【新潟記念】サリエラとノッキングポイントは消し 注目は新潟で4戦4連対のバラジ
藤川祐輔
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5つのデータから絞れた馬は?
今週は9月3日に新潟競馬場で行われる新潟記念(GⅢ)を予想する。過去10年のデータから複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、登録馬15頭から条件に当てはまった馬を消去していく。
『前走2ケタ着順』×『前走GⅡ以下』 ★6.1%★
最初に注目するのは前走の着順だ。前走で2ケタ着順の惨敗を喫した馬は【2-2-1-38】(複勝率11.6%)と振るっていない。このうち前走でGⅠを使っていた馬は【1-2-0-7】(同30.0%)と良好であったが、GⅡ以下からの転戦組は【1-0-1-31】(同6.1%)と大半が好走できていない。
このデータには7頭が該当する。今年のメンバーは多くが重賞からの転戦だが、前走重賞で馬券内に好走したのはサリエラのみ。格より勢いが重要な夏競馬だけに、前走で10着以下に大敗している馬は軽視する。
【今年の該当馬】
・イーサンパンサー
・イクスプロージョン
・インプレス
・グランオフィシエ
・サトノルークス
・フラーズダルム
・ブラヴァス
『前走条件戦』×『キャリア16戦以上』 ★5.9%★
ローカル開催のハンデ重賞という側面から、昇級戦や格上挑戦で当レースを使ってくる陣営も少なくない。だがハンデ戦といえども重賞の壁は厚いようで、前走で条件戦だった馬は【1-2-1-24】(複勝率14.3%)と低調だ。この中でキャリア16戦以上の馬に限定すると【0-1-0-16】(同5.9%)。好走したのは14年の2着馬クランモンタナのみである。
今年は条件戦から2頭が当レースに挑んでくるが、どちらも既に16戦以上のキャリアを重ねており凡走データに該当する。いきなりの重賞挑戦で通用する素質馬ならば、より短いキャリアでOP昇格を果たしているはず。馬券圏内まで期待するのは荷が重いとみて消去する。
【今年の該当馬】
・サウンドウォリアー
・ファユエン
『牝馬』×『関東馬』 ★9.1%★
例年牝馬の活躍が多いサマーシリーズだが、当レースに関してはそもそも牝馬の出走が過去10年で17頭と少なく、その成績も【1-0-1-15】(複勝率11.8%)と良くない。これを美浦所属馬に限ると【1-0-0-10】(複勝率9.1%)となり、好走したのは13年に勝ったコスモネモシン1頭のみ。
今年は3頭の牝馬が出走予定であり、そのうち関東馬は2頭。上位人気濃厚のサリエラも該当するが、データ面からは推奨できない。
【今年の該当馬】
・(ファユエン)
・サリエラ
『3歳馬』×『重賞未勝利』 ★0.0%★
当レースには時折3歳馬が出走してくるケースがあり、昨年もフェーングロッテンが古馬相手に3着と好走している。18年にはブラストワンピースが勝利、同年の有馬記念を制したことと合わせて印象に残っているファンも多いだろう。
しかし、当レースで好走した3歳馬は上記の2頭のみであり、過去10年の成績は【1-0-1-6】(複勝率25.0%)となっている。好走した2頭は既に世代別重賞を制した実績があった一方で、出走時点で重賞未勝利だった馬は【0-0-0-4】(同0.0%)と全く通用していない。
今年は日本ダービーで5着に好走したノッキングポイントが出走予定だが、当馬には重賞勝利の実績がない。毎日杯では2着に敗れており、世代限定重賞で勝ち切れない馬が古馬相手に通用するのは厳しいとみて、消去リストに追加する。
【今年の該当馬】
・ノッキングポイント
『父がロベルト系』×『牡馬』 ★7.1%★
最後に注目するのは血統面のデータである。ロベルト系種牡馬を父に持つ馬の成績は【0-0-2-13】(複勝率13.3%)と苦戦傾向だ。この中で牝馬は21年に3着と好走したクラヴェルのみ。残りの14頭は全て牡馬であり、【0-0-1-13】(同7.1%)となる。
今年のメンバーでは既に消去したノッキングポイントに加えて、マイネルウィルトスが該当。前走の函館記念では1年の長期休養明けながら4着に好走したが、この時は稍重の洋芝、後方有利の展開と得意な条件が重なった。瞬発力が要求される新潟外回りのコースが向くとは思えず、週中に雨が降る見込みもないため消去する。
【今年の該当馬】
・(ノッキングポイント)
・マイネルウィルトス
5つ全ての「凡走データ」に該当せず残ったのはバラジ、プラダリア、ユーキャンスマイルの3頭。中でも注目したいのがバラジである。
前走の目黒記念では差し、追込馬に展開が向いた中、2番手の位置でレースを進めて6着に粘り込んだ。今回は明確な逃げ馬がおらず、後方勢が多いことから展開利も見込めそう。新潟コースは【2-2-0-0】とオール連対の得意舞台であり期待できそうだ。
今週より私、藤川祐輔が「ハイブリッド式消去法」2代目担当として寄稿させていただきます。皆様の予想の一助となるデータを紹介できるよう頑張りますので、今後とも当コーナーをご愛読頂ければと思います。
《ライタープロフィール》
藤川祐輔
98年生まれの現役大学院生。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。幸か不幸か、進学先の近くに競馬場があり、勉強そっちのけで競馬に没頭。当然のごとく留年した。現在は心を入れ替え、勉強も競馬も全力投球。いつの日か馬を買うのが夢。
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