【注目2歳馬】直線で包まれるも“ラスト11.2-11.2”を最内強襲で差し切り勝ち コントレイル産駒ゴーイントゥスカイ

三木俊幸

10月4、5日の注目2歳馬ゴーイントゥスカイ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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新馬戦4勝目と好調の上原佑紀厩舎

週末に撮影したレースから印象に残った馬を紹介する「注目2歳馬」。秋の東京開催が開幕した10月1週目からは、5日の東京5R・芝2000m新馬戦を荻野極騎手騎乗で勝利したゴーイントゥスカイを取り上げる。

父はコントレイル、母は現役時代アメリカで3勝をあげた実績があるゴーイントゥザウィンドウという血統。千代田牧場の生産で、JRAで2勝をあげたプレッジなど競走馬登録された半姉4頭はいずれも同牧場の飯田正剛氏、貴大氏の所有だったが、同馬は2023年のセレクトセールに上場され、3300万円で落札された。

管理する上原佑紀厩舎は今年の2歳新馬戦で4勝目と好調。「注目2歳馬」では好内容を示したフォルテアンジェロ、ライヒスアドラーを紹介しているが、この世代はこれまで以上に素質馬が揃っている印象だ。


残り300mでようやく進路が開ける

2番人気に推され、レース当日の馬体重488kgで出走したゴーイントゥスカイは、6番ゲートからすんなりと先行する構えをみせて3番手のインを追走する。レースの入りこそ13.4と遅かったが、その後は12.3-11.9-11.9-12.4というラップを刻んで主導権を握ったヴェリタスポルタが1:01.9で前半1000mを通過。その後も12.2-12.2-12.1とほぼ変わらないペースで淡々と流れて手応えよく直線へと向いた。

しかし、前を走っていたヴェリタスポルタとマイネルアイフェルが一杯となって後退気味のところに外から後続の各馬も追い上げてきたため、包まれて進路が塞がりブレーキをかけざるを得ない展開になる。

なんとか進路が開けたのは残り300m地点だったが、そこから最内に進路をとってからは荻野極騎手の檄にこたえて猛追。スムーズに先頭に立ってそのまま押し切り濃厚に思われたミスターライトをゴール前で捉え切ってクビ差先着するという内容だった。

レースラップもラスト11.2-11.2と失速しているわけではない。残り200mの標識を通過したところでミスターライトとは2馬身以上の差があったところから捉え切った瞬発力は素晴らしく、能力が高くなければできない芸当。今後、大舞台での活躍を予感させる。

また前日の2R・2歳未勝利戦でミッキーマーメイドが2:00.3で勝利するなど開幕週で超高速馬場であったこと、前半から淀みなくペースが流れたこともあるが、勝ちタイム2:00.8は東京芝2000m新馬戦としては非常に優秀なタイムだった。


10月4、5日の注目2歳馬ゴーイントゥスカイ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


《ライタープロフィール》
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。

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