戸崎圭太騎手に複勝率70%超条件あり、芝はブラックタイド産駒に妙味 現役最高の福島巧者を種牡馬、騎手ごとに徹底検証
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秋の福島開催がスタート
今週から秋の福島開催がスタート。今年は11月8日から24日の6日間となり、目玉である福島記念(GⅢ)は22日に開催。今年から土曜に変更となっている。
福島コースといえば、何よりもコンパクトさが特徴。芝の1周距離1600mとダートの1444.6mはJRA全10場のうち最短だ。独特な起伏も含めてトリッキーなコースとしてお馴染みで、2019年に福島記念を制し、2020年・2021年と七夕賞を連覇したクレッシェンドラヴを筆頭に、「福島巧者」は数多く存在する。
そこで今回は、種牡馬や騎手の福島適性をデータで徹底検証。ここでは福島での勝率から全場での勝率を引いたものを「福島巧者率」と定義し、この数値に基づいて現役最高の福島後者を探し出す。なお、参照するデータは2022年11月5日から2025年11月2日までの直近3年分とする。
ブラックタイド産駒が中長距離で躍動

まずは種牡馬別の福島巧者を分析する。今回は期間内の福島競馬場・芝コースの勝ち数がトップ30以内の種牡馬たちを調査対象とした。
■スクリーンヒーロー
・巧者率:15.9%-7.7%=8.2%
とくに中距離での活躍が顕著で、1800m【3-6-0-17】勝率11.5%、単回収率136%や2000m【7-0-1-17】勝率28.0%、単回収率114%はベタ買いでプラスの好条件となっている。
また、距離延長ローテだと【4-4-1-11】複勝率45.0%、複回収率216%と驚異的な成績。該当馬がいたら積極的に狙いたい。
■ブラックタイド
・巧者率:12.3%-6.4%=5.9%
福島では芝全体で単回収率135%、複回収率148%と見かけたら即買いレベルの好成績となっている。
距離は長ければ長いほど良く、距離別成績は下記の通り。
・1800m
【3-2-1-10】勝率18.8%、複勝率37.5% 単回収率255%、複回収率205%
・2000m
【1-3-3-10】勝率5.9%、複勝率41.2% 単回収率35%、複回収率118%
・2600m
【2-2-0-3】勝率28.6%、複勝率57.1% 単回収率394%、複回収率230%
■マクフィ
・巧者率:10.9%-5.6%=5.3%
こちらは実績が1200mに集中しており、【3-1-3-23】で単回収率302%を叩き出している。
特徴として内枠を得意とする産駒が多く、1〜4枠では距離に関わらず【4-3-2-13】単回収率442%、複回収率140%とプラス域で該当馬がいた場合は要注目だ。
「1枠の戸崎騎手」は複勝率72.7%

続いて騎手別の「福島巧者」を調査していく。
■戸崎圭太騎手
・巧者率:22.5%-16.1%=6.4%
内枠からロスなく立ち回る騎乗を得意としており、1枠では【5-2-1-3】勝率45.5%、複勝率72.7%と驚異的な数字をマーク。単回収率195%で複回収率119%と妙味の面でも素晴らしい。
コース別では1200mが狙い目。【11-11-5-16】複勝率62.8%、複回収率103%とプラス域をマークしている。
その他、距離短縮ローテの馬とも相性が良く、【5-4-3-7】単回収率111%、複回収率131%となっている。
■高杉吏麒騎手
・巧者率:15.0%-7.9%=7.1%
こちらは外枠を得意としており、7枠以降では【2-1-1-5】複勝率44.4%、複回収率136%となっている。
コースでは1200mと2000mが狙い目。1200mは【5-3-0-11】で勝率26.3%、単回収率113%と単系馬券で妙味あり。2000mでは【1-1-2-5】複勝率44.4%、複回収率143%で複系馬券で狙うのがおすすめだ。
■三浦皇成騎手
・巧者率:13.4%-7.0%=6.4%
こちらは内枠が得意。1〜4枠は【7-7-4-26】勝率15.9%、単回収率119%となっている。
コース別では1800m、1200m、2000mで単回収率100%超とオールマイティに活躍。また、距離短縮ローテの馬は【3-4-3-13】複勝率43.5%、複回収率110%とベタ買いでプラスだ。
外枠のエスケンデレヤ、内枠のラブリーデイ

ここからはダート編。まずは種牡馬別の成績から。
■エスケンデレヤ
・巧者率:25.0%-5.6%=19.4%
狙い目は外枠に入った時。1〜4枠では【0-2-1-4】複回収率72%に対し、5〜8枠では【4-2-0-3】単回収率442%、複回収率180%と驚異的な値を記録している。
また、好走のほとんどが1700m【4-4-1-6】に集中している点もポイント。該当馬は必ずヒモに入れておきたい。
■モーニン
・巧者率:17.9%-7.8%=10.1%
特徴は短距離で素晴らしい成績を残していること。1150mは【5-1-1-10】勝率29.4%、単回収率175%とベタ買いでプラスだ。
短距離を主戦場としていることもあり、活躍する産駒は前目で立ち回れるスピードを備えていることが多い。前走4角5番手以内だった馬は【4-0-0-3】単回収率297%となっている。
■ラブリーデイ
・巧者率:14.8%-4.4%=10.4%
福島ダートは全体で単回収率182%を記録している。ラブリーデイといえば2015年天皇賞(秋)勝ちなど芝の活躍馬で、そのイメージとのギャップが妙味を生んでいるようだ。
なかでも内枠が好成績で、1〜4枠では【3-1-0-6】勝率30.0%、複勝率40.0%で単回収率212%、複回収率101%とプラスを叩き出している。
菱田騎手は巧者率15%超

最後は騎手の福島ダート巧者を取り上げる。
■菱田裕二騎手
・巧者率:22.5%-7.2%=15.3%
全体でも勝率22.5%で単回収率195%の好成績。巧者率は15.3%と見逃せない。
1〜2枠では【1-0-0-9】複勝率10.0%、複回収率15%と苦戦が目立つが、3枠より外なら【8-4-1-17】複勝率43.3%、複回収率109%とベタ買いでプラス。単回収率も249%と素晴らしく、中~外枠で積極的に狙っていきたい。
■泉谷楓真騎手
・巧者率:13.2%-3.0%=10.2%
こちらも狙い目は外枠。1〜4枠では【0-1-2-16】複勝率15.8%に対し、5〜8枠では【5-3-1-10】複勝率47.4%で複回収率116%と安定感も抜群だ。
勝率も26.3%、単回収率332%と非常に優秀。外枠に入った際は必ず狙いたい。
■西塚洸二騎手
・巧者率:14.9%-6.7%=8.2%
上記2名とは対照的に、内枠が狙い目。1〜2枠が【3-1-0-5】勝率33.3%、複勝率44.4%で単回収率225%、複回収率124%の好成績となっている。
なかでも前から押し切る競馬が得意で、先行馬に騎乗した際は信頼度が高い。前走4角2番手以内の馬では【3-2-2-8】複勝率46.7%、複回収率111%と見逃せない。

《ライタープロフィール》
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約30年にわたる伝統をも大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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