【神戸新聞杯】GⅠ・2着馬ジョバンニ、2戦2勝ライトトラックは消し ハイブリッド式消去法

久保田大五郎

過去10年の神戸新聞杯『非社台系生産馬』×『前走4番人気以下』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週のローズSはカムニャックとテレサ、コンドゥイアの3頭が消去を免れた。カムニャックからの馬連2点で勝負し、結果35.0倍が的中。なかなかのクリティカルヒットとなった。

勢いに乗っていきたい今週は、菊花賞トライアル・神戸新聞杯を予想する。いつも通り過去10年のデータ(※中京代替含む)を用いて、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。当てはまった馬を消していく。登録のあった全12頭を対象とする。

『前走が日本ダービー以外』×『前走上がり4位以下』★0.0%★

まず穴党の方には大変残念なお知らせ(?)だが、神戸新聞杯では日本ダービーから直行してくる馬が非常に強い。過去10年で【9-6-4-29】複勝率39.6%。さらに5番人気以内だと【9-6-4-12】同61.3%で、単複回収率も100%を超える。前提として「ダービー組の人気馬」を買うべきレースだ。

反対に、前走がダービーでなかった馬は【1-4-6-75】複勝率12.8%と低調。なかでも「前走上がり4位以下」なら【0-0-0-28】で全滅だった。別路線で上位の末脚が使えていなかった馬はノーチャンスだ。

該当馬は下記の3頭。重賞3着のデルアヴァーは少し気になるが、ホープフルSと若葉Sでジョバンニに、京都新聞杯ではショウヘイに敗れており、勝負付けはある程度済んでいる。

【今年の該当馬】
・サンライズバブル
・デルアヴァー
・マイユニバース

『前走1勝クラス以下』×『騎手乗り替わり』★0.0%★

今度は「非・ダービー組」の広いくくりから、もう少しピンポイントに絞っていく。前走が1勝クラス以下だった馬は【0-0-2-25】複勝率7.4%。ちなみに2勝クラス組なら【0-4-1-27】同15.6%とそれなりに出番もあるのだが、1勝クラスを走っていきなり重賞挑戦というのは敷居が高い。

また、1勝クラスから馬券に絡んだ2頭はいずれも継続騎乗(それも3戦以上連続騎乗)であった。乗り替わりで臨むケースは【0-0-0-13】と馬券に絡めていない。

現時点での騎手想定によると、既に消去済みのサンライズバブルに加えて4頭が消去となる。ポンドロアとレイデラティエラは騎手不明だが、それぞれ前走で騎乗した横山典弘、坂井瑠星騎手が別の馬(マイユニバース、ショウヘイ)に騎乗予定のため、乗り替わりは確定している。

【今年の該当馬】
・(サンライズバブル)
・ジョイボーイ
・パッションリッチ
・ポンドロア
・レイデラティエラ

『非社台系生産馬』×『前走4番人気以下』★2.9%★

登録馬が12頭と少ないこともあり、早くも残り5頭まで絞り込めた。次は「生産者」データを用いてふるいにかけていく。

想像通りというべきか、このレースでは「社台ノーザン系」(社台F、ノーザンF、追分F、社台コーポレーション白老Fとする)の生産馬が活躍している。その成績は【8-6-7-44】複勝率32.3%で、「非社台系」の【2-4-3-60】同13.0%を大きく引き離している。芝中長距離の世代限定重賞となると、やはりノーザンFなどの強さが際立つ。

その「非社台系」生産馬のうち、「前走4番人気以下」だった馬は【0-1-0-33】同2.9%と大不振。これを3つ目の消去データとして採用する。

新たに消えたのはダービーで7番人気8着だったジョバンニ。中山や阪神内回りなど器用さを問われるコースが合うタイプで、ダービーの負け方を見ても、直線が長いコースで純粋な脚力比べになると一枚見劣る。阪神外回り2400mの神戸新聞杯は強みが生きる舞台と言い難い。

【今年の該当馬】
・ジョバンニ
・(デルアヴァー)
・(レイデラティエラ)

『前走1着』×『キャリア4戦以下』★0.0%★

続いては前走の着順とキャリアを掛け合わせる。まず「前走1着」だった馬は【4-3-3-33】複勝率23.3%。この数字自体はレースに出走した全馬の複勝率(22.4%)と大差なく、特に良くも悪くもない。

ただし、前走を勝った馬のうち、キャリアが「4戦以下」と浅い馬は【0-0-0-10】だ。該当馬には1番人気が2頭、2番人気が2頭、4~6番人気も1頭ずつ含まれていたが、それでも馬券絡みがなかった。少ないキャリアで駆け上がってきた馬は人気になりやすいが、その人気に応えられていない。

デビュー戦と白百合Sを連勝中のライトトラックが新たに消える。白百合Sは1000m通過が57.9秒の超ハイペース。馬場的にも外が伸びていた。差し有利な状況に乗じての勝利だったことは否めない。同様に差す競馬でタイム差なし3着だったバズアップビートは次走でラジオNIKKEI賞10着、4着ニュークレドも1勝クラスで5着に敗れた。差しての好走にどれだけ価値があったか、少々疑問が残る。

【今年の該当馬】
・(ジョイボーイ)
・ライトトラック

『JRA重賞未出走』×『当日4番人気以下』(阪神開催時6回)★0.0%★

4つの項目を終えた時点で残るは3頭。最後は中京代替の4回を除き、阪神芝2400mでの施行時に特化したデータをチェックする。

注目したのは重賞への出走歴。阪神開催の6回で「JRA重賞未出走」の馬は24頭参戦して【1-0-0-23】複勝率4.2%だった。なお、唯一の好走にあたる15年3番人気1着リアファルも春まではダートを使っていて、交流重賞・兵庫CSで2着の実績がある。つまり、厳密な意味で「重賞を走るのが初めて」という馬は1頭も3着以内に入っていない。

別の言い方をすると「JRA重賞未出走」かつ「当日4番人気以下」なら【0-0-0-22】。このデータで最後の仕上げとする。

残る3頭のうち、重賞に出たことがないのはアルマデオロ。キタサンブラックの半弟という点でも注目を集めるが、一気の相手強化となる今回は試練の一戦だ。3番人気以内になれば消去を免れるが、ショウヘイ、エリキング、ジョバンニらに人気で割って入るとは考えにくく……。回避馬でも出ない限り消去濃厚だ。

【今年の該当候補】
・アルマデオロ

5つの消去データを終えて残ったのはショウヘイとエリキング。一応アルマデオロも残る可能性はあるが、おそらくは2頭での勝負になるだろう。

オークス馬を素直に買って成功した先週に味をしめ……たわけではないが、ここもデータの答えは「ダービーの上位馬に逆らうな」だ。2頭なら勝負馬券は馬連ワイドの各1点。もしアルマデオロが残ったら3頭の馬連ボックスにしよう。

《ライタープロフィール》
久保田大五郎
競馬歴14年目のアラサーおじさん。データを駆使した予想でロマン馬券を狙う。趣味は料理とプロ野球観戦。横浜DeNAベイスターズの大ファンで、好きな選手は宮﨑敏郎。

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