【注目2歳馬】キズナ産駒オルフセンが快勝 上がり33.6の瞬発力と馬群を割って突き抜ける好内容

三木俊幸

11月15、16日の注目2歳馬,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

半姉はJBCレディスクラシックを制したテオレーマ

週末に撮影したレースから印象に残った馬を紹介する「注目2歳馬」。土曜日が東京競馬場、日曜日は京都競馬場で撮影した11月3週目の開催からは、15日の東京4R・芝2000mの未勝利戦を制したオルフセンを取り上げる。

父キズナ、母スターズアラインド。半姉には2021年のJBCレディスクラシックを勝利したテオレーマがいる血統で、2024年の北海道セレクションセールにて1億1000万円で坂口直大氏が落札した。

デビュー戦は10月25日、今回と同条件の芝2000m戦。道中は後方2番手を追走し、ゴール前は上がり最速の末脚で伸びてきたものの、ウップヘリーアがラスト11.3-11.1の加速ラップで逃げ切り。そこから0.1秒差の3着という結果だった。展開や、2着馬も友道康夫厩舎の素質馬ブラックオリンピアということからも及第点の内容だった。


先行勢が粘る展開

2戦目はデビュー戦から2kg絞って馬体重484kgでの出走。短期免許で来日中のT.マーカンド騎手が騎乗して1番人気の支持を集めた。

レースはハナを奪ったヨカオウの半馬身外にナンヨーロイヤルがつける隊列で1000m通過は1:01.9(13.0-11.9-12.1-12.4-12.5)、極端に中盤緩むこともなく淡々と流れた。

伸び上がるようにスタートして、道中7〜8番手のインを追走する形となったオルフセンは馬群が密集するなかでもじっと我慢。直線に向いた直後は前に進路がなく、外にも持ち出せない状況だったが、残り400mを切ったところでわずかに開いたスペースをマーカンド騎手は見逃さなかった。

狭いところを突いて進路が開くと、しぶとさを見せていたヨカオウと3番手グループのインからロスなく運んだクールフィデルを残り100mで外から一気に交わして1馬身半差をつけて快勝。勝ちタイムは2:00.8で決着した。

今年の秋の東京開催は高速決着が多く、2:00.8以下の新馬・未勝利勝ちが他に4頭出ており、ずば抜けて速いものではないがまずまずの好時計。また先行勢が粘る展開でレース上がり34.1、ラスト11.6-11.3-11.2という加速ラップでの決着のところ、オルフセン自身33.6でまとめた瞬発力は評価できる。

加えて馬群の狭いところを割って突き抜けた経験も、今後レベルが上がっても武器となっていくだろう。来春のクラシックに向けた重賞戦線でも勝負になる能力は秘めていそうだ。


11月15、16日の注目2歳馬,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


《ライタープロフィール》
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。

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