【きさらぎ賞】重賞実績組ゴーイントゥスカイ、ゾロアストロが有力 素質馬エムズビギンはここが試金石

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冬の淀に集う素質馬たち
年が明けたと思ったら、早くもきさらぎ賞を迎えてしまった。皐月賞まで中9週と迫った。
2月のきさらぎ賞、共同通信杯が終わると、いよいよトライアルシーズンに突入。クラシック開幕まであっという間だ。そう考えると、2月の3歳重賞は賞金を稼ぎ、間隔をとって本番を迎えられるギリギリのラインでもある。
きさらぎ賞は必ずしも本番直結の重賞ではないが、昨年4着ショウヘイや、2年前は1着ビザンチンドリーム、2着ウォーターリヒトなど将来有望な馬たちが出走しており、注目すべき一戦。出走馬のなかから将来の重賞ウイナーを探すのもおもしろい。
なお、今回もデータは2021~23年の中京開催も含めた過去10年分を使用する。

1番人気は【4-1-2-3】勝率40.0%、複勝率70.0%で、やはり3歳中距離重賞で主役を張るような素質馬はそうは崩れない。
以下、2番人気【1-3-2-4】勝率10.0%、複勝率60.0%に3番人気も【2-2-0-6】勝率20.0%、複勝率40.0%と続き、上位人気は基本的に信頼できる。
とはいえ、6番人気【1-1-1-7】勝率10.0%、複勝率30.0%や7番人気【1-0-1-8】勝率10.0%、複勝率20.0%など、穴馬激走の可能性も残す。必ずしもトップグループが出走してくるわけではないので、事前予想ほど力差がない重賞でもある。

キャリアをみると、1戦【2-1-1-12】勝率12.5%、複勝率25.0%をはじめ、2戦【3-4-3-17】勝率11.1%、複勝率37.0%や3戦【3-4-4-14】勝率12.0%、複勝率44.0%と、3歳重賞らしく少ないキャリアでここに駒を進める馬が優勢。経験の浅さを素質でカバーするといったイメージだ。
とはいえ、4戦【1-0-1-7】勝率11.1%、複勝率22.2%や5戦【1-1-1-6】勝率11.1%、複勝率33.3%とある程度は許容範囲であり、ここが2歳重賞とは違う。レース経験が勝る場面もある。
京都芝1800mのきさらぎ賞に絞ると、キャリア1戦1勝馬が【2-1-1-9】勝率15.4%、複勝率30.8%と上々。このうち距離短縮【2-0-0-2】と延長【0-1-1-3】に対し、同距離は【0-0-0-4】。同距離組がよくなく、距離の変化があった方がいい。同条件や同距離は強調材料になりがちなので、この傾向は頭に入れておきたい。
中心は重賞実績馬か
中心は京都2歳S3着ゴーイントゥスカイ、東京スポーツ杯2歳S2着ゾロアストロあたりか。ゴーイントゥスカイを管理する上原佑紀厩舎は京成杯をグリーンエナジーで勝っており、厩舎の勢いもある。

では、キャリア2戦以上の傾向をチェックしよう。
前走GⅠは【2-1-3-9】勝率13.3%、複勝率40.0%で、6着以下【2-0-1-8】と大敗馬が巻き返す可能性も残る。また、GⅠ組のうちホープフルS組が【1-1-1-6】勝率11.1%、複勝率33.3%となっている点もポイントだ。
GⅡ以下では東スポ杯【1-1-1-2】や京都2歳S【1-0-0-1】に注目。GⅡ、GⅢで4着以内からの臨戦だと【3-2-1-6】、対して6着以下は【0-0-0-5】なので、GⅠ以外は好走が条件になる。ゴーイントゥスカイとゾロアストロは当然、有力視できる。

前走1勝クラスは【3-4-3-21】勝率9.7%、複勝率32.3%と分母も多く、買える馬と買えない馬をきっちり見極めたい。
競馬場の内訳をみると、東京・中山の関東圏が【0-0-0-8】とさっぱり。その分、関西圏の成績がよく、阪神【1-3-0-2】勝率16.7%、複勝率66.7%や中京【2-1-2-7】勝率16.7%、複勝率41.7%が目立つ。
中京に関しては、京都開催時に限定しても【1-1-1-4】なので有効だ。理想は前走1勝クラスの中京芝1600m戦で1、2着【1-1-0-1】。こうやまき賞3着ラフターラインズは惜しい。後方から唯一上位に食い込んだ瞬発力は魅力だが、どう出るか。

最後に前走未勝利【0-1-2-10】複勝率23.1%について。さすがに未勝利脱出直後に重賞は荷が重い印象だが、注目の一頭エムズビギンが当てはまるので、触れておく。
ここは新馬と同じく前走1800mが【0-0-0-6】と結果を出していない。ここも距離変化がキーワードだ。
その点、エムズビギンは前走で東京芝2000mの未勝利戦を快勝しており、問題なし。その未勝利戦は1000m通過1:00.3と2歳未勝利戦としては流れた競馬。スタートひと息から中団にとりつき、内から抜けてきた。折り合いなど課題を残す状況で勝ち切ったのは価値がある。世代屈指の好素材がここを突破し、クラシック路線に乗ってくるのか注目だ。

《ライタープロフィール》
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『サラブレッド大辞典』(カンゼン)に寄稿。
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