【セントウルS】1番人気はパーフェクト連対 アグリはここを勝ち一気にスプリント戦線の主役になれるか

勝木淳

2023年セントウルSに関するデータ,ⒸSPAIA

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1番人気はパーフェクト連対中

セントウルSはサマーシリーズ最終戦としては、2000やマイルと比べ立ち位置が難しい。GⅡでもあり、なによりスプリンターズSの優先出走権がかかる前哨戦だからだ。まして今年はジャスパークローネがシリーズ2勝を挙げ、逆転候補の出走もないため、同馬のシリーズ優勝は確定だ。となれば、ここはやはりスプリンターズSの前哨戦という位置づけでいい。

そう考えると、アグリやピクシーナイトの名はあるものの、やや寂しいメンバー構成に映る。この前哨戦が本番にどうつながっていくのか。しっかりチェックしておこう。データは2020~22年中京開催も含め、過去10年分を使用。コースの違いも踏まえて考えていく。

セントウルSの人気別成績,ⒸSPAIA


スプリンターズSの前哨戦、かつサマースプリントシリーズ最終戦という立ち位置にあるためか、1番人気は【7-3-0-0】勝率70.0%、パーフェクト連対中だ。格ないし勢いを評価されて1番人気に推された馬は非常に堅実で、基本はここから馬券を組み立てればいい。以下、2番人気【1-3-2-4】勝率10.0%、複勝率60.0%など4番人気以内と5番人気以下ではやや差がある印象だ。穴が出ないこともないが、基本的には上位人気を中心に組み立てるべきか。

セントウルSの年齢別成績,ⒸSPAIA


ドルチェモアやビッグシーザーが当てはまる3歳馬は【1-3-1-10】勝率6.7%、複勝率33.3%。勝ったのは15年10番人気アクティブミノルだけ。勝ち切れないが、好走する可能性は十分あるので、馬券に入れておこう。中心は4歳【5-0-0-20】勝率、複勝率20.0%、5歳【4-4-4-26】勝率10.5%、複勝率31.6%の2世代でいい。ここに3歳、6歳以上が絡んでくる。

前走シリーズ5着以内が目安

今年はサマースプリントシリーズ逆転優勝の可能性を残す馬はいないものの、メンバー的にはサマーシリーズの延長戦といった図式でもある。その点も整理しながら、好走パターンを掘り下げていこう。

セントウルSの前走クラス別成績,ⒸSPAIA


アグリが該当する前走海外は【1-0-0-1】。同じチェアマンズスプリントプライズは18年4着だったファインニードルがここを勝ち、スプリンターズSも勝利。同馬は前年のセントウルSも制しており、連覇達成でもあった。アグリは実績的にファインニードルの域には達していないが、一気に駆けあがれるか注目だ。

前走GⅠ【3-2-2-10】勝率17.6%、複勝率41.2%はドルチェモアの安田記念が【1-1-1-3】。その6着以下【1-0-1-2】で、10着以下だと20年ミスターメロディが11着から3着に巻き返した。なお、前走安田記念6頭のうち5頭は中京のセントウルSだった。これは同じ左回りというのが影響しているかもしれない。データ期間中、阪神セントウルSで前走安田記念だったのは、13年ロードカナロア1頭。安田記念を勝ち、休み明けでここに出走し、ハクサンムーンの2着だった。

前走GⅡ【2-0-0-1】はピクシーナイトの京王杯SCが【1-0-0-1】。昨年メイケイエールが連勝し、スプリンターズSに主役として駒を進めた。

セントウルSの前走レース別成績,ⒸSPAIA


前走サマーシリーズでは、北九州記念【2-3-4-41】勝率4.0%、複勝率18.0%よりアイビスSD【1-2-0-6】勝率11.1%、複勝率33.3%やキーンランドC【1-0-0-4】勝率、複勝率20.0%、CBC賞【0-2-0-9】複勝率18.2%あたりが数も少なく、選びやすそうだ。

セントウルSの前走サマースプリント組、着順別成績,ⒸSPAIA


サマースプリント組に絞って、前走着順別成績をみよう。1着【2-2-0-3】、2着【1-2-0-3】など5着以内【4-5-2-22】に対し、6着以下【0-2-3-41】。大雑把にとらえれば、掲示板以内だった馬に比重を置こう。

前走掲示板以内だと、最終戦で優勝のチャンスを残すケースが多く、その意気込みがセントウルSで好結果を呼び込む。そう考えるなら、優勝の可能性がない今年はアテにならないかもしれないが、このデータで残るのはヴァトレニ、スマートクラージュ、ボンボヤージの3頭だ。

セントウルSに関するデータ、インフォグラフィック,ⒸSPAIA


ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。


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