【ローズS】NHKマイルC3着馬チェルビアットは消し ハイブリッド式消去法
久保田大五郎

ⒸSPAIA
5つのデータから絞れた馬は?
今週の中央競馬は3日間開催。セントライト記念も見逃せない一戦だが、今回は日曜阪神メイン・ローズステークスを予想する。
いつも通り過去10年データ(※中京代替含む)を用いて、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。当てはまった馬を消していく。
今年はフルゲート18頭に対し21頭が登録。収得賞金400万円の馬で4分の1抽選(*)が予定されている。その4頭を含む全21頭を対象とする。
『同年オークス6着以下』×『同初角5番手以下』★0.0%★
まずは春のクラシックを経験した組。具体的には「オークス出走馬」に関するデータから。ローズSまでに別のレースを挟んだケースも含め「同年オークス5着以内馬」は【4-1-3-4】複勝率66.7%と高確率で馬券に絡んでくる。
一方、「同6着以下馬」は【2-1-0-36】同7.7%と振るわない。オークスで大敗した馬は見限ってもおおむね問題ない。特に、オークスで初角5番手以下だった「先行せずに大敗」という馬に限ると【0-0-0-27】に終わっている。
オークス自体がほぼ毎年差し優勢になるレースで、そこで先行していた馬はまだ見直す余地もあるが、それ以外の戦法で6着以下に沈んだ馬の反撃はない。
今年は以下の4頭が該当する。8番手追走から6着と善戦したウィルサヴァイブが少し気になる程度で、ほか3頭は後方待機策からの2桁着順。心置きなく消去していいだろう。
【今年の該当馬】
・アイサンサン
・ウィルサヴァイブ
・タイセイプランセス*
・ビップデイジー
『前走が桜花賞orオークス以外』×『前走5番人気以下』★4.0%★
今度は逆に、桜花賞とオークス以外から参戦する馬について調べる。こちらは「前走人気」にハッキリした傾向が表れている。
前走4番人気以内だった馬は【4-7-6-67】複勝率20.2%とまずまず走っているのに対し、同5番人気以下だと【0-1-0-24】同4.0%とさっぱりだ。これを2つ目の消去データとして採用する。
条件戦を勝ってきた上がり馬を念頭に置いたデータだったが、登録のある条件戦組はいずれも前走4番人気以内だった。
結果として「クラシック以外の重賞」を戦ってきた4頭が消去された。チェルビアットはNHKマイルC3着馬だが、折り合いが難しく1800mへの距離延長には疑問符だ。
【今年の該当馬】
・ダンツエラン
・チェルビアット
・ランフォーヴァウ
・ヴーレヴー
『前走1着』×『前走上がり3位以下』★0.0%★
先のデータで条件戦組が絞れなかったため、今度は「前走1着馬」という切り口でチェックしてみる。ローズSにおける「前走1着馬」の成績は【5-5-3-53】複勝率19.7%とまずまず。1勝クラス勝ち直後の馬が8連対するなど、格も問わない傾向にある。
ただし、この好走13頭は全て前走で「上がり2位以内」だった。同3位以下は【0-0-0-20】と、途端に「消し」データへと変貌する。ただ勝ってきただけではダメで、他馬より速い末脚を使えていたかが重要なチェックポイントだ。
ここでは3頭が消去となる。ミッキージュエリーの前走はレコード勝ちだが、上がり34.8秒はメンバー中5位。ルージュソリテールのスイートピーS勝ちは1000m通過60.1秒から上がり3F33.8秒のスローペースを先行して残ったもの。内容的にはさほど強調できない。
【今年の該当馬】
・セナスタイル
・ミッキージュエリー
・ルージュソリテール
『美浦所属馬』×『前走1800m以下』★0.0%★
今度は所属別成績を見る。過去10年のローズSにおいて、美浦所属馬の成績は【0-2-1-15】複勝率16.7%。率がいい悪い以前にそもそも出走が少ない。
前週に中山でトライアルの紫苑Sが行われるため、わざわざ長距離輸送してまで本番への間隔が短いレースを選択するメリットは少ない。うがった見方をすれば、ここに出てくる美浦所属馬は「秋華賞を現実的目標として据えていない」ともとれる。
また、美浦所属馬のうち前走1800m以下のケースは【0-0-0-11】と全滅だった。ちなみに美浦所属馬の好走例はオークス4着馬ウィクトーリア、東京芝2000mの1勝クラスを上がり32.9秒で勝っていたサリエラ、その秋にエリザベス女王杯を勝つブレイディヴェーグ。よほどの能力がなければ上位争いは難しいようだ。
今年登録している美浦所属馬はいずれも抽選対象だが、そのうち2頭が消去となる。母ミッキークイーンの良血馬ミッキーマドンナも春はフラワーCで0.7秒差の5着止まり。休み明けで重賞挑戦となると荷が重い。
【今年の該当馬】
・エリーナストーム*
・ミッキーマドンナ*
『非社台系生産馬』×『1~6枠』(阪神開催時6回)★3.4%★
4つの項目を終えた時点で残るは8頭となった。最後は過去10年のうち、今回と同じ阪神芝1800m開催だった6回に限って傾向をとらえていく。
カギは「生産者」と「枠順」だ。「社台・ノーザンF系」(※社台F、ノーザンF、追分F、社台コーポレーション白老F)の生産馬が【4-4-6-34】複勝率29.2%とさすがの好成績。それに押される形で「非社台系」は【2-2-0-42】同8.7%と苦戦を強いられている。
その「非社台系」生産馬の4連対のうち3頭は7~8枠から出ており、1~6枠を引いた馬は【0-1-0-28】だった。これを最後のデータとする。
残っている8頭のうち、非社台系の生産馬は以下の6頭。橙または桃色の帽子をゲットできなければバッサリ消去だ。
【今年の該当候補】
・コンドゥイア
・ジェルブロア*
・タガノアビー
・パラディレーヌ
・フェアリーライク
・マトラコーニッシュ
5つの消去データを終えて、確実に残るのはカムニャックとテレサの2頭。そこに最後の項目で挙げた6頭のうち、7~8枠の馬を加えた布陣となる。極端な話、6頭がフルゲートの13~18番を独占すれば最大8頭だが、まあ現実的には4~6頭くらいになるだろう。
データの結論は「素直にオークス馬を買え」ということで、ここはカムニャックを信頼しよう。残ったもう1頭テレサも右回りでは3戦3勝。前走で若駒S2着、若葉S3着の強豪3歳牡馬ミッキーゴールドを破っており、こちらも侮れない。馬券はカムニャックから残った馬への馬連流しとする。
《ライタープロフィール》
久保田大五郎
競馬歴14年目のアラサーおじさん。データを駆使した予想でロマン馬券を狙う。趣味は料理とプロ野球観戦。横浜DeNAベイスターズの大ファンで、好きな選手は宮﨑敏郎。
《関連記事》
・【ローズS】過去10年のレースデータ
・【ローズS】「前走オークス5着以内」は複勝率66.7% カムニャック優勢も、パラディレーヌに上昇余地
・トライアルに強い騎手を特集 頭で狙いたい岩田望来騎手、「中山マイスター」津村明秀騎手に注目
