【エルムS】4、5歳で速い上がりが使える馬を中心に 京大競馬研の本命はセキフウ

京都大学競馬研究会

エルムステークス 上がり3F別成績(札幌開催の過去10年),ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

4、5歳馬中心のレース

8月6日(日)にエルムS(GⅢ・ダート1700m)が行われる。今年は大沼SとマリーンSを連勝したペプチドナイル、2021年ジャパンC2着のオーソリティ、地方在籍時から4連勝中のワールドタキオンなど注目の馬が揃った。過去のレース傾向などを踏まえて予想していく。

エルムSの年齢別成績,ⒸSPAIA


まず、札幌で行われた直近10回のエルムSにおける馬齢別成績について調べた。ここでは、4、5歳馬が好結果を残していることが分かる。4歳馬は【3-2-1-12】で勝率16.7%、連対率27.8%、複勝率33.3%。今回であればセキフウ、ペイシャエス、カフジオクタゴンなどが該当する。

次に5歳馬は【6-2-4-22】で勝率17.6%、連対率23.5%,複勝率35.3%。こちらも優れた成績を残している。ペプチドナイル、タイセイサムソン、ワールドタキオンなどが該当する。

6歳馬は【1-3-4-31】で勝率2.6%、連対率10.3%、複勝率20.5%、7歳以上は【0-3-1-37】で連対率7.3%、複勝率9.8%と、若い馬に比べて数字をやや落としている。


速い上がりが使える馬に注目

エルムSの上がり順位別成績,ⒸSPAIA


同じく札幌で行われた直近10回のエルムSについて、上がり順位別成績を調べた。まず、上がり最速の馬は【4-1-3-3】、上がり2位の馬は【5-3-0-3】でどちらも複勝率が7割を超えている。速い上がりが使えそうな馬を高く評価したい。

上がり3~5位の馬は【1-6-4-22】で複勝率33.3%。上がり6位以下になると【0-0-3-74】と明らかに悪い。しまいの脚がない馬は評価を大きく下げておきたい。


好データ満たす馬を中心に

◎セキフウ
4歳馬であり、近2走はいずれも上がり最速の脚を見せている。前走はペプチドナイルに着差こそ付けられたものの、これまでと比べて前に位置取りながら最速の脚を繰り出した点は評価できる。最近はズブさを見せ、1400mでは少し苦しい印象を受ける一方で、適性的には長い距離も難しそう。このところ使われている1700mという条件が合う。

ここ2走はペプチドナイルに逃げ切られているものの、今回はべレヌスやタイセイサムソンなどこれまで逃げの戦法を取ってきた馬が多く、速いペースになりそうで、より末脚が生きてくる。函館と比べれば札幌の方が差しは決まりやすい印象で、札幌替わりの今回はペプチドナイルを逆転することも期待できる。使われるたびに状態も上がっているように感じる。人気はどの程度になるか分からないが、本命で勝負する価値ありだ。

◯ペイシャエス
こちらも4歳馬で、名古屋GPやジャパンダートダービーでは速い上がりを使い、好走を見せている。ダイオライト記念は明らかに距離が長かったことが敗因だ。川崎記念こそ強敵相手に大敗しているものの、名古屋GPやJBCクラシックでは古馬を相手に内容ある競馬が出来ていて、能力はかなりある。

JRAの競馬場への出走は昨年のユニコーンS以来になるが、これまでの走りを見れば中央の砂への適性はあるので大きな心配はない。中団から差す競馬で速い上がりが使えるタイプなので、前に行く馬が多い展開も味方する。斤量が59kgなのは不安材料だが、相手関係を見ればこの斤量でも勝ちきれる能力はある。状態も良さそうなので期待したい。

▲ペプチドナイル
5歳馬で、ここ2戦は逃げながらも速い上がりを繰り出している。特に大沼Sの内容は素晴らしく、逃げを打ったものの一度はディアセオリーにマクられ、展開的に苦しくなったところを盛り返しての快勝だった。前走も57.5kgを背負いながら逃げて快勝と、力を見せつけた内容であった。

今回はべレヌス、タイセイサムソンなどがいて、これまでのように自分のペースで競馬をしていくのが難しそうではあるが、赤富士Sは番手から快勝しているように、何が何でも逃げなければ、というタイプではない。柔軟に対応出来れば今回もチャンスはある。状態的にもここ2走以上にありそうなので、力を出せれば大崩れなく好走できる。

△ルコルセール
2走前の1400mは明らかに短かったので、1700mという距離が続くのはプラス。名古屋城Sではヴァンヤールを倒すなど、力は既に重賞級。スタートが若干不安定な所があるのでこの評価だが、そこさえ克服すれば好走は十分あり得る。

×ロッシュローブ
道悪ダートでの内容は優秀。上手く流れに乗って、末脚を繰り出せれば。

×タイセイサムソン
前走を見る限り、距離は問題ない。ただ、前が流れる展開で勝ち切るには力が足りないか。

消オーソリティ
ダートには適応してきそうな感じがあるものの、右回りの1700mが合うようには思えない。人気も加味するとここでは買いにくい。

買い目は◎-◯▲△×の馬連で勝負。先週のクイーンSは◎-×-◯の決着で無事馬単が的中。今週も同じくらいには自信があるので、何とか当てたい。

▽エルムS予想印▽
◎セキフウ
◯ペイシャエス
▲ペプチドナイル
△ルコルセール
×ロッシュローブ
×タイセイサムソン

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会 25年以上の歴史がある、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。



《関連記事》
【エルムS】ダート替わりはクラスが上がるほど凡退率アップ データで導く「過信禁物の注目馬」
【エルムS】歴代最速上がりの優勝馬と最多勝騎手とは 「記録」を振り返る
【エルムS】フジキセキ、Deputy Ministerの血を持つ馬が好走 有力馬の血統解説

おすすめ記事