【アイビスSD】韋駄天S組の取捨がポイント 内枠敗戦馬の条件替わりを狙え
佐藤永記
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CBC賞組不在で韋駄天S組中心だが
客席の眼前である外ラチいっぱいを短距離馬たちが駆け抜ける、現地で見てほしいと思うレースの一つが7月30日に新潟競馬場で開催されるアイビスSDだ。今年は1つ注意点がある。それは前走CBC賞組の不在だ。過去10年で前走CBC賞組は韋駄天S組と並ぶ4勝をマーク。直近の短距離重賞であり、有力ローテの一つなのだが、今年は登録馬がいなかった。
そのため韋駄天S組に例年以上の注目が集まりそうだが、今年の同レース出走馬は10頭もいる。韋駄天Sはハンデ戦。勝ったメディーヴァルが52kg、2着のファイアダンサーが51kgと軽ハンデ馬によるワンツーなうえ、ハンデをもらった馬たちが軒並み大敗といった内容のため、別定戦、そして枠番と条件が変わって同じ結果になるとは正直思えない。
昨年のアイビスSDを例にとり、同年の韋駄天Sの着順や馬番を並べてみると、韋駄天S・1着(16番)のマリアズハートが7着(6番)だったのに対し、韋駄天S・4着(11番)のビリーバーが1着(16番)、韋駄天S・3着(5番)のシンシティは2着(17番)であった。わかりやすいくらい馬番が外に移った馬の好走が目立つ。
韋駄天S内枠敗戦組の外枠替わり狙い
そこで今年の韋駄天Sを内枠で成績が残せなかった穴馬をピックアップしておこう。外枠になったら警戒しておきたい。
1頭目はマウンテンムスメ。韋駄天Sは2番枠9着だった。逃げ主体の戦法で、今回はテンの速い逃げ馬が少ないため、外枠を引いてハマれば魅力ある馬だ。
2頭目はスワーヴシャルル。韋駄天Sは4番枠で14着だった。勝鞍のほとんどがダートではあるが、セレクトセールで1億9,440万円の落札価格がつくほど期待されていた馬である。昨年の新潟千直・ルミエADで16番枠から3着の実績があり、外枠なら警戒が必要だ。
3頭目はレジェーロ。韋駄天Sは5番枠6着だった。最低16番人気から0.1秒差。なおかつ2着争いとなった5頭で同タイムと僅差であり、もし枠の利が加われば今回も面白い存在だろう。
最後はライオンボスだ。韋駄天Sは6番枠で13着。2019年のアイビスSD勝ち馬であり、2020年、2021年も2着と新潟千直の鬼だ。しかし、昨年は10着、さらに近走は大敗続きと、8歳となり衰えはいかんともしがたいところ。テンの速さも衰えていそうで、人気も落ちそうではあるが、もうひと花咲かせる舞台としてはここしかない馬であり注目だ。
<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。
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