【注目2歳馬】Uncle Mo産駒マテンロウダビンチが6馬身差で快勝 ラストは楽々と12.3-12.2でまとめる
三木俊幸

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
キーンランド・セプテンバーセールで100万ドル
週末に撮影したレースから印象に残った馬を紹介する「注目2歳馬」。8月の終わり、そして夏競馬の最終日を迎えた31日の新潟6Rに組まれた、ダート1800m新馬戦は川田将雅騎手騎乗のUncle Mo産駒マテンロウダビンチが後続に6馬身差をつけて勝利した。
母Spring Eclipseからは重賞勝ち馬は出ていないが、近親には2023年のアーカンソーダービーを制したAngel of Empireがいる血統。2024年のキーンランド・セプテンバーセールに中内田充正調教師自らが足を運び、100万ドル(約1億4,700万円)で落札。最終追い切りでも好タイムを記録し、パドックでも馬体重520kgの馬体は目をひいた。
同日2勝クラスに匹敵する好内容
スタートしてすんなりと先手を奪ったのはブルーミーティア。マテンロウダビンチも10番ゲートから好スタートを切って好位の一角につけるも、頭を大きく振る仕草も見せながら1周目のスタンド前を通過する。
前半5Fは12.9-11.7-13.3-14.0-13.6(1:05.5)とかなり落ち着いたペースで流れたが、その後は川田騎手が上手く制御しながら単独2番手を追走していた。
1000mを通過したところで中団にいたラストスマイルが動きを見せたことで1000〜1200mの区間は12.3と一気にペースが上がったが、そのラストスマイルはペースアップに対応できず。勝負所を迎えても前2頭の隊列自体は変わらなかった。
マテンロウダビンチは手応えよく直線に向いてからは、何度かハミをかけるような動きはあったものの、ほぼ馬なりで上がり3位以下を0.9秒上回る37.6の末脚で伸びてきた2着サイモフェーンを全く相手にしない素晴らしいパフォーマンスを見せた。
勝ちタイム1:55.2は良馬場ダートの2歳新馬戦としては好タイムだったのに加え、後半800m49.7、ラスト12.3-12.2と加速しながら速いラップを叩き出した。
同日の10R両津湾特別(3歳以上2勝クラス)を勝利したシュラザックが1000m通過1:02.6、後半800m49.6、ラスト12.1-11.9でまとめているが、2歳夏の時点で楽々とそれに匹敵するこの数字を残した点からも、将来的にGⅠ級のレースでも活躍が期待できる相当なポテンシャルを秘めていることは間違いない。
その一方で、1周目スタンド前での頭を振る仕草や、入線後も川田騎手が止めに入っても減速できずに向正面まで行ってしまうなど、気性面での難しさも抱えている。今後はそうした課題をどうクリアしていくのかがカギとなってきそうだ。

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。
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