【小倉記念】19年連続万馬券のハンデ重賞を制するのは? 穴馬の共通点から6頭が浮上

逆瀬川龍之介

小倉記念 単勝15.0倍以上の3着内馬の共通点(15年以降、小倉開催の9回),ⒸSPAIA

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2020年には137万円馬券

小倉記念(小倉芝2000m、GⅢ)はハンデ重賞だけあって、波乱傾向だ。中京開催の昨年こそ1番人気のリフレーミングが制したものの、3連単は目下19年連続で万馬券。20年には10番人気→6番人気→13番人気で決まり、137万円馬券が飛び出している。

そこで過去10年の小倉記念のうち、中京開催の24年を除いた9回を対象に、単勝オッズ15.0倍以上で3着以内だった7頭をチェック。共通項を見つけ出し、今年の穴馬をピックアップしたい。

血統と近走実績であぶりだす

(1)血統:ディープインパクトorデピュティミニスターの血を内包
以前の小倉記念といえばトニービンの血を持つ馬の天下だったが、近年になって傾向が変わってきた。絶対に無視できないのはディープインパクトで、その血を引く馬は【3-3-4-21】の勝率9.7%、複勝率32.3%。これだけの出走頭数がありながら、回収率は単勝で156%、複勝が130%だから凄い。

単勝オッズ15.0倍以上で3着以内の7頭を見ても、16年1着クランモンタナ、19年2着カデナ、20年2着サトノガーネット、21年3着スーパーフェザー、22年2着ヒンドゥタイムズの5頭が当てはまるので、人気を問わずに注意したい。

また、デピュティミニスターの血を引く馬も侮れず、前記のカデナ、スーパーフェザーに加え、20年3着アウトライアーズの3頭が該当。例年、該当馬は多くないにもかかわらず、これだけの好走馬を出しているので目が離せない。

<該当馬>※カッコ内は内包馬
・エピファニー(ディープインパクト)
・オールセインツ(ディープインパクト)
・シュタールヴィント(ディープインパクト)
・ショウナンアデイブ(ディープインパクト)
・ディープモンスター(ディープインパクト)
・ナムラエイハブ(ディープインパクト)
・ニホンピロキーフ(デピュティミニスター)
・ハピ(ディープインパクト)
・リカンカブール(ディープインパクト)

(2)実績:前走が3着以下、かつ同年に重賞3着以内の実績なし
“夏は格よりデキ”という格言があるが、小倉記念は少し事情が異なる。というのもハンデ戦とあって、近走成績が優秀だと重い斤量を課されるという問題が生じるからだ。単勝オッズ15.0倍以上で3着以内の7頭を見ても、全馬が前走3着以下、かつ同年に重賞3着以内の実績がなかった。

とりわけ20年に6番人気で2着のサトノガーネットは直近5戦連続で6着以下、同じく13番人気で3着のアウトライアーズに至っては直近3走連続で2桁着順からの参戦だった。つまり近走がさっぱりでも、諸々の条件が整えば激走できるのが小倉記念なのだ。

<該当馬>
・イングランドアイズ
・エピファニー
・オールセインツ
・カネフラ
・グラティアス
・シュタールヴィント
・スズカダブル
・ダンディズム
・ディープモンスター
・ニホンピロキーフ
・リカンカブール

2つの条件に合致したのは6頭

2つの関門を突破したのはエピファニー、オールセインツ、シュタールヴィント、ディープモンスター、ニホンピロキーフ、リカンカブールの6頭だ。

この中でイチ押しはニホンピロキーフ。典型的な平坦巧者で、とりわけ小倉は【3-0-0-1】の好成績。唯一の着外となる昨年の中京記念にしても、後方から外を回して勝ち馬と0秒3差の5着だから、決して悲観する内容ではなかった。

前走のしらさぎSは苦手の阪神(同レース含め【0-0-1-5】)とあって11着に大敗したが、これで人気を落とすなら配当妙味が増すというもの。ガラリ一変での重賞初制覇を期待したい。相手は残りの5頭。単勝と馬連流しで勝負だ。

《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GIのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。

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