【注目2歳馬】フィエールマン産駒フォルテアンジェロが新馬V 瞬発力とレースセンスの高さ示す

三木俊幸

9月6、7日の注目2歳馬,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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叔母は英仏の短距離GⅠを2勝

週末に撮影したレースから印象に残った馬を紹介する「注目2歳馬」。9月1週目は土曜のダート1400m戦でマグナヴィクトルが大差勝ち、日曜も芝1800m戦でキッコベッロが鮮やかな末脚で勝利するなど、阪神競馬場で非凡な素質を披露した馬が多かった。

そのインパクトには及ばないが、今回は中山競馬場でデビューした馬たちから、7日の5Rに組まれた芝1800m新馬戦を制したフォルテアンジェロを取り上げる。

父フィエールマン、母はレディアンジェラ。叔母にはイギリスのナンソープステークス、フランスのアベイドロンシャン賞と欧州の短距離GⅠを2勝しているMarshaがいる血統だ。

美浦・上原佑紀厩舎の所属で、デビュー戦の馬体重は442kg。1週前追い切りでは好タイムを記録するなど、仕上がりの良さに加えてパドックでも落ち着いた周回が目につき、単勝1.8倍の支持を集めた。

9月6、7日の注目2歳馬,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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ラストは11.3-11.0の加速ラップ

レースはダイシンレスターがすんなりとハナを奪い、2番手にマイネルゼーロスとすんなり隊列が決まった。

まずまずのスタートを切ったフォルテアンジェロは、1馬身間隔の隊列4列目となる5番手のインコースを追走。大きく緩急がつくこともなく12.5-11.7-12.9-12.4-12.3というラップが刻まれ、1000m通過は1:01.8。その後も12.6-12.2と4角までペースが変わらないなかでじっと脚を溜めていた。

直線に向いて各馬一気にギアチェンジする形となったが、そのままロスなくインにこだわった鞍上の戸崎圭太騎手。残り200mを切ってから、ようやく最内ダイシンレスターとそのすぐ外ホールオブミラーズの間に1頭分のスペースが開くと、一気にそこから突き抜ける。外から2番人気ソラネルマン、さらにコッツォリーノも伸びて3頭による混戦となったが、クビ差先着を果たした。

土曜日の京成杯オータムハンデキャップ(GⅢ・芝1600m)が1:31.3、同日のセプテンバーS(3勝クラス・芝1200m)でも1:07.0が記録されるなど、秋の中山開催開幕週は今年も高速馬場だったが、フォルテアンジェロの勝ちタイムは1:48.9。同開催の新馬戦としては最も速い決着だった。

また、ラストは11.3-11.0の加速ラップが記録されている。これについても、ゴール前が追い風でタイムが出やすい傾向にあったことは考慮しなければならないが、直線で一気にペースアップしたところで馬群の狭いところを割って突き抜けてきた瞬発力とレースセンスの高さは評価できる。これらを武器に、今後強い相手とどこまで戦っていけるのか注目したい。

《ライタープロフィール》
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。

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