【京成杯AH】関屋記念組が最多の6連対 本命は好走条件を満たすメイショウシンタケ
門田光生
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年齢と前走レースが重要
2023年9月10日に中山競馬場で行われる第68回京成杯AH。2012年、そして2019年にレコードが出ており、時計勝負になりやすいレース。また、開幕週に行われるにもかかわらず、追い込み馬が台頭する傾向もある。そんな京成杯AHには他にどんな傾向があるのか。今回も過去10年の成績を基に検証していきたい。
☆所属
1着、そして3着の回数は東西とも5回ずつと五分。2着は美浦3回、栗東7回。全体の出走頭数は美浦の方が多く、馬券に絡む確率は栗東所属馬の方がやや高くなっている。
☆性別
牡馬・セン馬が7勝、牝馬3勝。2着は5回ずつ。3着は牡馬・セン馬が9回と圧倒しているが、出走頭数が圧倒的に多いこともあり、勝率、連対率、そして複勝率でも、牝馬が上回っている。
☆年齢
6勝を挙げて2着も5回ある5歳馬が中心。勝率、連対率でもトップだ。以下はダンゴ状態だが、6歳馬から勝ち馬は出ておらず(2着馬は4頭)、7歳以上は1頭しか連対馬(2015年1着フラアンジェリコ)がいない。
☆前走クラス
ハンデ戦らしいといっていいのか、3勝クラスから3頭もの勝ち馬が出ている。この3頭はすべて前走勝ち、かつ前走2番人気以内という共通点がある。
最も連対馬が出ているのはGⅢ組。勝ち馬、2着馬ともに6頭ずついて、今年もこの組から連対馬が出る確率はかなり高いと思われる。残る1頭の勝ち馬は前走GⅠ組(前走日本ダービーのロードクエスト)。オープン、そしてGⅡ組から勝ち馬は出ていない。
☆主な前走レース
相性のいいステップレースは、3頭の勝ち馬を出している中京記念。2021年カテドラル、2022年ファルコニアと連続で勝ち馬を出しており、最も勢いのある前哨戦といえる。続いては関屋記念で、最多6頭の連対馬を輩出。2014年には1~3着を関屋記念組が独占した。
☆前走着順と前走人気
勝ち馬10頭中、前走1、2着馬が7勝を挙げている。勝率も20%を超えており、できれば満たしておきたいデータだ。また、前走が1番人気だった馬は3勝。前走着順に比べて頭数こそ少ないが、こちらは勝率が25%以上あって、これも強いデータの一つと言えそうだ。
☆前走距離
前走マイル戦を使って連対したのは11頭。連対馬の半分以上がこれに当てはまるのだが、内訳は1着馬3頭に対して、2着馬が8頭。勝率は3.3%と、頭では狙いづらい。ただ、3着馬は9頭も出ている。今年は登録11頭中7頭が該当していることもあり、馬券に絡む可能性は高い。
抜けた存在はいない
京成杯AH出走馬のデータをまとめてみよう。
【好走データ】
A「牝馬」
B「5歳馬」
C「前走が2番人気以内で3勝クラス勝ち」
D「中京記念組」
E「前走1、2着」
F「前走1番人気」
【凡走データ】
G「7歳以上」
【勝ち馬なし】
H「6歳」】
I「前走がオープン」
今回の強いデータだが、まずB「5歳馬」。連対馬の半分以上にあたる11頭が該当しているので、当然ながら今年も何か1頭ぐらいは絡んできそう。登録馬ではソウルラッシュとメイショウシンタケの2頭が該当するが、この2頭は年齢以外のプラスデータを持っていない。
そこで2頭の前走に注目。まずソウルラッシュの前走は安田記念。同組は過去に3頭が出走して2013年にダノンシャークが2着に入っている。同馬はソウルラッシュと同じ5歳馬。それは加点材料だが、ソウルラッシュは安田記念9着と大敗していたのに対し、ダノンシャークは3着と好走していた。その点が微妙で評価を下げたい。
続いてメイショウシンタケの関屋記念だが、ステップレースとしては最多となる6頭の連対馬を出している。このうち5頭が5歳馬で、かつ前走5、1、2、4、2着。前走で掲示板に入っていることが好走条件のようだ。メイショウシンタケは5着で好走パターンに当てはまっていることから、今回、本命に指名する。
また、好走データにE「前走1、2着」F「前走1番人気」の項目があるように、前走好走馬、そして前走人気馬が活躍する傾向にある。今回、この2つを同時に満たしているのはアスクコンナモンダだけ。しかも、C「前走が2番人気以内で3勝クラス勝ち」にも該当している。よって、2番手評価とする。
あとは押さえ候補。まずは2年連続で勝ち馬を出している中京記念組。今年はウイングレイテスト1頭しかおらず、これが4番手。あと、好走データA「牝馬」のトーセンローリエ(3歳)、ミスニューヨーク(6歳)だが、過去に、3歳牝馬、6歳牝馬ともに勝ち馬はいないものの、2着馬ならいるので、2頭とも押さえたい。
◎メイショウシンタケ
◯アスクコンナモンダ
▲ソウルラッシュ
△ウイングレイテスト
×トーセンローリエ
×ミスニューヨーク
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
JRAもいよいよ秋競馬に突入。地方も9月には注目レースが目白押し。競馬の季節がやってきましたね。
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