ダートに良績ズラリ、単回100%超の新馬戦が特に狙い目 田中博康厩舎のプラス条件、マイナス条件
東大ホースメンクラブ

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レモンポップに続く砂の怪物候補
今週末は中京ダート1800mでチャンピオンズカップ(GⅠ)が開催される。ダート王を決する一戦に今年はみやこステークスをレコードで制した牝馬ダブルハートボンド、武蔵野ステークスを3馬身差で圧勝したルクソールカフェ、2年連続2着のリベンジを狙うウィルソンテソーロなど非常に楽しみなメンバーが揃った。
そんな中、今回最も注目を集める一頭がナルカミだ。4連勝でジャパンダートクラシック(JpnⅠ)を制した3歳馬で、まだ底を見せていない。
そして、そのナルカミを管理するのが美浦・田中博康調教師。チャンピオンズCは一昨年、昨年と管理馬レモンポップで連覇しており、今年は3連覇がかかる。
この2頭の他にも今年の帝王賞とJBCクラシックを制したミッキーファイトがいて、さらに毎日王冠など重賞4勝のレーベンスティール、大阪杯やブリーダーズカップターフで2着の実績があるローシャムパークなど、芝・ダートの両方で一流馬を輩出している東の名門だ。
そこで今回は、田中博康厩舎の「プラス条件」「マイナス条件」をテーマに徹底検証を行う。なお、参照するデータは2022年12月4日〜2025年11月29日の過去3年分とする。
海外所属騎手の起用が狙い目

<田中博康厩舎のプラス条件>
・海外所属騎手【16-13-5-39】
勝率21.9%/連対率39.7%/複勝率46.6%/単回収率82%/複回収率83%
・ダート×新馬戦【6-2-2-6】
勝率37.5%/連対率50.0%/複勝率62.5%/単回収率107%/複回収率98%
・東京ダート1600m【22-13-5-30】
勝率31.4%/連対率50.0%/複勝率57.1%/単回収率98%/複回収率87%
・11頭以下【24-23-10-37】
勝率25.5%/連対率50.0%/複勝率60.6%/単回収率82%/複回収率89%
※集計期間:2022年12月4日~2025年11月29日
この章では、田中博康厩舎の「プラス条件」を取り上げる。
■海外所属騎手
短期免許での来日など、海外所属騎手が田中博康厩舎の馬に騎乗した際の複勝率は46.6%と驚異的。半数近くが馬券に絡んでいる。
特に素晴らしいのがJ.モレイラ騎手【4-2-0-2】勝率50.0%、単回収率142%とD.レーン騎手【3-0-0-1】勝率75.0%、単回収率215%で、見かけたら必ず押さえておきたい。
■ダート×新馬戦
レース条件ではダートの新馬戦も得意としており、勝率37.5%で単回収率は107%と100%超を記録している。該当馬がいればベタ買いでOKだ。
なかでも外枠に入った際の成績が素晴らしく、7~8枠なら【4-0-1-0】と馬券を外していない。単回収率230%、複回収率146%と妙味の面でも超優秀な成績を残している。
■東京ダート1600m
コースでは、2023年にレモンポップ号でフェブラリーステークスを制した舞台である東京ダート1600mが大得意。なんと出走馬の半数が連対している。
こちらも6枠より外なら【10-5-2-9】、更に3番人気以内なら【10-4-2-5】勝率47.6%、複勝率76.2%と信頼度抜群。単回収率110%、複回収率104%とベタ買いOKの数字で、この条件を満たす馬には逆らえない。
■11頭以下
最後は出走頭数に注目。11頭以下のレースでは複勝率6割超と、少頭数のレースでとにかく堅実だ。こちらもダートなら【9-6-2-5】と実に7割近くが連対しており、馬が実力を十分に発揮しやすいレースを選択していることが見て取れる。
また、芝・ダート問わず昇級戦で【5-4-3-5】の好成績を残している点も注目。こちらも半数以上が連対しており、単回収率も135%と妙味もある。
人気薄は割引

<田中博康厩舎のマイナス条件>
・8番人気以下【0-1-5-94】
勝率0%/連対率1.0%/複勝率6.0%/単回収率0%/複回収率36%
・西日本開催×芝レース【1-3-4-40】
勝率2.1%/連対率8.3%/複勝率16.7%/単回収率3%/複回収率51%
・5歳以上×1~3勝クラス【0-3-5-46】
勝率0%/連対率5.6%/複勝率14.8%/単回収率0%/複回収率30%
※集計期間:2022年12月4日~2025年11月29日
つづいて、田中博康厩舎の「マイナス条件」を取り上げる。
■8番人気以下
出走馬の当日人気を見ると、2番人気以内の馬は【96-56-31-107】と半数超が連対しているように、人気馬を抜かりなく仕上げることに定評がある。
しかし、その一方で8番人気以下の馬ではわずか6%しか馬券に絡んでいない。特に東京・中山・阪神・京都では【0-0-2-51】と連対例がなく、中央開催では買ってもヒモまでにとどめたい。
■西日本の芝レース
東日本開催(福島・新潟・東京・中山)の複勝率41.8%に対し、西日本開催(中京・京都・阪神・小倉)では同27.8%と遠征競馬ではやや見劣りする傾向にある。
特に西日本での芝レースに限れば【1-3-4-40】と大苦戦。こちらは3番人気以内でも【1-3-0-8】と人気を裏切るケースが目立ち、該当馬は疑ってかかるのも手だ。
■5歳以上×1~3勝クラス戦
5歳以降でGⅠ・JpnⅠを6勝したレモンポップをはじめ、脂の乗った馬を多くGⅠ戦線に送り出している厩舎ではあるものの、5歳以上の馬で1~3勝クラス戦に挑んだ際は【0-3-5-46】と勝ち星を挙げることができていない。
特にマイル以上の距離では芝・ダート問わず【0-1-1-28】複勝率6.7%と苦戦が目立ち、割り引く必要がある。

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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