするのは悪くない。少しでも人気を落とすようならむしろ狙い目ではないか。

《ライタープロフィール》
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『名馬コレクション 世界への挑戦』(ガイドワークス)に寄稿。
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