坂井瑠星騎手が驚異の複勝率69.2%、複回144%マーク 「DMMドリームクラブ」のプラス条件
東大ホースメンクラブ

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夏の小倉のフィナーレを彩る伝統のハンデ重賞
今週末は小倉芝2000mで小倉記念(GⅢ)が開催される。今年は3勝クラスを好タイムで勝利したメリオーレム、新潟大賞典で3着に入ったハピ、“元・3勝クラスの番人”ことシェイクユアハートなど18頭が、夏の小倉開催のフィナーレを飾るハンデ重賞に集結した。
今年の小倉記念で注目を集めそうな一頭が、ディープモンスターだ。3歳時にすみれステークス(L)を2馬身半差で完勝。将来を期待されながら、クラシックでは壁に跳ね返された。古馬になって以降は6歳の小倉記念で3着。これがキャリア初の重賞馬券内で、同年はチャレンジカップでも2着に入り、7歳になった今年も前走・目黒記念で13人気4着と健闘。息の長い活躍を続けており、今回悲願の初重賞制覇を狙う。
そのディープモンスターの馬主がDMMドリームクラブ。今回は「DMMドリームクラブ特集」と題して、クラブの歩みやデータから浮かび上がった「買える条件」について取り上げる。
DMMドリームクラブの歩み

<DMMドリームクラブ 各種記録>
通算GⅠ勝利数 4勝(中央1勝、海外3勝)
初重賞制覇馬 ラヴズオンリーユー(19年優駿牝馬)
初平地GⅠ制覇馬 ラヴズオンリーユー(19年優駿牝馬)
最多勝騎手 C.ルメール(8勝)
最多勝調教師 矢作芳人(16勝)
最多賞金獲得馬 ラヴズオンリーユー(9億1394万円)
※データは通算成績。最多賞金獲得は海外含む
クラブ法人「DMMドリームクラブ」は2016年に設立された。代表的な初期の活躍馬はキタノコマンドール。新馬戦とすみれSを破竹の勢いで連勝し、M.デムーロ騎手とのコンビで皐月賞へ出走。これが同クラブ所有馬の重賞初出走となった。
そこでは3番人気に支持されるも、5着と惜敗。次走の日本ダービーでも3番人気となったが、こちらは12着と大敗した。レース後には右前脚浅屈腱炎を発症していたことが判明。一年以上の休養を余儀なくされてしまう。その後も復帰に向け調整が続けられていたなか、屈腱炎が再発。復帰は叶わず、無念の引退となった。
キタノコマンドールがクラシックに出走したのが2018年。その翌年、クラブ史上最強馬が大活躍を見せる。ラヴズオンリーユーだ。
GⅠ馬リアルスティールの全妹という超良血馬。2017年のセレクトセールにて1億7280万円で落札され、兄と同じ矢作芳人厩舎に預託される。2歳時は新馬戦、白菊賞とデビューから連勝を決め、阪神ジュベナイルフィリーズへの出走も検討されたが、厳しいレース間隔や馬体重の減少を理由に出走は見送られた。
その後、1戦使って桜花賞へ出走させる予定だったが、大事な春シーズンを前に細菌性の疾患を発症。治療後のトレーニング期間を考慮すると、3月中の出走も不可能であるという診断が下り、桜花賞への出走は絶望的となった。
そこで、陣営は目標をオークスへと変更。急仕上げながら、桜花賞当日に行われる忘れな草賞への出走を決断する。レースではスタートで出遅れるも、終わってみれば3馬身差の圧勝。3連勝の勢いそのままにオークスへ出走し、そこでは単勝4.0倍ながら1番人気の支持を受けた。
相手には後にグランプリ3連覇を達成するクロノジェネシスや、稀代の善戦ホース・カレンブーケドールといった強豪がいたなか、それらを抑えてレースレコードで勝利。見事、史上5頭目の無敗のオークス馬となり、これがDMMドリームクラブにとって初の重賞制覇、そしてGⅠ制覇となった。
華々しいキャリアを歩んだラヴズオンリーユーだが、3歳秋以降はしばらく苦しい時期が続く。
秋華賞を右後脚の蹄の炎症のため回避すると、エリザベス女王杯では古馬を相手に3着と健闘は見せたが、デビューからの連勝は4でストップ。その後はヴィクトリアマイル7着、鳴尾記念2着、府中牝馬ステークス5着、エリザベス女王杯3着、有馬記念10着と丸一年以上も勝ち星から遠ざかってしまう。
そんなラヴズオンリーユーの復活の契機となったのが、2021年の京都記念。初騎乗となった川田将雅騎手とのコンビで単勝1.8倍の圧倒的人気に応え、1年9ヶ月ぶりの勝利を挙げた。
その後、ドバイシーマクラシックでは前年の有馬記念を勝ったクロノジェネシスやサウジカップ勝ち馬ミシュリフと死闘を繰り広げ3着に入ると、次走のクイーンエリザベス2世カップで3冠牝馬デアリングタクトや香港巧者グローリーヴェイズを撃破。GⅠ2勝目を挙げた。
帰国後はアメリカ遠征の叩きとして札幌記念に出走。ここではソダシの2着に敗れてしまったが、次走のブリーダーズカップフィリー&メアターフで優勝。日本馬初のBC制覇を成し遂げ、日香米の3カ国でGⅠを制した初の日本調教馬になった。
ラヴズオンリーユーの現役最後のレースが、同年12月の香港カップ。ここでは日本、香港両方のオッズで堂々の1番人気。道中で馬群に包まれる場面もあったが、最後は力強く馬群を割って抜け出し、見事日本馬初の年間海外GⅠ3勝を達成。引退の花道を飾った。
その翌年には前年のBCでの走りが評価され、北米競馬の年度表彰であるエクリプス賞の最優秀芝牝馬部門に選出。日本調教馬で初めてエクリプス賞を受賞する快挙を成し遂げている。
輝かしい実績を残したラヴズオンリーユーだが、上述したように競走馬生活は決して順風満帆ではない。無敗でオークスを制しながら、そこから2年近くに及ぶ低迷期。それを乗り越え、海外GⅠを年間で3勝する国際派サラブレッドという唯一無二のポジションを獲得した。
引退後は繁殖牝馬としても大きな期待を受けており、産駒のラヴズプレミアム(牡2/父エピファネイア)やオディオペルデレ(牡1/父レイデオロ)がDMMドリームクラブからデビュー予定となっている。
ラヴズオンリーユーのほかにも、先述したディープモンスターや、22年のダービー卿チャレンジトロフィーを11番人気で制し、昨年の京成杯オータムハンデでも14番人気で2着に入って世間を驚かせたタイムトゥヘヴンなど、息の長い活躍馬を多く送り出している。
坂井瑠星騎手は無条件で買い!

