【注目2歳馬】キズナ産駒の牝馬モンローウォークが3馬身差逃げ切り スピードの違いが際立つ好内容

三木俊幸

8月16、17日の注目2歳馬モンローウォーク,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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ほぼ馬なりでラスト11.1-11.2

週末に撮影したレースから印象に残った馬を紹介する「注目2歳馬」。お盆休み終盤となった8月16、17日の新潟開催から16日の4R、芝1600mの新馬戦を戸崎圭太騎手とのコンビで制したモンローウォークを紹介する。

父キズナ、母はオーストラリアのマイルGⅠ・MRC1000ギニーを制しているアンフィトリテ2という血統で、2023年のノーザンファームミックスセールにて6820万円で落札。1歳下でロードカナロア産駒の牡馬も今年のセレクトセールで2億900万円という高値をつけている。

管理するのは木村哲也厩舎。当日の馬体重は430kgと小柄な牝馬ながら、パドックでは2人曳きでイレ込むこともなく落ち着いた周回を重ね、最終的には単勝1.2倍と断然の支持を集めた。

レースは、スタート直後にややバランスを崩したが、最内枠からスピードに乗ってすんなりハナを奪う。長く続いた向正面では12.9-11.4-12.0というペースを刻んで、3角に入ってからは13.0とさらにペースは落ち着き最初の800mを49.3で通過。2番手以下のレモンドルチェ、エクスペクタントも徐々に差を詰めて直線に差しかかったが、モンローウォークの手応えは抜群だった。

内回りコースとの合流地点、残り400mを迎えたところで戸崎騎手は追い出しにかかった他馬の手応えをチラチラと振り返って確認しつつも、まだ手綱は動かず。ようやく残り300mで軽く手が動いたものの、馬に軽く合図を送った程度で、残り150mを切ってからはゴールまで馬なりのまま、外から必死に追ったキリミツを突き放して3馬身差をつける完勝。勝ちタイムは1:35.5と平凡ながら、ここでは力が違った。

こうした強い勝ち方をする馬でもスピード任せでワンペースなタイプも多く、2戦目以降に案外なレースが続くケースは多い。しかし、直線での鞍上の手応えを見ると、追えばさらにワンランク上のギアがあり、切れる脚も使えるタイプなのではないかと感じさせる。

加えてフットワークも良く、ほぼ馬なりながらラスト11.1-11.2を記録した内容からも、まだまだ奥が深そう。デビュー前の追い切りでもまだ動ききれていない印象があるなかでの好内容。気性も問題なさそうなだけに、順調に成長していけばマイルの重賞戦線での活躍が期待できそうだ。

8月16、17日の注目2歳馬モンローウォーク,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


《ライタープロフィール》
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。

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