【中京記念】ハーツクライ産駒は9頭中4頭が人気薄から馬券絡み シュリが波乱を起こす

門田光生

中京記念の性別成績(過去10年),ⒸSPAIA

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ハーツクライ産駒に妙味あり

2023年7月23日に中京競馬場で行われる第71回中京記念。3年前の阪神、一昨年、昨年の小倉を経て、4年ぶりにホームへと戻ってきた。また、芝2000mから芝1600mに変更されてから、今年で12年目となる。2020年には単勝163倍の18番人気メイケイダイハードが勝利し、3連単は300万を超える高額配当が出た。今年も一獲千金を期待したくなるこのレースには、果たしてどのような傾向があるのか。阪神、小倉開催も含めた過去10年の成績を基に検証していきたい。

中京記念出走馬の所属,ⒸSPAIA
中京記念出走馬の性別,ⒸSPAIA
中京記念出走馬の年齢,ⒸSPAIA


☆所属、性別、年齢
美浦所属馬は24頭の出走で2勝、2着2回の4連対。対する栗東所属馬は134頭が出走して8勝、2着8回。勝率、連対率で見ると、出走頭数の少ない美浦所属馬の方が上回っている。別開催だった近3年は、栗東所属馬が1~3着までを独占している。

牝馬が連対したのは2015年の2着馬アルマディヴァンと、2021年の1着馬アンドラステだけ。あとはすべて牡馬。牡馬・セン馬は出走頭数が牝馬の5倍ほど多いのだが、勝率、連対率でも上回っている。ここでは牡馬・セン馬が有利だ。

年齢別のデータがなかなか面白い。まず3歳馬は出走頭数が9頭と少ないのもあるが、勝率、連対率はトップ。ただし、馬券に絡んだのは2019年の1、2着馬だけなので、評価が難しいところ。脂がのっているはずの4歳馬は、なんと連対なし。5歳馬は6勝、2着6回で、ともに最多。中心にするなら5歳が無難か。6歳馬も3勝、2着2回と悪くない数字を残している。7歳馬で連対したのは2014年のミッキードリームだけで、8歳以上から馬券に絡んだ馬は出ていない。

中京記念出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA
中京記念出走馬の主な前走,ⒸSPAIA


☆前走クラスと主な前走
前走オープン・リステッド組から勝ち馬が5頭、2着馬が6頭出ている。中でも相性がいいのはパラダイスS組で2勝、2着2回。最も相性のいい前哨戦といえる。重賞ではGⅡ組の好走率が高く、特に京王杯SC組の活躍が目立っている(今回は該当馬なし)。逆にGⅢ組は連対率が3%を切っており、狙いづらい。

中京記念出走馬の前走距離,ⒸSPAIA


☆前走距離
前走で1200m、1800mを走っていた馬から勝ち馬が出ていない。特に1200m組(今回は該当馬なし)は10頭が出走して、すべてが馬券圏外に沈んでいる。

中京記念におけるその他のデータ,ⒸSPAIA


☆その他
そのほかで気になったデータを挙げてみる。まずキャロットクラブ所属馬の成績が【3-2-2-5】と優秀。連対率40%越えは評価に値する。

続いてハーツクライ産駒。【0-3-1-5】と勝ち馬は出ていないものの、馬券に絡んだ4頭は5、5、6、10番人気。馬券妙味は十分ある。以降は割引データ。前走3着馬は12頭、そして前走馬体重が466キロ以下は40頭該当して、いずれも3着が最高着順で連対馬が出ていない。また、中2週で挑んできた15頭はすべて5着以下に沈んでいる(今年は該当馬なし)。


二度あることは三度ある?

中京記念のデータをまとめてみよう。

【好走データ or 馬券妙味あり】
A「前走がパラダイスS組」
B「キャロットクラブ所属」
C「ハーツクライ産駒」

【好走率ダウン】
D「牝馬」
E「前走がGⅢ」

【勝ち馬なし】
F「前走が1800m」
G「7歳馬」

【連対馬なし】
H「前走が条件戦」
I「前走3着馬」
J「前走馬体重466キロ以下」

今回の好走データは3つあるが、それを1つでも満たした馬はヴィジュネル、カイザーミノル、グランデマーレ、シュリの4頭だけ。このなかで、ヴィジュネルとグランデマーレは抽選対象なので、ひとまず保留。カイザーミノルは勝ち馬が出ていないG「7歳馬」、連対馬が出ていないJ「前走馬体重466キロ以下」に該当するので印は入れづらい。

シュリもE「前走がGⅢ」、G「7歳馬」と2つのマイナスデータを持っているが、ともに連対馬は出ているデータだ。シュリが持つプラスデータのC「ハーツクライ産駒」にしても【0-3-1-5】で、馬券に絡んだ4頭はいずれも5番人気以下。連軸で高配当を狙うのであれば、理にかなっているのかもしれない。というわけで、今回はシュリを本命としたい。ハーツクライ産駒は2年連続で連対しており、「二度あることは三度ある」を期待しよう。

2番手以降をどう順番づけるかが難しい。そこで、プラスデータは持っていないが、割引データもない馬をピックアップする。該当するのはウイングレイテスト、ホウオウアマゾン、メイショウシンタケの3頭。この中では、全くデータがない「前走海外」のホウオウアマゾンがどんな走りを見せてくれるか、楽しみだ。

牝馬はヴィクトリアマイル組が条件緩和で浮上する印象もあるだろうが、同組は【0-0-1-8】と結果が出ていない。これらを含めて、牝馬は今年も軽視していいだろう。

◎シュリ
◯ホウオウアマゾン
▲ウイングレイテスト
△メイショウシンタケ
注グランデマーレ
注ヴィジュネル

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
昔は寝貯めができたのですが、最近は9時間以上寝ると、その日は頭に霞がかかったような状態で、全く集中力がなくなってしまうことがよくあります。遅くまで起きていられない体質(?)なので、休みの日でも朝5時とかに起きるのもザラ。健康的といっていいのかどうか……。

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