川田将雅騎手が月間17勝で再トップへ 新潟で好調の戸崎圭太騎手は4位浮上【8月終了時の騎手リーディング】

三木俊幸

8月終了時点のリーディング上位騎手の顔ぶれ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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月間勝率53.1%

新潟、小倉だけでなく、北海道の札幌でも猛暑が続く中で行われた8月の競馬開催。撮影に訪れた新潟競馬場でも馬が熱中症を発症しており、検量室前では厩舎関係なく手があいているスタッフや調教師、騎手が次々とやってきて馬体にシャワーをかけたり、バケツで頭に水をかけたり、馬を守ろうと関係者一丸となって暑さと戦っていた。

熱中症の危険と隣り合わせで騎乗を続けているのは騎手たちも同じ。猛暑の中を駆け抜けた8月5日~27日まで開催8日間のリーディング上位騎手の成績を振り返っていこう。

2023年8月終了時点のリーディングジョッキーの成績推移,ⒸSPAIA


7月終了時点では2位へと順位を落としていた川田将雅騎手だったが、8月は絶好調。1週目に6勝をあげてトップへと再浮上し、続く2週目も6勝をマークするなど、開催8日間で合計17勝、年間の勝利数を104勝にまで伸ばした。月間の騎乗数32回と他の上位騎手と比較すると少ないものの、勝率53.1%、連対率56.3%、複勝率65.6%、単回収率も173%と文句なしの成績を残した。重賞レースにおいてもエヒトとのコンビで小倉記念、プログノーシスに騎乗して札幌記念を制し、年間の重賞勝利数は10勝に到達した。

逆転されてしまったC.ルメール騎手は月間9勝、年間では99勝としている。主戦場は札幌だが、新潟で騎乗した8月2週目は土曜3勝、日曜2勝と存在感を発揮した。その中には馬なりで圧勝したチェルヴィニア、イクイノックスの半妹ガルサブランカなど将来有望な2歳馬も含まれていた。秋競馬に入れば猛烈な追い上げをみせることが予想されるだけに、リーディング争いはより白熱したものとなるに違いない。

イクイノックスの半妹ガルサブランカに騎乗するC.ルメール騎手,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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3位は横山武史騎手。日別の成績では2→1→1→1→2→1→0→1と目立つほどの大勝ちはなかったが、開催8日間のうち7日で勝利するなど堅実さが光った。8月は9勝を上積みして年間成績は84勝としている。


JRA通算1400勝、関屋記念も制する活躍で4位浮上

4位争いには順位変動があり、月間8勝、年間成績では80勝の戸崎圭太騎手が浮上した。12日の新潟6Rではキャプテンネキを勝利に導いてJRA通算1400勝を達成するなど、主戦場の新潟で騎乗した前半5日間はいずれも勝利をあげており、8月の新潟競馬場に限ると勝率21.6%、連対率32.4%、複勝率45.9%。アヴェラーレに騎乗して関屋記念も制し、年間重賞勝利数は6勝となっている。

JRA通算1400勝を達成した戸崎圭太騎手,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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アヴェラーレに騎乗して関屋記念を制した戸崎圭太騎手,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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8月は6勝、戸崎騎手と2勝差の78勝としている岩田望来騎手は5位。順位は下がったが、ライオットガールでレパードSを勝利し、先日行われたワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)では未勝利ながら3着、7着、2着、3着。合計56ポイントを獲得して総合優勝を果たした。

その他、リーディングトップ5以外で活躍が目立った騎手としては武豊騎手と津村明秀騎手をピックアップ。武豊騎手は川田騎手に次ぐ月間10勝をあげる活躍をみせており、勝率20.8%、単回収率121%、セキフウとのコンビでエルムSを制した。

津村騎手は新潟を主戦場に月間8勝。勝率15.1%、連対率30.2%、複勝率43.4%、単回収率143%、複回収率147%と好成績を残す。夏の新潟開催リーディング争いでも、川田騎手と戸崎騎手の10勝と1勝差。夏の新潟開催最終週の騎乗ぶりにも注目したい。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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