夏の新潟で狙える騎手を調査 芝は田辺裕信騎手、ダートは内田博幸騎手が熱い
高橋楓
ⒸSPAIA
狙いたいのは田辺裕信&M.デムーロ騎手
夏の新潟県は自然豊かな観光地が魅力。特に車で移動すると、新潟市からは日本海最大の島、佐渡島に渡ることもできる。ぜひ楽しんでもほしい。といっても、観光するにも懐事情と要相談だ。
さて今回は新潟競馬場で好成績かつ回収率が高い騎手を紹介する。馬券攻略の一助にしてほしい。今回は夏(7~9月まで)の新潟開催で好成績を残している騎手を主に見ていく。
まずは芝コースの着度数ランキングをみていこう。期間は2013年7月1日~2023年6月30日に行われた893レースを対象とする。
1位 戸崎圭太【91-71-55-320】
2位 M.デムーロ【67-43-33-171】
3位 田辺裕信【47-35-44-299】
4位 北村宏司【37-43-42-305】
5位 石橋脩【37-30-43-359】
上記5人で約31.2%の勝ち星を占めているのだから驚きだ。ちなみに、北村宏司騎手は関屋記念で4勝と歴代1位タイ(ほか4勝を上げたのは菅原泰夫元騎手)。今年も同レースでの騎乗があれば要注意だ。馬券攻略で覚えておきたいのは、「田辺裕信騎手の1600m戦」と「M.デムーロ騎手の内、外回り関係なく2000m戦」は買い、ということだ。
まず田辺騎手から。近10年間の1600m戦では【20-11-10-74】勝率17.4%、連対率27.0%、複勝率35.7%で単勝回収率149%、複勝回収率103%と好成績を残している。極端な大穴で数字を上げているわけではなく、単勝20倍以下の馬でコンスタントに馬券に絡んでいる。この夏はぜひ追いかけてみてほしい。
次にM.デムーロ騎手。近10年間の芝2000mでは【17-10-5-22】勝率31.5%、連対率50.0%、複勝率59.3%。単勝回収率185%、複勝回収率123%。平均3.7番人気で安定した成績を残しているのは心強い。注目したいのは、20勝のうち単勝オッズ10倍以上での勝利は、2021年新潟記念のマイネルファンロンのみということ。期待値があるとは言え、無謀な穴狙いは禁物だ
人気でも逆らえないトップジョッキー3名
次に近10年間、夏の新潟で全場の芝成績よりもグッと数字が上がる3名を紹介してみたい。なお、本文の括弧内の数字は、全体平均との比較を表している。
まずはC.ルメール騎手。全体成績でも勝率24.9%、連対率42.6%、複勝率54.5%と2回に1回は馬券に絡む。それが新潟だと勝率32.3%(+7.4%)、連対率56.5%(+13.9%)、複勝率64.5%(+10.0%)とさらにハイアベレージとなる。覚えておきたいのは1番人気の場合【12-9-4-11】と意外に取りこぼしが多いということ。1番人気だからといって安直に頭固定するのは危険だ。
次に川田将雅騎手。新潟では勝率29.8%(+8.4%)、連対率44.0%(+7.0%)、複勝率59.5%(+9.5%)とC.ルメール騎手に負けず好成績だ。牝馬に騎乗した場合は【13-3-5-10】と1着回数が2、3着を足した数を上回っており、しかも単勝回収率154%、複勝回収率117%とプラス収支になっている。
最後に池添謙一騎手。個人的にはオルフェーヴルのデビュー戦が今でも忘れられない。そのせいか分からないが池添騎手と聞くと、不思議と新潟競馬場を思い出す。気になる成績は勝率17.2%(+7.3%)、連対率29.3%(+10.1%)、複勝率41.4%(+13.6%)。サンプル数は少ないが2歳未勝利戦では【3-2-0-0】連対率100%となっている。
ダートは大井競馬出身の戸崎圭太&内田博幸騎手に注目
次はダートの着度数ランキングを見ていく。期間は2013年7月1日~2023年6月30日に行われた591レースを対象とする。
1位 戸崎圭太【51-35-37-182】
2位 内田博幸【35-30-23-253】
3位 田辺裕信【28-22-25-169】
4位 三浦皇成【22-20-19-134】
5位 大野拓弥【22-18-27-215】
芝コース同様、ダートでも戸崎圭太騎手がダントツのトップになっている。複勝率は40.3%とハイアベレージだ。馬券検討のうえで覚えておきたいのは、「ダート1800m戦の内田博幸騎手は黙って頭で買い」ということだ。当該条件では【26-17-10-139】単勝回収率144%。3角5番手以内で25勝を上げており、直線の短い新潟ダートらしく、ある程度前で運んで勝ち切るパターンが多い。また、単勝10倍以上でも7勝。穴でも積極的に狙ってみたい。
新潟名物、直線1000m巧者は津村明秀騎手
最後に新潟競馬場といえば芝直線1000mのレースが行われることで有名。夏限定ではサンプル数が少なすぎるため、直線レースだけは2013年7月1日から2023年6月30日のオールシーズン244レースに焦点をあて、成績を調べてみた。
1位 津村明秀【12-11-9-77】
2位 藤田菜七子【11-5-5-92】
3位 杉原誠人【8-12-8-95】
新潟千直の常識といえば芝の状態が良い外枠が圧倒的有利であることだが、津村明秀騎手は以下のように枠番不問で結果を出している点で優秀だ。
1枠 【0-3-0-10】
2枠 【1-1-0-11】
3枠 【1-0-1-13】
4枠 【1-2-0-14】
5枠 【3-0-1-8】
6枠 【1-0-2-7】
7枠 【3-0-1-6】
8枠 【2-5-4-8】
他の騎手の場合、外に行くほど好成績なのだが、津村騎手は1枠以外の枠番全てで勝利をあげており、逆に8枠では2勝しかしていない。もっと言うと馬番16~18番では勝ち星ゼロなのだ。近10年間で単勝回収率174%、複勝回収率110%の得意舞台なのでぜひ覚えておきたい。
また、騎乗数が少ないのでベスト3には入っていないが、鮫島克駿騎手は【7-10-5-32】。50回以上騎乗したことのあるジョッキーの中で、複勝率は40.7%でトップだ。1、2枠【0-1-0-17】に対し、3~6枠で【4-3-2-8】、7、8枠では【3-6-3-7】と、千直のイメージ通り外に行くほど安定感が増していく。
2018年の飛翼特別を13番人気のジョーカナチャンで制し、2019年の驀進特別を千直初挑戦の15番人気ライオンボスで快勝し、アッと言わせた。覚えておいて損はない存在だ。
《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレースの記事を中心に執筆している。
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