【小倉記念】マリアエレーナとエヒトは消し ハイブリッド式消去法で浮上したのはレヴェッツァら4頭

八木遊

2023年小倉記念の消去法データ,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週は3歳ダート重賞レパードSを予想。1番人気ミスティックロアを消去したまでは良かったが、1~2着馬もそろって消していた。

今週は8月13日に小倉競馬場で行われるハンデ重賞の小倉記念を予想する。いつも通り、過去10年のデータから複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、条件に当てはまった馬を消去していく。


『前走初角3番手以内』×『前走0秒6以上の差で負け』★0.0%★

1つ目のデータは、前走時の初角通過順と着差を掛け合わせたものから入りたい。前走で初角3番手以内に先行し、0秒6以上の差で負けていた馬は、昨年4番人気のピースオブエイトや17年3番人気のバンドワゴンなど15頭いたが、3着以内に好走した馬は1頭もいなかった。

今年はザイツィンガーとテーオーシリウスの2頭がこのデータに該当。ハンデにある程度恵まれたとはいえ、近走のレース内容から大きな変わり身は期待できないだろう。まずはこの2頭を消去する。

【今年の該当馬】
・ザイツィンガー
・テーオーシリウス


『キャリア18戦以上』×『前走4番人気以内』★0.0%★

続いてはキャリア数に注目した。小倉記念までに18戦以上走っていた馬は過去10年で【2-3-7-79】(複勝率13.2%)と成績はやや地味。馬券に絡んだ12頭に共通していたのは、前走時に5番人気以下だったことだ。一方で、前走4番人気以内に支持されていた馬は【0-0-0-15】(同0.0%)と、1頭も馬券に絡んでいなかった。

この条件に当てはまったのは、エヒトとマリアエレーナの2頭。昨年の七夕賞覇者と当レースのディフェンディングチャンピオンは、どちらも斤量克服がカギとなりそう。人気を背負うことは確実だが、敢えて逆らってみたい。

【今年の該当馬】
・エヒト
・マリアエレーナ


『前走時馬体重500kg以上』×『前走浜中俊騎手以外』★2.9%★

3つ目は前走時の馬体重を取り上げたい。具体的には前走で500kg以上だった馬。過去10年の成績は【4-0-0-33】(複勝率10.8%)と辛うじて複勝率は10%を超えていた。馬券に絡んだ4頭のうち3頭に共通していたのは、前走時の鞍上が浜中俊騎手だったこと。それ以外の騎手が騎乗していた馬に限れば、【1-0-0-33】(同2.9%)という成績が残っている。

この条件に当てはまったのは以下の4頭。いずれも小倉で好走した経験はあるが、今回は消去する。

【今年の該当馬】
・アップデート
・カレンルシェルブル
・スタッドリー
・モズナガレボシ


『前走ローカル』×『前走10着以下』★4.5%★

4つ目は前走をローカルで走っていた馬を取り上げたい。前走中央組の【6-6-4-34】(複勝率32.0%)に対して、前走ローカル組は【4-4-6-70】(同16.7%)と苦戦している。このうち前走ローカルで10着以下に敗れていた馬は【0-0-1-21】(同4.5%)。唯一馬券に絡んだのは、20年に13番人気で3着に食い込んだアウトライアーズだった。これは例外中の例外とみて、この組み合わせを4つ目の消去データとして採用する。

以下の4頭がこの条件に当てはまった。テーオーシリウスとモズナガレボシはすでに消去済みのため、新たにスカーフェイスとヴァンケドミンゴの2頭を消去リストに加えたい。

【今年の該当馬】
・スカーフェイス
・(テーオーシリウス)
・(モズナガレボシ)
・ヴァンケドミンゴ

『非社台系生産』×『今回7番人気以下』★2.3%★

4つの条件を終えて16頭中10頭を消去した。最後は生産者別データから過去10年で【8-2-4-63】(複勝率18.2%)の非社台系生産馬を取り上げたい。これに掛け合わせるのは当日の人気順で、7番人気以下という条件。これに当てはまった馬は44頭いたが、馬券に絡んだのは、20年に10番人気で優勝したアールスターだけで、【1-0-0-43】(複勝率2.3%)という成績が残っている。

ここまでに残っている6頭のうち、非社台系生産馬はエニシノウタとゴールドエクリプスの2頭。もし最終的に単勝7番人気以下なら消去する。

【今年の該当候補】
・エニシノウタ
・ゴールドエクリプス

全ての条件を終えて、カテドラル、ククナ、レヴェッツァ、ワンダフルタウンの4頭が消去を免れた。4頭の中では格下のレヴェッツァが実績的に大きく見劣る。実際に3勝クラスでも馬券に絡んだことがない。それでも着順ほど大きく負けているわけではなく、53kgと軽ハンデに恵まれた今回は激走の可能性は十分あるとみる。馬券はこの4頭と、5つ目の条件で消去を免れた馬の三連複ボックスで勝負する。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2022年の全重賞回収率は67.0%。今年は中山金杯からホープフルSまで、消去を免れた馬の三連複ボックスを買い続ける予定。今年の回収率は28.9%(8月6日現在)。

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