【中京記念】中京マイルの過去7回で8頭が連対 好相性のノーザンテーストの血を持つ有力馬とは
坂上明大
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傾向解説
4年ぶりに中京芝1600mを舞台に行われる中京記念。直近2年は小回り、右回り、1800mの小倉競馬場を舞台に行われてきましたが、今年は中京競馬場に舞台が戻り、求められる適性も大きく変わってきます。本記事では2019年以前の傾向を振り返りつつ、血統面を中心に中京記念のレース傾向を整理していきます。
2019年以前の中京記念ではノーザンテーストの血の活躍が目立ちます。東京や阪神のマイル戦とは異なり、タフな消耗戦になりやすいのが中京芝1600m重賞の特徴。2013~19年の前後半3F平均ラップは35.0-35.3の前傾0.3秒と引き締まったラップを刻んでおり、Hyperionの4×3(Lady Angelaの3×2)などからスピードとタフさを強く伝えるノーザンテーストの血が活きやすい舞台といえるでしょう。馬券成績上は【3-5-1-34】単勝回収率60%、複勝回収率84%と特筆するほどではありませんが、4~5着馬には2016年4着ダンスアミーガ(16番人気)など7頭もの好走馬がおり、数字以上に存在感の強い血統のひとつです。
ほかではマルゼンスキーの血にも要注目。同馬もスピードとタフさに優れた血脈のひとつで、【3-2-0-5】とサンプル数は少ないものの、好走率が高いです。特に2015年の1着スマートオリオン(6番人気)、2着アルマディヴァン(13番人気)は大きなインパクトがあり、好走馬すべてが別の馬という点も同血脈の適性を示すものといえるでしょう。ただ、母方にマルゼンスキーの血を持つエピファネイアについてはペースが速くなっていいタイプではないため注意が必要です。
血統解説
・ルージュスティリア
母母Wandestaは1996年メイトリアークSなどGⅠ・3勝の名牝で、本馬自身はディープインパクト×Storm Catとのニックス配合。ただ、Burghclere≒Height of Fashionの3×4を持つ分、スタミナ色も強く、マイル戦なら東京や阪神での瞬発力勝負がベターでしょう。
・ダノンスコーピオン
母レキシールーは2014年ハリウッドダービー2着馬。ロードカナロア産駒は中京芝1600mでの成績が良く、特に2勝クラス以上のハイレベル戦では単勝回収率295%、複勝回収率107%と非常に優秀な成績を残しています。前後半3F34.1-34.9のNHKマイルCを制しており、ハイペースのマイル戦はピッタリの舞台といえそうです。
・ウイングレイテスト
父スクリーンヒーローは2019年2着馬クリノガウディーを出し、父父グラスワンダーも2015年1着馬スマートオリオンを出している中京記念と相性の良い父系。さらに本馬は母方のHyperion色が強く、父が持つノーザンテーストの血を刺激している点も魅力。ワンペースの競馬に強く、メンバー構成からも展開の恩恵を受けられそうでもあります。
ライタープロフィール
坂上明大
1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。
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