<DMMドリームクラブの「プラス条件」>
・坂井瑠星騎手【7-7-4-8】
勝率26.9%/連対率53.8%/複勝率69.2%/単回収率191%/複回収率144%
・武幸四郎調教師【10-5-8-63】
勝率11.6%/連対率17.4%/複勝率26.7%/単回収率134%/複回収率79%
・ダート×2、3勝クラス【8-3-1-36】
勝率16.7%/連対率22.9%/複勝率25.0%/単回収率167%/複回収率73%
・阪神ダート【8-3-2-34】
勝率17.0%/連対率23.4%/複勝率27.7%/単回収率141%/複回収率71%
■坂井瑠星騎手
通算で70%近い複勝率を叩き出しており、単回収率191%に複回収率144%と妙味もたっぷり。該当馬を見かけたらベタ買いでOKだ。
その他、浜中俊騎手が【4-1-3-12】で単回収率110%、北村宏司騎手が【3-4-2-10】で単回収率134%を記録している。
■武幸四郎調教師
単回収率はなんと134%をマーク。狙い目はダート馬で、ダートでは【8-4-4-31】で単回収率223%と素晴らしい成績だ。
その他、国枝栄調教師も【12-7-6-51】で単回収率134%とプラス域をマークしている。
また、DMMドリームクラブは芝が勝率10.2%、単回収率54%に対して、ダートは勝率11.0%、単回収率76%とダートが狙い目。そこで、ダートでの買える条件を2つ紹介する。
■ダート×2、3勝クラス
ダートで下級条件を勝ち上がってきた馬の信頼度は高く、2勝クラス・3勝クラス合算の単回収率は167%とプラス域だ。
ちなみに、昇級馬が【5-0-0-5】勝率50.0%、単回収率261%と昇級後も即通用している点も見逃せない。DMMドリームクラブのダート馬は勢いが重要だ。
■阪神ダート
単回収率は141%とプラス域をマーク。特に2000m【3-1-1-4】単回収率167%や、1400m【3-0-1-16】単回収率240%が優秀である。
その他、中山ダート1800m【5-3-4-26】単回収率115%や、東京ダート1400m【4-2-0-6】単回収率118%、中京ダート1800m【3-1-2-7】単回収率112%が狙い目となっている。
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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