【新潟2歳S】スロー濃厚で上がり特化型のレース 東大HCの本命は末脚鋭いエンヤラヴフェイス

東大ホースメンクラブ

新潟2歳ステークスの前走上がり3F別成績(過去10年),ⒸSPAIA

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秋へ弾みをつけるのは

8月27日(日)に新潟競馬場で行われる新潟2歳S(GⅢ・芝1600m)。東京の新馬戦で後方一気を決めたアスコリピチェーノや伯父にArrogateがいる良血ルージュスタニングなど、12頭がエントリー。夏の新潟マイル重賞を制し、来たる秋冬に向け弾みをつけるのはどの馬か。今週もデータを踏まえて予想してゆく。


決め手の有無が着順に直結

新潟2歳Sの前走上がり別成績,ⒸSPAIA


<過去10年の新潟2歳S 前走上がり3F順位別成績>
1位【8-6-3-49】勝率12.1%/連対率21.2%/複勝率25.8%
2位【2-4-7-22】勝率5.7%/連対率17.1%/複勝率37.1%
3位以下【0-0-0-43】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%

過去10年のデータで顕著な傾向が出ているのは前走上がり3F順位。スケールの大きい新潟外回り、スローペースになりやすい2歳戦とあって、ほとんどが最後の直線でのキレ勝負となる。前走で上がり3位以下だった馬は1頭も馬券に絡めておらず、一定の末脚がなければ上位は難しい。

新潟2歳Sの前走距離別成績,ⒸSPAIA


<過去10年の新潟2歳S 前走距離別成績>
同距離【8-3-5-31】勝率17.0%/連対率23.4%/複勝率34.0%
距離延長【2-2-3-66】勝率2.7%/連対率5.5%/複勝率9.6%
距離短縮【0-5-2-18】勝率0.0%/連対率20.0%/複勝率28.0%

前走距離に注目すると、マイルでの続戦となる馬が8勝を挙げており、信頼度が高い。さらに、前走マイル戦で上がり最速を出していると【6-1-1-14】で勝率27.3%。単勝回収率は111%とプラス域をマークしている。

今回この条件を満たすのはエンヤラヴフェイス、ルージュスタニング、ルクスノア、ヒヒーン、クリーンエアの5頭。この5頭の中から前走の内容を吟味して軸を選ぶと良いだろう。


大物登場か

◎エンヤラヴフェイス
前走の内容がとにかく優秀。2番手で折り合い、直線で抜け出すと後続を完封。上がり最速34.3秒の脚を使い、2着に5馬身差をつける完勝だった。1:35.3は今回の出走メンバーで最速の持ち時計だ。

マイルの新馬戦で後半1000mが58.0秒以下だったレースは、これを含めて過去9例だけ。その勝ち馬にはグランアレグリアやリバティアイランド、セリフォス、ライトクオンタムといった重賞馬、GⅠ馬たちがずらりと名を連ねている。今年の2歳戦で後半1000m58.0秒をクリアしたのは、ボンドガールとエンヤラヴフェイスの2頭のみ。重賞馬、果てはGⅠ馬の器であると見た。このレースを通過点として秋への飛躍に繋げてほしい。

◯クリーンエア
初戦は内枠が災いし、最後の直線では前が壁になる状態が長く続いた。ようやく外に持ち出すことができたのが残り200m地点。そこから一気に加速し、前にいた5頭をまとめて捉えて差し切った。8番人気という低評価での勝利だったが、このレースで見せた非凡な瞬発力が今回も発揮できれば好勝負が可能だろう。しかも今回は外枠を引き当て、よりスムーズに競馬を進めることができそうな点も魅力的だ。前走に続く大物食いに再度期待したい。

▲アスコリピチェーノ
前走は東京芝1400mの新馬戦。後方11番手から一気に差し切りを決め、1番人気に応えた。決め手が重要となる当レースにおいて、前走で上がり33.3秒を記録した点は高く評価できる。ダイワメジャー産駒は過去10年で当レース【2-2-1-7】と相性が良く、血統的にも推奨可能だ。ただし先述した通り、距離延長組の成績は同距離組よりも見劣りする。3番手の評価までにとどめた。

以下、もう一頭のダイワメジャー産駒ヴァンヴィーヴ、友道康夫厩舎期待の良血馬ルージュスタニングまで印を回す。馬券は◎の単勝、◎から印に流す馬連とする。

▽新潟2歳S予想▽
◎エンヤラヴフェイス
◯クリーンエア
▲アスコリピチェーノ
△ヴァンヴィーヴ
×ルージュスタニング

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。


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