【注目2歳馬】シルバーステート産駒コッツォリーノが2馬身半差で初勝利 逃げて上がり最速タイの瞬発力で突き放す

三木俊幸

9月27、28日の注目2歳馬,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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新馬戦は上がり最速の末脚で伸びるも3着

週末に撮影したレースから印象に残った馬を紹介する「注目2歳馬」。今回は秋の中山開催最終週を迎えたスプリンターズステークス当日、28日の3Rに組まれた芝2000mの2歳未勝利戦を横山典弘騎手騎乗で勝利したコッツォリーノを紹介する。

父シルバーステート、母は現役時代に短距離戦を中心にJRAで4勝をあげたシンジュボシという血統。9月7日に中山芝1800mの新馬戦で3着に入り、2戦目の今回で勝ち上がりを決めた。

デビュー戦は本コラムでも取り上げたフォルテアンジェロが勝利した一戦で、コッツォリーノは道中7番手を追走。メンバー中最速となる上がり33.7の末脚で直線外から伸びるも0.1秒差の3着という結果だった。


勝ちタイムは2:00.7

新馬戦との比較でマイナス2kgの馬体重450kgでの出走となったレースは、12番ゲートからスタートを決め、初戦とは違いすんなりとハナを奪う。12.6-11.3-13.1-12.6-12.5と初角から向正面にかけて落ち着いたペースに持ち込み、前半1000mを1:02.1で通過した。

残り600mを切ったところで、3番手を追走していた人気の一角エーデルゼーレが進出を開始。2番手を追走していたステラスペースの手応えが悪くなり、最後の直線はエーデルゼーレとの追い比べとなった。

残り200mを切ったところでも差は縮まりそうで縮まらず。坂を駆け上がっていくところでは差が広がっていき、最終的には2馬身半差。新馬戦とは位置取りが全く違うレースながらラストは11.0-11.1を記録し、危なげない完勝だったと言える。

勝ちタイムは2:00.7。開催最終週を迎えても先行有利の高速馬場で、ゴール前も追い風と好タイムが出る条件は揃っており、この数字を鵜呑みにしすぎてはいけないが、前日に行われた芙蓉ステークス(2歳オープン)の勝ちタイムが2:00.3だったことと比較しても遜色なし。瞬発力を武器に上のクラスでも十分戦っていけそうだ。


9月27、28日の注目2歳馬,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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ウイナーズナインがデビュー2連勝

先に触れた芙蓉Sは、横山武史騎手騎乗で4番人気だったウイナーズナインが勝利した。

主導権を握ったマイネルマスターが12.7-11.1-12.4-12.4-12.2と淀みないラップを刻んで前半1000mの通過は1:00.8、後半の1000mも12.1-12.0-11.9-11.6-11.9(59.5)とレース全体を通じてスピードの持続力が求められる展開に。ゴール前は2番手追走からアメテュストスが内から抜け出したところ、5番手から運んだザーフィルが間を割って伸び、さらに外から道中6番手を追走していたウイナーズナインが豪快に差し切るという内容だった。

デビュー戦の小倉芝2000m新馬戦は1000m通過1:05.0という超スローペース。ラスト11.6-11.2というラップが記録されるなかで、押し切り濃厚かと思われたエチゴドラゴンを2番手から捉え切った内容とは対照的に今回はタフな流れ。そうした点にも対応して差し切った内容は高く評価したい。


ウイナーズナイン,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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《ライタープロフィール》
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。

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