単回200%超!冬の中山で躍動する横山典弘、和生“親子” 冬に強い騎手、種牡馬を徹底検証

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現役最高の“冬巧者”を調査
1月4日に幕を開けた2026年の中央競馬。東の最初の重賞である中山金杯(GⅢ)を津村明秀騎手は、先週のフェアリーステークス(GⅢ)でも勝利を挙げ、開幕から2週連続となる重賞勝利を手にした。
中山金杯で騎乗したカラマティアノスは7番人気(単勝14.8倍)、フェアリーSのブラックチャリスも5番人気(単勝11.0倍)と、単勝オッズ2ケタの人気薄での重賞連勝はまさに快挙といえる。
なお、津村騎手はフェアリーSがJRA重賞通算22勝目。このうち月別で最も勝利を挙げているのが1月で、その数なんと6勝。12月~2月の寒い時期で全体の4割弱にあたる8勝を稼いでいる“冬男”なのだ。
そこで今回は、「冬に強い騎手、種牡馬」をテーマに徹底検証。ここでは12〜2月の勝率から全場での勝率を引いたものを「冬巧者率」と定義し、この数値に基づいて冬に活躍を見せている騎手と種牡馬を調査した。なお、参照するデータは2021年1月16日から2026年1月12日までの直近5年分とする。
内枠の横山典弘騎手、外枠の吉村誠之助騎手

まずは芝編。この章では冬の芝コースで好成績な騎手を紹介する。
◼︎吉村誠之助騎手
・巧者率:11.6%-7.0%=4.6%
頭ひとつ抜けた巧者率4.6%をマーク。単回収率194%と妙味十分で、冬の芝でこそ輝く騎手だ。
なかでも外枠に入った際が狙い目。1〜6枠の【9-1-5-65】複勝率18.8%、複回収率51%に対し、7〜8枠は【5-3-6-27】複勝率34.1%、複回収率102%とその差は歴然だ。
また、距離では1400mが【5-0-1-11】勝率29.4%、単回収率139%と大得意。ベタ買いでプラスなので覚えておこう。
◼︎横山典弘騎手
・巧者率:11.3%-9.2%=2.1%
先日のフェアリーSは11番人気レオアジャイルで3着激走、翌日のニューイヤーSでは4番人気カピリナを勝利に導いた大ベテラン。巧者率は2.1%を記録している。
狙い目は内枠に入ったとき。3〜8枠では【22-17-14-145】複勝率26.8%、複回収率65%となっている一方、1〜2枠だと【5-5-7-23】複勝率42.5%、複回収率105%とプラス域をマークしている。上述したレオアジャイルも1枠1番で、どんな人気薄でも要警戒だ。
また、冬の中山重賞では絶対に馬券から外せない。2024年京成杯のダノンデサイル(5番人気1着)や同年中山記念のマテンロウスカイ(7番人気1着)など人気薄を頭に持ってくることも多く、通算【3-2-2-8】単回収率236%、複回収率196%と凄まじい成績となっている。
◼︎田辺裕信騎手
・巧者率:11.1%-9.7%=1.4%
年明けにケガからの復帰を果たし、10日の中山メイン・迎春Sをアスクナイスショーとのコンビで制した田辺騎手。巧者率は1.4%となっている。
狙い目は前目につけられそうなとき。アスクナイスショーも見事な逃げ切りだったが、前走4角3番手以内の馬に騎乗した時は【8-11-9-45】複勝率38.4%、複回収率109%とプラス域をマークしている。
競馬場別では東京と中京が狙い目。東京では【11-16-11-67】複勝率36.2%、複回収率121%の安定感を誇り、中京では【0-4-1-3】で勝利こそないものの複勝率62.5%、複回収率265%を叩き出している。人気薄で2、3着に入ることも多く、紐に入れておいて損はない。
ちなみに、冒頭で紹介した津村騎手の冬巧者率は5.2%-7.8%=-2.6%で意外にもマイナス。ただし、単回収率は132%とプラス域であり、人気薄での一発には依然として要警戒だ。
重馬場のディープブリランテ

