【注目2歳馬】キタサンブラック産駒ゴーラッキーが逃げ切り 淀みないラップを刻んでラスト11.0-11.2の好内容
三木俊幸

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
母はアイルランド1000ギニー勝ち馬
週末に撮影したレースから印象に残った馬を紹介する「注目2歳馬」。ジャパンCが行われた11月最終週の東京競馬場は多くの海外メディアが集まり、国際色豊かな2日間となった。今回は30日の東京6Rに組まれた芝1800m新馬戦を勝利したゴーラッキーを取り上げる。
父キタサンブラック、母は現役時代にGⅠのアイルランド1000ギニーを勝利するなど重賞3勝と活躍したジェットセッティングという血統。半兄には3歳時にシンザン記念で2着となり、その後オープンクラスでも堅実な成績を残したペースセッティングがいる。
1000m通過1:01.1
このレースには同じくキタサンブラック産駒のバステール、2021年にブリーダーズカップフィリー&メアターフを制したラヴズオンリーユーの初仔ラヴズプレミアムなどもいたなかで2番人気の支持を集めての出走。当日の馬体重は484kgだった。
好スタートを決めるもホウオウロレンシアがすぐ交わしていき、最初の200mは2頭が並走しながらの先行争いとなる。しかし向正面に入って400mを通過するところでハナを奪い切り、200mから400mまでの区間は11.1とラップが上がったものの、そこからは12.3-12.4-12.4-12.3と淀みなくマイペースを刻む。
直線に向いて馬群が広がっての攻防となった残り400mで追い出され、残り300mでは外からバステール、間から3番人気だったポエティックフレア産駒のサンヴィクトワールが並びかけようとしたところで、C.ルメール騎手の右ムチにしっかりと反応して差を詰めさせず。最後は後続の脚色も同じとなり、そのまま1馬身差で逃げ切った。
勝ちタイムは1:47.0。同日12Rに行われたジャパンCでは2:20.3のレコード決着となるなど、9週間の開催最終週を迎えても高速馬場が続き、午前中のレースでは特に内を通った先行馬が止まらないというケースも多く見られていた。
そうしたことを考慮しておく必要はあるが、1000m通過1:01.1と中盤に緩むこともなく、新馬戦としては比較的速いペースを刻みながらラストも11.0-11.2でまとめたという点において、レースセンスとともに能力は感じる。この先、どのような成長曲線を描いてくれるのか楽しみだ。

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
《ライタープロフィール》
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。
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