【ローズS】主流血統と欧州血統の配合がベスト 要注目は1600m以下で後れを取った馬

坂上明大

2023年ローズステークスの注目血統,ⒸSPAIA

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傾向解説

4年ぶりに阪神芝1800mを舞台に行われるローズS。2020~22年は左回り、2ターン、2000mの中京競馬場を舞台に行われたため、阪神競馬場に舞台を戻す今年は求められる適性も大きく変わってきます。ここでは2019年以前の傾向を振り返りつつ、血統面を中心にローズSのレース傾向を整理していきます。

ローズSは秋華賞に向けての最有力ステップレースのため、オークス組を中心に前走GⅠ組の実績馬が格の違いを見せることが多いです。これは中京開催時を含め、古くから変わらないレース傾向です。ただ、それらは当然人気になりやすく、オッズ妙味を考慮すると馬券的には前走GⅠ組以外の方が狙いやすいといえるでしょう。前走GⅠ組以外の好走馬は、ほとんどが芝1700m以上で連対実績あり。1600m以下でのスピード勝負では出世が遅れた素質馬を狙うのが、ローズSのセオリーと言えるのではないでしょうか。

前走別成績(2013~19年),ⒸSPAIA


<前走別成績(2013~19年)>
GⅠ【5-2-2-38】勝率10.6%/連対率14.9%/複勝率19.1%/単回収率41%/複回収率34%
GⅠ以外【2-5-5-53】勝率3.1%/連対率10.8%/複勝率18.5%/単回収率59%/複回収率146%
→芝1700m以上連対実績馬【1-5-5-37】勝率2.1%/連対率12.5%/複勝率22.9%/単回収率25%/複回収率184%

血統面ではディープインパクト産駒の成績が圧倒的。2013~19年の7年間で5頭の勝ち馬を輩出し、2012年には4頭の出走馬が1~4着を独占しました。阪神芝1800mは直線勝負になりやすいコースのため、ディープインパクト産駒の瞬発力が生きやすく、同コースで行われる毎日杯でもディープインパクト系の活躍が目立ちます。特に、ローズSは牝馬限定戦のためスローペースになりやすく、より同父系の持ち味が生きやすい舞台と言えるでしょう。

ただ、春の1600m以下でのスピード勝負とは異なりスタミナと成長力も必要となるため、春のクラシック戦線では邪魔になりがちな欧州血統、特にSadler's Wellsの血を持つ馬の活躍が目立つ点は大きな特徴と言えるのではないでしょうか。2014年3着リラヴァティ(9番人気)、2015年1着タッチングスピーチ(7番人気)、2016年2着クロコスミア(11番人気)など穴馬の好走も目立ち、サンデーサイレンス系やキングカメハメハ系といった日本の主流血統との組み合わせがベストです。

血統別成績(2013~19年),ⒸSPAIA


<血統別成績(2013~19年)>
ディープインパクト【5-3-2-22】勝率15.6%/連対率25.0%/複勝率31.3%/単回収率90%/複回収率126%
Sadler's Wells【3-1-2-13】勝率15.8%/連対率21.1%/複勝率31.6%/単回収率121%/複回収率131%


血統解説

・ブレイディヴェーグ
母インナーアージは芝1600~2500mで4勝を挙げた中距離馬で、その全妹には二冠牝馬ミッキークイーンなどがいます。2度の骨折の影響で出世が遅れましたが、骨折明けの2戦でともに楽勝。母父にディープインパクトを持ち、芝1800m以上で上がり3F33.6以下の末脚を使っていることからも、阪神芝1800mへの適性も文句なしでしょう。

・ソーダズリング
母ソーマジックは2008年桜花賞3着馬で、本馬の兄姉には7勝馬ソーグリッタリング、秋華賞2着馬マジックキャッスル、チャレンジC連覇のソーヴァリアントなどがいる良血馬です。母母父Fairy KingがSadler's Wellsの全弟で、兄姉の実績からも成長力に優れている点も魅力。オークスでは4着のラヴェルに0.8秒差をつけられましたが、ひと夏を越して逆転があっても全く驚けない良血馬です。

・コンクシェル
母ザナは、12回も英愛リーディングサイアーに輝いた欧州の名血Galileo(父Sadler's Wells)の産駒で、父はディープインパクト直仔のキズナ。ディープインパクト系×Galileoは2018年の勝ち馬カンタービレと同じで、ローズSと相性の良い組み合わせです。スピード不足により1600m以下で勝ち切れず、出世が遅れた点も馬券的には大きな魅力。2勝クラスを圧勝したことで人気にはなりそうですが、血統面からは最も注目している1頭です。

2023年ローズS有力馬の血統と評価,ⒸSPAIA


ライタープロフィール
坂上明大
1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。

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