【注目2歳馬】レイデオロ産駒の牝馬フロレセールが3馬身差完勝 おばにスプリンターズS勝ちスリープレスナイト
三木俊幸

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
父レイデオロは現2歳世代5頭目の勝ち上がり
週末に撮影したレースから印象に残った馬を紹介する「注目2歳馬」。9月3週目の中山開催から強烈なインパクトを残した馬の登場は見られなかったが、今回は21日の中山5Rに組まれた芝2000m新馬戦を勝利したフロレセールを取り上げたい。
管理するのは美浦・辻哲英厩舎で、シルク・ホースクラブにて総額2500万円(一口5万円)で募集。父のレイデオロはこの世代5頭目の勝ち上がりで、そのうちフロレセールも含めて4頭が牝馬という成績を残す。
母系をみると母クレアドールは現役時代、JRAでダート短距離戦を2勝。産駒からは2歳上の半兄アセレラシオンがJRAで2勝というのが最高成績で目立った活躍馬は出ていないが、おばに2008年のスプリンターズステークス(GⅠ)を制したスリープレスナイトがいるという血統だ。
物見をしながらも余力は十分
当初は夏の福島開催でデビュー予定だったが、熱発の影響で延期。立て直されて迎えたデビュー戦は馬体重460kgでの出走となり、パドックでも落ち着いた周回を重ね、最終的に単勝2.0倍の1番人気の支持を集めた。
レースはまずまずのスタートを決めて外から先行争いに加わるも、他に主張する馬はおらず、12.9-11.6というラップでスタンド前を通過したところで押し出されるように逃げる形となる。後続を2馬身離してその後も13.7-13.3-12.7とかなりゆったりとしたペースに持ち込んだこともあり、1000m通過は1:04.2。楽なペースだったことは間違いない。
しかし、後半に入って12.5-12.2-11.7と徐々にペースを上げて最後の直線へ。残り100mでC.ルメール騎手の左ムチが1発入ったものの、11.5-11.1とそのままゴールまで加速しながら後続を突き放す内容。外から伸びて2着に入ったシーギリヤロックには3馬身の差をつけ、勝ちタイムは2:03.2だった。
スローペースだったことに加えて、Cコース替わりで先行馬有利の馬場状態ということからも数字面で強調する材料は少ないが、前半から物見をしてフワフワした走りで余力は十分残っていたと言える。
瞬発力タイプというよりは長く良い脚を使えるタイプという印象で、精神的にもリラックスして走れて折り合いには不安がない。今後距離延長となった際にも難なく対応できるだろう。

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
《ライタープロフィール》
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。
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