次に、冬の芝を得意とする種牡馬を紹介する。
◼︎ディープブリランテ
巧者率:6.1%-3.9%=2.2%
毎日王冠勝ち馬エルトンバローズや、GⅠで2度馬券に絡んだ重馬場巧者モズベッロなどが代表産駒。巧者率は2.2%となっている。
狙い目はやはりタフな馬場。重・不良馬場では【1-3-0-10】単回収率109%、複回収率122%と単複ともにプラス域をマークしている。
また、内枠に入った時も要注目。4〜8枠の【2-6-5-108】単回収率13%、複回収率52%に対し、1〜3枠では【8-4-3-27】単回収率258%、複回収率128%と明暗クッキリ。エルトンバローズのように立ち回りの上手い産駒が多く、ロスなく立ち回れる内枠の方がベターなのだろう。
◼︎エイシンフラッシュ
巧者率:6.1%-4.3%=1.8%
ジャパンCを制したヴェラアズールや、京成杯勝ち馬オニャンコポンが代表産駒。巧者率は1.8%となっている。
冬の芝は全体の単回収率も144%と100%オーバー。なかでも中山、小倉の成績が優秀で、中山では【7-7-0-48】勝率11.3%、単回収率138%を記録。小倉も【5-5-3-72】勝率5.9%、単回収率170%の好成績だ。
また、前走から距離短縮のローテが妙味たっぷり。距離延長組が単回収率65%、同距離組も単回収率86%なのに対し、距離短縮組は単回収率233%を叩き出している。
◼︎マインドユアビスケッツ
巧者率:8.6%-7.2%=1.4%
芝では函館記念勝ち馬で天皇賞(秋)でも3着と好走したホウオウビスケッツの活躍が印象的。巧者率は1.4%となっている。
なんといっても狙い目は冬の東京。その成績は【1-1-1-1】単回収率662%、複回収率475%と驚異的な数値をマークしている。
この中には2024年東京新聞杯3着ホウオウビスケッツ(8番人気)や2025年クイーンC2着マピュース(8番人気)など、冬の東京マイル重賞での激走も含まれており、今年も該当馬がいれば要注目だ。
中山ダートの鬼・横山和生、フユコクの帝王・浜中俊

続いてダート編。ここでは冬のダートを得意とする騎手を紹介する。
◼︎横山和生騎手
巧者率:15.0%-11.7%=3.3%
12~2月は勝率15.0%、単回収率は198%と超優秀。巧者率も3.3%を誇る。
とくに中山ダートでは【34-13-13-139】勝率17.1%、単回収率302%と圧巻の成績。父は芝、息子はダート。親子で冬の中山を大得意にしている点は見逃せない。
また、マクリ戦法を得意としているため、スムーズに動きやすい外枠の回収率が高いのが特徴。1〜5枠も【29-19-16-156】勝率13.2%、単回収率84%と悪くないが、6〜8枠では【25-9-12-93】勝率18.0%、単回収率378%とこちらも驚異的な成績だ。
◼︎浜中俊騎手
巧者率:12.6%-9.8%=2.8%
現在は戦線離脱中だが、1月中旬の復帰を目指していることが報じられている。巧者率は2.8%と素晴らしい値だ。
狙い所は非常に明快。冬の小倉ダートが【15-6-4-33】勝率25.9%、単回収率161%と無双状態。順調に行けばこの冬の小倉開催にも間に合う見通しで、今年も目が離せない。
また、小倉だけでなく京都のダートも【3-2-3-20】複勝率28.6%、複回収率104%と優秀なので押さえておきたい。
◼︎鮫島克駿騎手
巧者率:11.7%-9.5%=2.2%
先週は強風を味方につけた騎乗が光り、ダートで3勝の固め打ち。冬のダートは単回収率こそ69%とやや低調だが、複回収率は89%とまずまず優秀だ。
競馬場別では東京、中山、京都の3場で複回収率100%超え。単回収率が100%を超える条件はなく、頭というよりは紐で狙っていきたい騎手といえる。
また、こちらも外枠が狙い目。1〜6枠では【42-36-42-281】複勝率29.9%、複回収率78%なのに対して、7〜8枠では【21-21-17-80】複勝率42.4%、複回収率119%を記録している。
冬の王者・ゴールドドリーム

最後は冬のダートを得意とする種牡馬を紹介する。
◼︎ゴールドドリーム
・巧者率:12.5%-6.9%=5.6%
2017年に春秋ダートGⅠ制覇を達成した砂の王者で、現4歳が初年度産駒という新進気鋭の種牡馬が堂々のランクイン。巧者率は驚異の5.6%と、まさに今が旬だ。
冬のダートは条件問わず単回収率265%、複回収率137%とまさに入れ食い状態。この時期に見かけたら無条件で馬券に入れて全く問題ない。
特に冬の阪神では【3-1-2-5】複勝率54.4%、複回収率164%と超優秀。2月の阪神開催が待ち遠しい。
◼︎エスポワールシチー
・巧者率:10.5%-7.9%=2.6%
JBCスプリントを制した兵庫の雄イグナイター、テレ玉杯オーバルスプリントを制した地方馬スマイルウィ、ダート戦線で息の長い活躍をしているペイシャエスなどが代表産駒。巧者率は2.6%となっている。
こちらも冬のダートは複回収率116%とプラス域を叩き出している。なかでも1800mで【10-10-5-62】勝率11.5%、単回収率205%と抜群の成績を記録している。
特に中京ダート1800mは【2-3-2-14】単回収率486%、複回収率192%と圧倒的。今年の中京開催は3月開催のため12月までお預けとなるが、覚えておきたいデータだ。
◼︎シルバーステート
巧者率:8.7%-6.0%=2.7%
エプソムCをレコードで圧勝したセイウンハーデスや、アイルランドトロフィーを上がり32.4の豪脚で制したラヴァンダなど、産駒は芝で活躍するイメージが強い種牡馬であるが、意外にも巧者率2.7%と冬のダートで好成績を残している。
狙い目は東京と中京。東京は【2-0-3-16】複勝率23.8%、複回収率102%で、中京が【4-4-5-31】複勝率29.5%、複回収率132%を誇る。来月の東京開催で要チェックだ。
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をも大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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