【競馬】2022年デビューの佐々木大輔、今村聖奈、角田大河騎手を徹底分析 3人の「買い条件」を発見

東大ホースメンクラブ

佐々木大輔、今村聖奈、角田大河騎手の「買える条件」,ⒸSPAIA

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今後注目の2022年デビュー組

先日、佐々木大輔騎手が史上最年少の19歳で函館リーディングを獲得した。今年に入ってメキメキと頭角を現した彼は、今年の毎日杯を制した角田大河騎手や、昨年のCBC賞を重賞初騎乗で勝利した今村聖奈騎手らと同じ、2022年デビュー組である。

今回はそんな活躍目覚ましい2022年デビュー組の中で、上記3人の昨年と今年の成績比較、そしてデビューから2年経っていないが、ここまでの彼らの「買える条件・買えない条件」をテーマに、過去のデータを分析してゆく(参照するデータは2022年3月5日~2023年7月30日)。


佐々木大輔騎手 前走1着馬では連対率0%

佐々木大輔騎手の成績比較,ⒸSPAIA


<佐々木大輔騎手の成績比較>
2022年【9-8-14-242】勝率3.3%/連対率6.2%/複勝率11.4%
2023年【37-29-32-322】勝率8.8%/連対率15.7%/複勝率23.3%

まずは佐々木騎手の昨年と今年の成績比較から。今年の上半期だけで昨年の4倍以上の勝ち星を挙げており、単勝回収率も70%から173%へ激増。一気に「買える」騎手の仲間入りを果たした。ただし今年の5月に単勝回収率525%を叩き出した後から、6月同49%、7月同53%と妙味が薄まっていることは頭に入れておきたい。

佐々木大輔騎手の「買える条件」/「買えない条件」,ⒸSPAIA


<佐々木大輔騎手の「買える条件」・「買えない条件」>
前走逃げた馬【8-5-6-28】勝率17.0%/連対率27.7%/複勝率40.4%
新馬戦【4-2-3-24】勝率12.1%/連対率18.2%/複勝率27.3%
札幌コース【0-2-2-35】勝率0.0%/連対率5.1%/複勝率10.3%
前走1着馬【0-0-2-27】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率6.9%

佐々木騎手は逃げ、先行を得意にしており、前走逃げた馬に騎乗したときは勝率17.0%、単勝回収率135%を記録。なんとベタ買いするだけでプラスになる。さらに、新馬戦での戦績は勝率12.1%、単勝回収率は455%と妙味十分。積極的に狙っていきたいところだ。

函館での勢いそのままに札幌での活躍も期待されたが、意外にも今開催では勝ち星を挙げられておらず苦戦中。函館開催と同様に、佐々木騎手が騎乗することで人気している馬がいるなら、バッサリ切るのもアリだ。また、29回騎乗して前走1着馬での2着以内が一度もない。条件戦で昇級馬に騎乗する場合は見送るのが吉である。


今村聖奈騎手 狙うは新潟ダート

今村聖奈騎手の成績比較,ⒸSPAIA


<今村聖奈騎手の成績比較>
2022年【51-48-42-465】勝率8.4%/連対率16.3%/複勝率23.3%
2023年【20-20-21-234】勝率6.8%/連対率13.6%/複勝率20.7%

次は今村聖奈騎手の昨年と今年の成績を比較する。勝率、連対率、複勝率の全てが昨年を下回っている状況だ。

昨年はデビュー後の3月から7月までで23勝を挙げていた。しかし、今年の同時期では騎乗停止期間もあり、半分以下の10勝に留まっている。特に5月は騎乗回数8回で0勝、6月は騎乗回数20回で1勝と、騎乗停止処分の影響で耐え忍ぶ時期が続いた。7月は騎乗回数45回で4勝と復調気配。このままかつての勢いを取り戻せるか注目だ。

今村聖奈騎手の「買える条件」/「買えない条件」,ⒸSPAIA


<今村聖奈騎手の「買える条件」・「買えない条件」>
新潟ダート【16-8-6-48】勝率20.5%/連対率30.8%/複勝率38.5%
本田優厩舎【4-3-2-11】勝率20.0%/連対率35.0%/複勝率45.0%
芝1400m以下【5-7-11-128】勝率3.3%/連対率7.9%/複勝率15.2%

今村騎手が最も得意とするのが新潟ダート。特にダート1200mでは【11-4-3-20】で勝率28.9%、単勝回収率127%と非常に優秀だ。また、本田優厩舎と好相性で勝率20.0%、単勝回収率153%を記録している。

一方、苦手としているのは、意外にも初重賞を勝利した芝の短距離。芝1400m以下では勝率3.3%、単勝回収率20%と苦戦が目立っており、評価を下げる必要がある。


角田大河騎手 若きスプリントマイスター

角田大河騎手の成績比較,ⒸSPAIA


<角田大河騎手の成績比較>
2022年【36-36-32-479】勝率6.2%/連対率12.3%/複勝率17.8%
2023年【24-24-27-281】勝率6.7%/連対率13.5%/複勝率21.1%

最後に角田大河騎手の昨年と今年の成績を比較する。勝率、連対率、複勝率の全てで今年の成績が昨年を上回っており順調。今年4月は単勝回収率232%を記録している。

そんな絶好調の中で下された騎乗停止処分。その影響は大きく、5~6月は騎乗回数が減った。4月は複勝率21.2%だったが、5月は同18.8%、6月は同12.5%と、成績を落とすこととなった。しかし、7月は【3-7-3-39】同25.0%で、今村騎手と同様に復調気配を見せている。

角田大河騎手の「買える条件」/「買えない条件」,ⒸSPAIA


<角田大河騎手の「買える条件」・「買えない条件」>
芝1400m以下【15-12-5-100】勝率11.4%/連対率20.5%/複勝率24.2%
吉村圭司厩舎【7-2-2-24】勝率20.0%/連対率25.7%/複勝率31.4%
阪神芝外回り【1-2-3-68】勝率1.4%/連対率4.1%/複勝率8.1%

角田大河騎手が最も得意としているのが芝の短距離。単勝回収率は161%と妙味も十分だ。今年のGⅢ・オーシャンSでもエイシンスポッター(5番人気3着)で馬券に絡んでおり、OPでも2勝を挙げている。同馬を管理する吉村圭司厩舎との相性が良く、7勝を挙げ、単勝回収率は389%を記録している。

苦手な条件として取り上げたいのが阪神芝外回りコース。勝率は1.4%、単勝回収率はわずか15%と非常に低調だ。同じ阪神の芝内回りコースは【4-2-3-53】勝率6.5%、単勝回収率167%を記録しており、内回りと外回りで対照的な成績となっている。

2022年デビュー組には、障害競走専門の小牧加矢太騎手もおり、今回紹介した3人に負けず障害界で活躍している。他の同期たちも着実に力を付けており、今後の活躍が期待される。

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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