【セントウルS】3歳馬ビッグシーザーとドルチェモアは消し 凡走データに該当しなかったのは1頭のみ

藤川祐輔

阪神開催の過去10回のセントウルステークス『前走非重賞レース』かつ『重賞連対実績なし』の成績,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

5つのデータから絞れた馬は?

先週の新潟記念では、消去データを免れたユーキャンスマイルが7番人気ながら2着に好走。しかし、注目馬として挙げたバラジは5着と馬券圏内に1歩及ばず、勝利したノッキングポイントも消去していた。

今週は9月10日に阪神競馬場で行われるセントウルS(GⅡ)を予想する。今回は中京で開催された2020~2022年を除く過去10回(10年~19年)のデータから、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、条件に当てはまった馬を消去していく。


『前走6着以下』×『前走3番人気以下』 ★5.4%★

最初に注目するのは前走の着順だ。前走で1~5着だった馬は【8-9-6-50】(複勝率31.5%)と好走馬の大部分を占めている。一方、6着以下に敗れていた馬は【2-1-4-64】(同9.9%)と振るわない。この中で前走3番人気以下だった馬に絞ると【1-1-1-53】(同5.4%)と更に数字が落ち込む。

今年は8頭がこのデータに該当。ジャングロやドルチェモアといった注目馬も当てはまるが、惨敗からの巻き返しは厳しいとみて消去する。

【今年の該当馬】
・ジャングロ
・テイエムスパーダ
・ディヴィナシオン
・ドルチェモア
・ピクシーナイト
・ホウオウアマゾン
・レジェーロ
・ロンドンプラン


『前走非重賞レース』×『重賞連対実績なし』 ★0.0%★

当レースは重賞から転戦してきた馬が【10-10-9-88】(複勝率24.8%)と馬券圏内のほとんどを占めており、非重賞レースからの転戦組は【0-0-1-27】(同3.6%)と通用していない。唯一馬券に絡んだのは12年3着のアンシェルブルーだが、同馬は前年の阪神牝馬Sで2着、函館スプリントSで3着と重賞実績があった。当レースより前に重賞連対実績を持たない馬に限定すると、成績は【0-0-0-20】(同0.0%)。今回はこれを消去データとする。

今年の登録馬で非重賞レースからの転戦はモリノドリーム1頭のみ。オープンへの昇格初戦でGⅡの舞台は荷が重いとみて消去する。

【今年の該当馬】
・モリノドリーム


『父サンデーサイレンス系』×『牡馬』 ★0.0%★

続いては血統面に注目したい。日本競馬において最も影響力を持つサンデーサイレンス系だが、当レースにおいては【1-1-3-26】(複勝率16.1%)で好成績とは言い難い。この内3着以内に食い込んだ5頭は全て牝馬であり、牡馬に限ると成績は【0-0-0-13】(同0.0%)と全く結果を残せていない。

今年は父サンデーサイレンス系の馬が5頭出走するが、その内4頭が牡馬。既に消去した2頭に加えて、新たにエイシンスポッターとスマートクラージュが消去リスト行きとなる。

【今年の該当馬】
・エイシンスポッター
・スマートクラージュ
・(ディヴィナシオン)
・(ロンドンプラン)


『馬体重460kg以下』×『斤量54kg以上』★8.0%★

各馬の出走時の馬体重を見ると、461kg以上の馬が【10-9-8-88】(複勝率23.5%)と好走馬の大半がこの組に属していた。これに対して馬体重が460kg以下の馬は【0-1-2-27】(同10.0%)と不振で、勝ち馬は1頭も出ていない。ここから斤量54kg以上の馬に絞ると【0-0-2-23】(同8.0%)となる。

息の入らない1200m戦で、最後に阪神の急坂を乗り越えるには相応のパワーが必要だ。斤量面で恵まれていない限り、パワー不足の小柄な馬には厳しい舞台だとデータ面から判断できる。

前走時点で馬体重460kgを下回っているのは、以下の3頭。レース当日に超える可能性は低いと見て、新たにボンボヤージとヴァトレニを消去する。

【今年の該当馬】
・ボンボヤージ
・ヴァトレニ
・(レジェーロ)


『3歳馬』×『同年の重賞で連対実績なし』 ★0.0%★

4つの条件から、登録馬16頭中13頭を消去した。最後は年齢別の成績から【3-2-1-14】(複勝率30.0%)と最も優秀な3歳馬から絞り込む。10年で6頭の馬が馬券に絡んでいるが、これらの馬は全て同年の重賞で連対経験があった。これに該当しない馬の成績は【0-0-0-11】(複勝率0.0%)と全く好走できていない。

今年、出走登録している3歳馬は、全4頭がこのデータに該当している。特にビッグシーザーは人気を集めそうだが、重賞実績は前走・葵Sでの3着のみ。その葵Sで勝利したモズメイメイは北九州記念で10着と惨敗し、古馬の壁に跳ね返された。当馬も古馬相手に通用するかは不透明であることから、今回は思い切って消去リストに追加する。

【今年の該当馬】
・(ドルチェモア)
・ビッグシーザー
・ブトンドール
・(ロンドンプラン)

全ての条件を終えて、消去を免れたのはアグリのみ。高松宮記念では7着に敗れているが、先行勢が総崩れの不良馬場で、道中2、3番手からレースを進めたことを踏まえれば評価できる。阪神内回りで走ったのは全て1400m戦ではあるが【3-0-1-0】(複勝率100%)と好相性。開幕週かつ前有利の馬場も向くはずで、好勝負必至の存在だ。

《ライタープロフィール》
藤川祐輔
98年生まれの現役大学院生。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。幸か不幸か、進学先の近くに競馬場があり、勉強そっちのけで競馬に没頭。当然のごとく留年した。現在は心を入れ替え、勉強も競馬も全力投球。いつの日か馬を買うのが夢。

《関連記事》
【セントウルS】1番人気はパーフェクト連対 アグリはここを勝ち一気にスプリント戦線の主役になれるか
【京成杯AH】前走・関屋記念3着のラインベックは大チャンス ソウルラッシュは連勝した舞台で巻き返し可能
【紫苑S】オークス上位馬不在で狙うはエミュー 好走候補は前走・条件戦のアップトゥミーとアマイ

おすすめ記事