「小回り」「ダートの内枠」に単回100%超条件がズラリ 丹内祐次騎手のプラス条件、マイナス条件

東大ホースメンクラブ

丹内祐次騎手の条件別成績,ⒸSPAIA

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年間重賞3勝はキャリアハイ

今週末は阪神芝1800mでローズステークス(GⅡ)が開催される。秋華賞の前哨戦に、今年はオークス馬カムニャックや同3着馬タガノアビーのほか、NHKマイルカップで3着に入ったチェルビアットなど、春の実績馬が集結した。

そんななか、オークス4着の実力馬パラディレーヌに騎乗予定するのが丹内祐次騎手だ。今年は既にキャリアハイを更新する重賞3勝を挙げており、騎手リーディングでも現在7位につけている。今がまさに充実期で、秋競馬でも要注目だ。

そこで今回は丹内祐次騎手の「プラス条件」「マイナス条件」を徹底分析。なお、参照するデータは2022年9月10日〜2025年9月7日の直近3年分とする。

ダートの内枠は要チェック

丹内祐次騎手の「プラス条件」,ⒸSPAIA


<丹内祐次騎手の「プラス条件」>
・芝2000m【37-35-32-231】
勝率11.0%/連対率21.5%/複勝率31.0%/単回収率105%/複回収率82%

・ダート×1枠【16-11-10-65】
勝率15.7%/連対率26.5%/複勝率36.3%/単回収率191%/複回収率99%

・福島ダート【12-9-7-78】
勝率11.3%/連対率19.8%/複勝率26.4%/単回収率127%/複回収率71%

・中山ダート【25-37-19-303】
勝率6.5%/連対率16.1%/複勝率21.1%/単回収率126%/複回収率75%

この章では、丹内祐次騎手の「プラス条件」を取り上げる。

■芝2000m
場所を問わず、全体の単回収率が105%とベタ買いでOKの条件。特に優秀なのが下記の3場だ。

・札幌芝2000m【6-9-6-33】
単回収率297%、複回収率133%

・新潟芝2000m【7-4-4-15】
単回収率100%、複回収率95%

・小倉芝2000m【12-8-6-38】
単回収率124%、複回収率102%

共通点は「ローカル」で、小倉芝2000mではフェアエールングとのコンビで小倉牝馬ステークスを制している(※1着同着)。

■ダート×1枠
一般的にダートでは、揉まれやすく砂も被りやすい内枠が不利とされる。しかし、丹内騎手にはこの常識が通用しない。

他の枠では勝率が1桁台に留まっているのに対し、1枠の数値が抜きんでて良く、勝率は15.7%を誇る。単回収率191%、複回収率も99%と妙味の面でも文句なしだ。

■福島ダート
福島のダートは丹内騎手の庭といっても過言ではない。全体勝率は場別No.1の11.3%で、単回収率も127%と優秀だ。

レース数の少ない2400mこそ【0-0-0-4】と一度も馬券に絡めていないが、1700mでは【6-5-5-44】単回収率148%をマーク。1150mも【6-4-2-30】単回収率110%で、ともにプラス域となっている。

また、福島のダートで内枠に入ると無双状態。1〜2枠では【6-3-0-11】単回収率567%、複回収率180%と驚異的な成績を残しているから見逃せない。

■中山ダート
騎乗数の多い中山のダートでも単回収率126%と素晴らしい成績。なかでも1200m、1800mでの活躍が目立つ。

中山ダート1800mは【14-17-11-165】単回収率114%で、1200mも【11-19-7-121】単回収率157%とベタ買いするだけでプラスだ。

ここも極端な枠を得意としており、1枠【3-3-2-21】単回収率395%のほか、8枠も【6-8-2-28】単回収率354%と最内枠・大外枠の両方で結果を残している。

芝の新馬戦で大苦戦

丹内祐次騎手の「マイナス条件」,ⒸSPAIA


<丹内祐次騎手の「マイナス条件」>
・芝×新馬戦【2-6-10-103】
勝率1.7%/連対率6.6%/複勝率14.9%/単回収率3%/複回収率47%

・芝×1〜3枠【34-45-63-339】
勝率7.1%/連対率16.4%/複勝率29.5%/単回収率39%/複回収率68%

・東京ダート【1-1-3-75】
勝率1.3%/連対率2.5%/複勝率6.3%/単回収率31%/複回収率29%

この章では、丹内祐次騎手の「マイナス条件」を取り上げる。

■芝×新馬戦
騎乗数も少なめだが、なんと勝率1.7%で単回収率はわずか3%と大きく割り引く必要がある。

しかし、2歳未勝利では【17-11-15-103】勝率11.6%で単回収率86%とまずまずの成績。新馬戦では見送り、次走の未勝利戦で買うのがオススメだ。

■芝×1〜3枠
内枠で好成績を残していたダートとは対照的に、芝では内枠で苦戦。単回収率は39%に留まっている。

差し・追込馬で内枠に入った際はさらに割引が必要で、前走4角7番手以下の馬では【7-16-25-129】勝率4.0%、単回収率28%とさらに成績が悪化する。

■東京ダート
福島や中山といった小回りのダートコースでは好成績を残していたが、大箱コースである東京ダートの成績はやや低調。騎乗数も少なめだが、勝率1.3%で単回収率も31%となっている。

馬券内のほとんどは1400m【1-1-2-27】に偏っており、1600mでは【0-0-1-35】複勝率2.8%と苦戦。なお、1300m【0-0-0-5】と2100m【0-0-0-8】では一度も馬券に絡むことができていない。

丹内祐次騎手の条件別成績,ⒸSPAIA


《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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